水揚げが本格化した北海道の秋サケ定置漁。えりも漁協冬島地区で従事する坂本雅彦さん、悠さんの兄弟が今季から一般の人を対象に事業化した「漁師体験」を始動した。定置船「第五十八宝漁丸(18トン)」の操業時に網起こしなどを一緒に体感。漁業や秋サケなど魚介類を身近に感じてもらうことで、魚食普及、さらには担い手確保などにつながることを見据えた新たな挑戦。地元・様似町も地域漁業の振興などに結び付く取り組みとして期待を寄せている。
イオン株式会社は10月の消費増税によって高まりが予測される 「内食需要」に対応する商品を拡充する。18日にはフライパン調理で簡単にメニューが完成するミールキット「トップバリュ フローズンCooKit(クッキット)」の第2弾を発売。今回は、今年4月に発売して以来要望が多かった水産品のキットを新たに加えた。さらに10月にはレンジによるスチーム調理で本格的な魚料理を完成させる商品も投入する。
青森市の金八神漁網(株)が15日、創業から80年を迎えた。陸奥湾ホタテの今日の隆盛を、養殖かごなどの資材面から支え続けて発展。近年はベトナム工場を生産拠点に実績を上げるとともに、長年の経験に基づく改良、開発とアイデアにより、海域に適合した資材を北海道や岩手・宮城両県、瀬戸内海、九州などにも届け浸透を図る。高い技術力はタコ、カニなどの魚介類捕獲かごやカキかごにも及び、わが国屈指の水産用かごメーカーに躍進。80年をステップに、漁業と養殖業を新たな展開に導くような資材の開発、供給が期待される。
解禁から3カ月余りが経過した北海道沿岸のスルメイカ漁。全域的に漁況は今季も低調。日本海側は主漁場が形成されず、各地で序盤から苦戦が続いている。太平洋側は道東が花咲で昨年より早く7月に水揚げがあり、8月の盆明け以降も集中。津軽海峡~道南は日高が出遅れの一方、白老沖で8月下旬から見え始め、苫小牧の水揚げが増加。函館は統計史上最低で推移している。
秋サケ定置の解禁に伴い、道漁連、北海道秋鮭普及協議会は、「秋鮭食べつくし隊」と題した旬時期の消費拡大活動をスタートさせた。2日には札幌市中央卸売市場水産協議会と共同で同市場での初入荷に合わせて、報道機関や市場関係者を対象に秋サケいくら丼の試食提供などキャンペーンを開催。増産見込みを起爆剤に、各種消流宣伝・販促を実施し、消費・売り場の回復を目指す。
道立工業技術センターは、昆布製品製造卸の株式会社丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)と共同で乾燥昆布のヨウ素含量を制御する新技術を開発した。昆布の内部構造の変化を利用したもので、すでに特許を出願。輸入海藻のヨウ素含量に規制値を定める国もあることから、新技術によって海外市場の新規開拓が期待される。
今季サンマ漁の本州初水揚げが8月27日、大船渡、気仙沼両港であり活気づいた。20日に道東を出漁した大型船が漁獲し、大船渡に2隻、23トン、気仙沼に1隻、7トン。価格はそれぞれ、900~821円、800~700円。ハシリは群れも薄く、各船とも苦戦しているという。
道漁連は8月27日、道産魚介類を取り扱う取引先でつくる「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会を東京都内で開いた。札幌や関東地区の卸や商社など約180人が参加。秋サケ、いくら、ホタテの商戦展開を意見交換した。
苫小牧漁協の夏ホッキけた引漁は、増産基調で推移している。資源量が豊富で、シケの影響も少なく順調に水揚げ。一方で浜値は振るわず、着業者は今後の価格挽回に期待している。
道東のサンマ漁は近年にない不振の滑り出しだ。8月10日に操業を開始した大臣許可の棒受網船は同20日解禁の大型船の水揚げも26日に始まったが低調な出足。漁業情報サービスセンターによると、28日までの道東4港(花咲・浜中・厚岸・釧路)の水揚量(速報値)は575.7トンで前年同期の1割。水産庁の漁況予報で本格化が示された9月中旬以降の好転に期待がかかっている。