北海道沿岸での水揚げが定着したブリ。ひだか漁協や羅臼漁協など各浜でブランド化の取り組みも進む中、東しゃこたん漁協も船上活じめで販売拡大に乗り出した。美国沖で大定置を営む有限会社丸榮水産が活じめを実施。漁協職員が脂肪率の測定などで厳選したブリにブランド名称「鰤宝(しほう)」を冠し、10月から出荷を開始。鮮度の良さが評価され、日によって野じめに比べ2倍近い価格が付くなど順調なスタートを切っている。
食品卸大手の国分グループ本社株式会社(東京都)は2020年1月1日をめどに生鮮事業会社を再編する。調達から販売まで生鮮流通全体の最適化を実現させる。
湧別漁協の刺網着業者が、サロマ湖で掛かるヤドカリの出荷を試みた。胴体から外した爪だけを生出荷し、1軒2~3キロ、ピーク時の日量は40~50キロに上った。鮮魚類の不漁も相まって、地元飲食業が試行的に買い付け。消費者の評判は上々という。
日本昆布協会(大西智明会長)は10月23日、大阪のホテル阪急インターナショナルで「昆布大使と会員企業の懇談会」を開いた。9月に実施した昆布大使向け産地見学ツアーを報告。消費拡大や商品開発についても意見を交わした。
寿都町の株式会社山下水産(山下邦雄社長、電話0136・62・2023)は、レトルト食品の商品アイテムを拡充している。今年は昨年に前浜で脂の乗ったマサバが好漁だったのを受け、煮魚シリーズを新たに投入。従来主力の冷凍・冷蔵品に加え、保存性の高い常温品で販路拡大に臨んでいる。
記録的な不漁で終盤を迎えた北海道の秋サケ。今季の消流は在庫リスクの回避、サンマ・イカの凶漁に伴う商材確保など産地、消費地の事情が相まって例年以上に生鮮主導となった。今後焦点の冷凍ドレス、いくらなどの製品は供給量が少なく、昨年よりコストも下がった一方、輸入物の価格も下方修正され、先行きは不透明。旬期消費の伸長などの好材料を通年商材の売り場回復につなげられるか、商戦は正念場を迎える。
「第八龍寶丸」で沖合底引漁を営む枝幸町の合名会社枝幸水産商会(岩谷隆行社長、電話0163・62・1622)は、漁獲物を主体に取り組む加工販売事業でホッケのフライを新たに商品化し、居酒屋などに販路開拓を進めている。また、海外市場に向けては今年からシンガポールへの鮮魚輸出に乗り出している。
北海道の秋サケ定置は10月後半から失速し、10月末で4万2380トンと、1978年以来の5万トン割れが濃厚となった。金額も10月20日現在で道連合海区がまとめた漁獲速報によると、前年同期比31%減の247億5046万円と近年最低ペース。400億円台に届かず、2003年の338億円以来16年ぶりに300億円台にとどまる様相を呈している。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社(織茂信尋社長)は、PB商品としてレトルト食品「小川原湖産大和しじみ」を開発し、1日から全29店舗で販売を始めた。時短需要を捉えながらも、産地と原料を厳選し高品質を追求した商品に仕上げた。
オホーツクや陸奥湾のホタテの水揚げが伸びている今年は、玉冷、ベビーの生産量が大幅に増加した。玉冷生産量は2万1000トンと試算され内販消化で1万3000トンの目標。小型主体に回転ずし店や業務筋で順調に消費されているが、相場は昨年とほぼ同様のため量販店では値ごろ感のあるベビーが席巻。国内消費に期待がかかる今シーズン。今後は大型の玉冷消化やアジア圏の輸出動向が注目される。