宗谷漁協で定置網漁を営むマルトウ石井漁業部(石井啓太代表)は、秋サケを中心に自社工場で加工し、量販店や小売店に卸販売している。また、マフグやカスベなどの混獲魚も商品化。ネット販売も手掛け、未・低利用資源の付加価値対策として販売している。
インターネットを通じて不特定多数から少額の出資を募る「クラウドファンディング(CF)が水産業界でも注目されてきている。事業資金の調達と併せて企業の取り組みや商品もアピールし、全国にファンを獲得、知名度を高める効果も見据える。地域活性化などの観点で行政や金融機関も支援に乗り出し、中小企業の新たな資金調達手法として今後も活用が広がりそうだ。
森町砂原の株式会社カネキチ澤田水産(澤田光社長、電話01374・8・2162)は庫腹1400トンの冷蔵庫を増設した。スケソ、ホタテなどの需要増に対応し、既存の施設と合わせて2000トンに保管能力を整備。昨年増設した凍結庫と、新設の脱パンラインと併せて製品の安定供給と省力化で取引先のニーズに応えていく。
スモークサーモンのブランドメーカー・王子サーモン株式会社(本社・東京、佐藤徹社長)は30日、大丸札幌店地下1階に直営店をオープンさせた=写真。百貨店への出店は東京都内で2店舗を展開してきたが、北海道内は初。サンドイッチなども提供し、スモークサーモンの新しい食べ方や調理方法などを発信していく。
えりも町の株式会社マルデン(伝法貴司社長)は、対米HACCPの認定取得に向け、えりも本社工場の加工施設を改修、併せて冷蔵庫を増築した。衛生管理の高度化、原料の保管機能を整備。主力の秋サケをはじめマダラ・スケソ、タコなど前浜で獲れる魚介類の付加価値加工、安定供給体制の強化で、国内、海外市場への販売促進に臨んでいく。
気仙沼湾の最奥に位置する鹿折(ししおり)地区は東日本大震災で壊滅的な被害を受けた。火災も発生し、大型巻網船が打ち上げられた場所としても知られた。個々の力で事業を再開するのは難しいと、震災翌年の夏、有志が集まり立ち上げたのが気仙沼鹿折加工協同組合。現在19社が組合員となっている。
カニなど卸・加工の株式会社札幌大成(札幌市、作間健太郎社長、電話011・633・8020)が8月に発売した総菜「海鮮ねばねば ぶっかけ爆弾」。水産具材5種に、「ねばねば素材」のガゴメ昆布とおくら、長いもの3種をブレンド。美容・健康、簡便志向を捉え、通販などの販路を開拓している。
「ふかひれスープ」など付加価値の高い食品生産で知られる気仙沼ほてい株式会社(山本達也社長・宮城県気仙沼市)は15日、本社工場の竣工式を開催した。大震災で被災したため、同市本浜町の鹿折水産加工集積地に新設復旧。缶詰やレトルトパウチ食品の製造ラインを整備し生産能力は震災前と同等、万全な衛生、安全管理態勢を実現した。冷凍加工品などの開発にも力を入れていく。
宮城県石巻市の株式会社ヤマトミ(電話0225・94・7770)は、ことし2月に完成した第2工場に最新の「循環式過熱蒸気ロースター」=写真=を導入し、ふっくらと仕上げたサバの塩焼きとみりん焼きを提供している。
珍味製造販売の株式会社江戸屋は、自社商品、仕入れ商品合わせて300アイテムを扱う。水産素材の減産高値や、農業王国・十勝に立地する強みを踏まえ、農産品、農産物と水産物を組み合わせた商品開発にも注力。ことし創業60年の節目を迎え、今後も新たな挑戦を続けて、商品の安定生産・安定供給に臨んでいく。