札幌市中央卸売市場の荷受カネシメ髙橋水産株式会社は、アジア市場への輸出向けに、北海道産鮮魚の販売を拡大している。国内の商社と連携。特に香港、タイ向けが順調で定期的に出荷。ことしに入って道内企業の東南アジア市場進出を支援するクール北海道株式会社(札幌市)と協力し、新たにインドネシアなどへの輸出事業にも乗り出した。
生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長)は、生魚(ラウンド)の販売拡大に取り組んで売り上げを伸ばしている。北海道・近海産の品ぞろえを充実し、一部店舗では対面売り場を導入。昨年度から札幌市場と協力し、魚の三枚おろしに特化した調理教室を開講、新たな購入層も生み出している。
噴火湾産の両貝冷凍に対する中国側の引き合いが、昨季と比べ弱まっている。高値張り付きを理由に契約が進んでいない状況。減産のため水揚げは3月に集中する可能性が高く、ある流通業者は「引き合いがあっても成約は2月末までずれ込むだろう」と予測する。
札幌市のナナクラ昆布(電話011・556・5952)は、日高昆布漁と加工業を営んできた木村茂さん(86)を祖父に持つ木村真依子さん(29)が代表を務める。「家業を絶やさず後世に残したい」との思いから昨年4月に設立。「若い人にも昆布を味わってほしい」といい、「もらってうれしいおしゃれな昆布」をコンセプトに各種製品を開発。少量サイズのかわいらしい包装デザインが特長的だ。
(株)釧路町振興公社は、地元・昆布森産の昆布を使ったオリジナル商品を打ち出している。家庭での調理離れ、簡便需要をにらんで、すぐに使える手軽な調味料をシリーズ展開。これまでドレッシング、しょうゆ、だしの素などを発売。売れ行きも上々で今後もアイテムを拡充。併せて札幌など地元外にも売り場を広げ、昆布をはじめ昆布森産の知名度アップを目指していく。
宮城県塩竈市の鹽竈(しおがま)神社で11日、皇室への「献上のり」の栄誉を競う「奉献乾海苔(ほしのり)品評会」の表彰式が開かれた。県漁協塩釜市浦戸支所の千葉眞澄さん(74)が優勝、矢本支所の三浦一郎さん(55)が準優勝に輝いた。千葉さんは「のりを作って50年ちょっと、一度は優勝したいと思っていた」と喜んだ。
品評会は、鹽竈神社の新年恒例の催しで68回目。県漁協の9支所(15地区)から113点が奉納、出品された。県漁協などが色、つや、香りを審査し、1等賞6点なども含め76点が入賞した。優勝と準優勝ののりは2月上旬に皇室への献上が予定される。
気仙沼鹿折地区のマルトヨ食品(株)(電話0226・22・2058)は、サンマのみりん干しや開き、各魚種の一夜干しなどを作っている。 昭和26年、新聞に、「小名浜でサンマのみりん干しができた」という記事が出た。当時みりん干しといえばイワシが常識。しかしそのころ、棒受網が広まり、サンマの水揚げがまとまってきた。その記事を見た、当時失職中だった先代社長、中学2年生だった息子で現社長の清水徹二さんに、「これやっかと思う」と相談。徹二さんは「いいごって」と賛成した。
函館ひろめ堂株式会社(林林社長)は、白口浜天然真昆布など道南や北海道の食材にこだわり、ふりかけ7品を製造する。「塩吹き昆布」「帆立×昆布」の2品は、平成27年度北海道新技術・新製品開発賞(食品部門)で優秀賞を受賞した糖化熟成技術を用いた逸品だ。
長万部町の有限会社ヤマタ菊田水産(菊田稔社長、電話01377・2・3624)は、カタログ通販、テレビショッピングなど消費者直結の販路に絞ってカニ加工品、松前漬け、海鮮おこわなど高次加工品を商品展開している。特に3段階の漬け込み工程で作り上げる「松前漬」は売れ行きも良く通販業界で注目され、取引先が広がってきている。
根室、釧路、網走地方の中心に位置する中標津地方卸売市場を運営する中標津地方魚菜株式会社(久本眞一社長)は、地元産食材の鮮度充実を図ることで海外への拠点市場を目指す地域振興策に乗り出している。