第20回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーが22日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた。国内外の魚介類や加工品、機器資材、漁業技術などが多数出展し、食欲をかき立てる試食提案には人だかり。輸出拡大やHACCP関連セミナーも連日開催して今後の事業展開を後押し。海外バイヤーとのマッチングやメディア招致も強化したこともあり、例年以上に国際色豊かな展示商談会となった。
イカ、マグロを主力としてきた函館市の(株)道水(髙野元宏社長)は、ホタテの玉冷製造に乗り出した。付加価値の向上を求め、全国初となる「スチールベルト式プロトン凍結機」を導入。高品質な冷凍品の量産で後発の弱さを克服し、生魚から冷凍主体の売り場に舵を切った首都圏・量販店の動きにも対応する。原貝ベースで年間2千トンの処理を目指し国内外に良質な玉冷を提供していく。
鹿部町のみなみ北海道鹿部ロイヤルホテル(大和リゾート株式会社経営)は地元の有限会社イリエ船橋水産(船橋吉右衛門社長)が製造するソウハチの「軽石干し」を炊き込んだ釜飯が好評だ。昆布のだしのみを使った素朴な料理だが、軽石干しで濃縮された魚のイノシン酸と昆布のグルタミン酸の相乗効果でうま味が濃厚。国内をはじめ、アジア各国から訪れる食通をうならせている。
アジアを代表する国際水産見本市「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(主催:大日本水産会)が、8月22~24日、東京ビッグサイトで開催される。
今年は20回目の節目となる記念すべき開催。当初は水産食品企業の出展が大半だったが、近年は漁業・養殖業者をはじめ、水産支援機器メーカーなど800社以上の企業・団体が出展し、初回と比べて3倍を超える規模に拡大。海外からも注目されている。
株式会社極洋は秋の新商品として、市販用商品19品、業務用商品39品、合計58品を8月から9月にかけて順次発売する。メインコンセプトは今年度からの新中期経営計画と同じテーマである「Change! Kyokuyo」。目まぐるしく変化する社会環境や、それに伴う食生活の変化に対応し、魚を中心とした総合食品会社への進化をコンセプトに込めた。初年度の販売目標は市販用14億円、業務用31億円、合計45億円を掲げる。
青森県産業技術センター食品総合研究所(八戸市)がサバの自動選別技術を開発、加工会社での3月までの実証試験で「十分に使える」と判断された。毎分100尾をマサバ、ゴマサバの種類別と脂質含有率で分ける。「八戸前沖さば」のブランド力強化を狙う。
根室湾中部漁協は7月から、地場産魚をPRする新たな取り組みを開始した。重量などの規格や魚種を限定せず、大場康之参事補が目利き・厳選した良質な魚に専用タグを装着、「今日の粋なやつ」として出荷する。「根室といえばサンマが有名だがカレイやソイなど他の魚にもスポットを当てたい」と幅広い魚種を「湾中印」で流通、消費地へ売り込んでいく。
総合食品卸・株式会社日本アクセス(東京都)は北海道と関東との定期便を革新し、両地域間の品ぞろえを強化している。独自の幹線ネットワークを稼働させることで、取引メーカーへのメリットを訴求。物流網の整備を強化した昨年度の定期便による売上げは11億6000万円、今年度は18億円台へと拡大を目指している。激化する食品卸の競争で一線を画すよう動き始めている。
枝幸町のオホーツク活魚(藤本信治社長)は7月中旬、札幌市の丸井今井札幌本店地下1階の鮮魚売り場に、親会社の藤本漁業部(猿払村漁協所属)が定置船「北隆丸」で漁獲した水産物を出荷した。定置船で獲れる魚種の豊富さや新鮮な魚のおいしさを伝えるのが狙い。鮮魚に加え、活魚も藤本社長自らが活魚車で運搬し、店舗に直送。売り場の鮮度感を演出、魚食拡大に一役買った。
東京・築地市場のアフリカダコの消流はここ1~2年で搬入量は減少、価格も高値で推移している。それに伴い、北海道のミズダコにも需要が高まり、生冷は例年に比べキロ600~500円ほど上昇。主力の価格帯は1300円から2000円台に届くこともあり「生冷は高過ぎて扱えない」と仕入れを控える仲卸も出始めている。