岩手県産養殖干し(本干し)コンブの初入札が4日、宮古市の県漁連北部支所で開催された。9994個(1個15キロ主体・192トン)が上場、10キロ当たり、長切は1等の大半が2万5371円、棒は1万3000円台中心となった。昨年初回比で長切は10~15%ほど、棒は5%程度上げる落札が多く一段高。
戸井漁協東戸井地区の芳賀浩平さんは、自ら設計したこだわりのコンブ乾燥室と作業場で製品化を進めている。1階乾燥室の天井を高くしたのが特長。扇風機や移動式乾燥機の配置も工夫して温風を循環させるほか除湿も徹底、「空間を最大限利用」してコンブをむらなく乾かす。また2階作業場との乾燥コンブの昇降は、小型つり下げ式巻揚機にコンパネをつるした荷台で行うなど工夫。作業効率化と労力軽減を図っている。
利尻漁協の養殖は7月下旬、天候の回復とともに水揚げが進んだ。それまでは濃霧など天候不順が続き、開始時期がずれ込んだり水揚げペースに遅れが出た浜もあっただけに、着業者は「ようやくの好天。ここ数日順調に揚がっている」と安どの表情。長さは短かめだが7月下旬現在で毛(ヒドロゾア)の付着はほぼないという。
釧路管内さお前コンブの値決めが14日に妥結、1等は釧路市東部・昆布森が昨年比5.3%高の1万5800円(10キロ価格)、厚岸・散布・浜中は2.1%高の1万4800円(同)となった。昨年同値の長頭、短頭以外、上方修正で決まった。
戸井漁協東戸井地区の芳賀浩平さんは、乾燥コンブを束ねる際の異物混入対策として、ほつれにくく毛玉にならない不織布製の紐(薄手タイプ)を使う。そのほどき方にも注意を払い紐のほつれを防ぐ。またコンブ圧縮機を照らすように蛍光灯を配置、異物を発見しやすい環境を整えている。
道漁連は6日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を1万5000トンと発表。過去最低だった昨年度実績(1万4559トン)比3%増だが、過去10年平均(1万7478トン)と比べると14%下回る。
えさん漁協の養殖コンブの水揚げが最盛期を迎えている。今季は、近年悩まされてきた芽落ちやシケ被害もなく漁期入り。加えてハシリから天候に恵まれ順調な収穫が続いている。実入りやクサレなど品質面は銘柄や地区でばらつきがあるようだ。
歯舞、落石、根室の3漁協が操業する貝殻さお前コンブ漁は、繁茂状況が芳しくなく苦戦を強いられている。実入りなど品質は漁場でばらつきがあるものの、着業者からは「まずまず」「さお前らしい理想的なコンブ」との声もある。
浜中漁協のさお前コンブ漁は、解禁から3日後の13日に初水揚げした。14日も出漁し16日現在2回の操業。春の流氷被害は軽微で済みコンブは繁茂しているが、実入りは芳しくないという。
日本昆布協会は5日、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に大西智明副会長((株)西兵庫社長)を選任した。新専務には山口英孝副会長((株)山口眞商店社長)を選び、今回から非常勤体制に。副会長には前島克彦(前島食品(株)社長)、吹田勝良((株)吹田商店社長)両理事を選んだ。任期は2年間。