道漁連は、6月末時点での本年度道内コンブ生産見込みを1万3232トンとした。過去最低だった昨年度実績(1万2921トン)に比べ2・4%増。過去10年平均(1万5899トン)と比べると16.8%下回り、今季も低水準の生産となる見通し。
散布、浜中両漁協のさお前コンブ漁は、解禁日から6日後の21日に初水揚げした。全般的に着生・生育状況ともに芳しくなく採取は苦戦。着業者は「これだけ状況が悪いのは近年にない」「個人的には例年の半分程度の漁」などと厳しい表情を見せる。
歯舞、落石、根室の3漁協が操業する貝殻さお前コンブ漁は、繁茂状況が芳しくなく採取は苦戦。着業者は「着生漁場を探すのが大変」などと話し、一様に厳しい表情を見せる。初水揚げの後に1週間の自主休漁を挟んだことで、おおむね生育は向上。6月半ば以降潮回りも良くなり「少しでも水揚げを増やせられれば」と、漁期後半の漁に臨んでいる。
厚岸漁協のさお前コンブ漁は、解禁日の10日に初水揚げを迎えた。今季は2日間、1日2時間半の操業計画。禁漁後の解放区で操業した長崎朝吾班長は「全般的にコンブが若く、すそ枯れも早い。資源調査通り下側(東側)は特に若い」と話す。
釧路市東部漁協のさお前コンブ漁は、解禁から3日後の5月30日に初水揚げ。翌31日も出漁、6月5日現在で計画日数の半分となる2日間操業した。総体的に繁茂、昨年に比べて長さもあるが「コンブが若い」との声が多く、今後の成長が期待される。
利尻・礼文両島の養殖は、早い地区で6月中旬の水揚げ開始を予定、着業者は雑海藻駆除や干場整備など準備を進めている。長さなど生育は順調な様子。一方、シケなどによるコンブの脱落や施設被害があり、鬼脇地区で規模が大きいという。
オホーツク沿岸の宗谷管内4単協(宗谷、猿払村、頓別、枝幸漁協)では、枝幸を除く3単協が本操業に入った。5月末の全体水揚量は3万3800トン。歩留まりは8%前後と上がり方が鈍く、アソートは5S、6S中心。猿払村は6月1日から34隻体制となり日産400トン台の水揚げを見込む。
歯舞漁協は16日、コンブの生育・繁茂状況を調べる前浜の資源調査を実施、浅場中心に流氷被害が見られた。同漁協は調査結果などを参考に、21日に開いた理事会で貝殻さお前の解禁日を6月1日と決めた。
資源調査は毎年、コンブ漁期前となる5月に実施。今年は友知から納沙布岬にかけての65地点で行い、採取したサンプルのコンブを計測した。
調査に携わった漁業者は「陸側は氷で削られ白くなっており、平均的にコンブが若かった。ただ場所によってはコンブが生育してきたところもある」と話す。
羅臼漁協のコンブ養殖業者は、流氷対策で沈めていた施設を浮上させ、間引きや株分け、雑海藻駆除など各作業を進めている。同漁協によるとシケや流氷による大きな被害はない。水揚げは例年7月中旬に始まる。
5月上旬に施設を浮かせたという着業者は「成長が芳しくない。幅がなく短い。流氷被害や根腐れもないので、夏までに少しでも成長してくれたら」と願う。これから間引きを行い生育を促す。
北海道のコンブは、6月から釧路・根室のさお前、渡島の促成などで水揚げが始まり徐々に本格化する。生産は減少傾向が続いており、昨年度の道産コンブ格付実績は過去最低の1万2921トンまで落ち込んだ。消費も近年低水準で推移。日本の食文化を支えてきた産業が今苦境に立たされている。業界団体や研究者らは増産と需要喚起に向け注力。昆布だしにこだわりを持ち、その魅力を伝える人たちもいる。コンブを次世代へとつなぐ─。その思いや取り組みを取材した。