昨年6月の「G20大阪サミット」でも主要テーマに挙がったSDGs(持続可能な開発目標)。その目標のひとつ「海の豊かさを守ろう」では廃プラスチック製品による海洋汚染が世界的に環境問題として認識され、海をなりわいとする水産関係者に率先した行動が問われている。昨年、青森県八戸市では港単位・関係者連携で全国初の宣言を実施。北海道では漁協系統運動として「脱・抑プラスチック」を決議。具体的な取り組みが始動している。
ウニやワカメの加工・卸売などを手掛ける株式会社ひろの屋(岩手県洋野町、電話0194・65・2408)。今年5月に創業10年を迎える若い会社だが、中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選出されるなど未来を見据えた事業展開が注目を集めている。磯焼け対策の一環で取り組む、配合飼料を活用したウニの養殖技術開発もその一つ。社長の下苧坪(したうつぼ)之典さん(39)は「海の恵みと美しさを次世代に引き継いでいくことが、水産業に携わる者に課せられた使命だ」と熱く語る。
青森産技水産総合研究所資源増殖部の遊佐貴志研究員は2日、青森市の県水産ビルで開かれた陸奥湾地区水産振興研修会で「最近のマナマコをめぐる社会情勢と生態研究結果」と題して講演した。マナマコの成長速度などを紹介しながら、持続可能な資源管理の在り方を探った。
青森県漁連(三津谷廣明会長)が昨年10月から青森市港町2丁目に建設を進めてきた県水産物の流通拠点施設「JF青森漁連流通PRセンター」が完成した。最新の急速凍結技術「プロトン凍結」を用いて年中出荷できる高品質な冷凍加工品を作り、漁業者の所得向上につなげる。市民らが気軽に来場できる販売スペースも設けた。14日にオープニングフェアが開催される。
青森県陸奥湾の2019年度秋季実態調査結果によると、19年産(稚貝)のへい死率は、分散済みの全湾平均値が8.9%と平年値(過去34年間の平均値)より4.5ポイント上回り過去3番目の高さとなった。18年産(新貝)のへい死率も30.2%と平年値を16.1ポイント上回る過去4番目の高さ。県は8~9月の高水温で衰弱したものと指摘している。
岩手県の久慈市漁協(皀健一郎組合長)が本年度から取り組む、久慈湾でのギンザケ養殖試験の2季目がスタートした。久慈港湾口防波堤の整備に伴い、穏やかになる湾内を活用。1日までに稚魚3万3000尾を投入した。稚魚から越冬させる通年試験は今季が初で、冬場の低水温やシケの影響が焦点となる。ギンザケが品薄となる盆前に出荷し、浜の新たな収入源としたい考えだ。
宮城県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会が11月27日、県漁協塩釜総合支所・乾のり集出荷所で開かれた。1147万枚が上場。落札平均価格は100枚当たり1636円となり前年を30%、375円上回った。台風の影響などで枚数は前年初回に比べ2割ほど少なかったが、品質では「過去最高」の声も。全国的な品薄感も手伝って高値で始まり、3年ぶりとなる4億枚超えに弾みがついた。出荷最盛期は来年2~3月。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社は青森県との連携を強化している。その一環で11月20~26日の期間で、旬の県産魚介類を提供する限定企画を全29店舗で開催。24日には東京都杉並区の荻窪総本店に三村申吾青森県知事、濱舘豊光中泊町長、小川原湖漁協の濱田正隆組合長がPRに来店。マグロ解体ショーやシジミのつかみ取りも体感できるなど青森産品を見て、触れ、楽しめるようなイベントを繰り広げた。
青森県が立ち上げた「あおもりの肴(さかな)チーム」が、県産水産物のPR活動を活発化させている。青森で獲れる旬の魚介を使った解体ショーなどに加え、人気ユーチューバーと共同で作ったアイデア満載の動画配信もスタート。さまざまな手法で、県民の「魚愛」を内外に発信する。「人と人がつなぐ、あおもりの旨(うま)いを届けたい」―。その一心で活動する。
近年、ブランド力の強化を図り消費拡大を目指すカキ生産地。宮城県は水産養殖管理協議会(ASC)の国際認証取得を前面に安全・安心な生食用むきカキを訴求。北海道では本州への販路開拓に可能性を見いだし認知度を高めている。宮城・北海道の新たな展開方策や消流を展望する。