留萌管内4単協で稚貝の本分散が始まった。春先の採苗不振に加え、夏場の高水温で成長不足やへい死が見られる中、各漁協とも粒数確保に最善を尽くしている。水温が下がらず大半が開始時期を遅らせており、作業時間の短縮など、疲弊している稚貝の扱い方にも慎重になりながら本分散を行っている。
釧路昆布普及協議会(秋森新二会長)は7日、北広島市の「ホクレン 食と農のふれあいファームくるるの杜」で販売促進を実施。昆布巻きや刻み、さお前など各種製品を売り込むとともに試食も提供、「釧路の食べる昆布」をPRした。販売促進はコロナ禍の中止を挟んだものの1998年から続けている事業で、これまで札幌の量販店などで実施。今回は食に関心のある客層や若年層へのPRなどを考え、くるるの杜で初めて行った。
散布、浜中両漁協で養殖ウニの水揚げが9月に始まった。出足は殻付き価格でキロ9千円と高く推移。今季出荷分で目立ったへい死はなく、身入りも今後徐々に上向く見通し。「浜中養殖うに」が国の地理的表示(GI)保護制度に登録されたこともブランド力強化の弾みとなり、両漁協の部会長は「より一層品質管理に注力し良質な養殖ウニを生産していきたい」と力を込める。
漁獲産地も広がり、北海道の水産資源に定着したブリ。2022年は4年ぶりに1万トンを割って農水省集計の海面漁業生産量(養殖業を除く)で2年連続の全国トップを長崎県に譲ったものの、2位と有数の生産地を維持。今年も高水温下で始まった秋サケ定置などに各地で乗網している。多獲地域では船上活じめなどのブランド品を先導役に魚価底上げを図っているほか、加工品の拡大など地元消費を促す取り組みも進められている。
散布漁協のマダラ刺網が始まった。初水揚げの4日は船間差が大きく、混獲のサバが大量に掛かった船もあった。一方、浜値は1箱4尾入れでキロ600円と上々の出足。近年は好漁に恵まれており、着業者は今後の盛漁に期待を寄せている。
サーモンを中心に北海道でも事業化を目指した実証試験の取り組みが広がっている魚類養殖。採算性の確保には経費の6割以上を占める餌料代の低コスト化が必須。主要原料・魚粉の価格上昇などを踏まえ、道総研は低魚粉餌料の開発に取り組んで、代替品にでんぷん加工、ホタテ加工、サケ薫製加工時に生じる副産物の有効性を確認。複合的に原料に活用する資源循環型餌料への展開を見いだした。
いぶり噴火湾漁協のタコ箱は、薄漁となった昨年の水揚量を上回り回復傾向にある。8月末で2倍強に伸長。同漁協では「例年ほどではないが戻ってきた印象」と説明する。一方、9月の水揚げは振るわず「高水温の影響なのか切れた感じ」と着業者。冬場に向け挽回を期待する。浜値はキロ千円台と堅調だ。
北海道の秋サケ定置は盛漁期を迎え、海面水温が20度を超える序盤の異常高水温から20度を切って大所の斜網地区などオホーツク海主体に上向き、日曜休漁明けの2日には3千トン台を記録するなどペースが上がってきた。ただ、依然平年より高水温の環境下、10月第1週は日本海が昨年同時期ほどの勢いはなく、えりも以西は不調から脱せず、全体的には昨年割れの展開。低気圧通過後の今週の漁況が注目されている。
釧路管内5単協の成コンブ漁は、9月の採取日数が昨年同月比11日減の37日にとどまった。序盤の7月に順調な操業が続いたことで9月末までの累計では昨年同期比18日増の109日となった。釧路市東部漁協が9月末で漁を終え、ほか4漁協も終盤に入っている。
オホーツク海沿岸の9月末水揚量は漁場造成含め前年同期比1%増26万6745トンとなった。計画達成率は87%。南部中心に8単協が昨年の水揚げを上回っている。常呂の3万6930トンを筆頭に宗谷、猿払村、紋別の4単協が3万トン超え。歩留まりの低下と4S、5Sの小型が増えたことから、浜値はキロ200円を切り100円台後半に下方修正されている。