えさん漁協の天然はガゴメが皆無でマコンブ主体に採取。繁茂漁場は限定的なものの、日浦地区は2年ぶりに操業。尻岸内や古武井も含め7月に続けて出漁できたが、天候不順やシケ、海の濁りに出漁を阻まれる期間も長く、着業者からは「コンブの質が良い時期にもう少し採りたかった」との声も多い。
釧路市東部漁協の「鮮魚チーム」が神経じめや内臓処理などを施しブランド展開する「CLASSIC FISH」は今年で3年目を迎える。道内各地に出荷、取扱店舗の客層や消費者のニーズを捉えて製品づくりに反映。複数の魚種を詰め合わせた荷造りやフィレーに加工するなど工夫、流通面でも深化を図っている。
苫小牧漁協の夏ホッキ漁は近年の良好な資源状況を受け、許容漁獲量(ノルマ)を順調に消化している。ハシリから8月上旬まで、太平洋西部海域でのまひ性貝毒検出で約1カ月間休漁したが、髙島正司船団長は「操業は順調。11月中旬には全船ノルマを達成するだろう」と話す。
9月に始まった噴火湾のエビかごは、春漁同様に秋漁も不振を極めている。獲れる漁場が湾中央の一角に限られ、渡島3単協(砂原・森・落部漁協)とも大半の着業者が苦戦。薄漁のため浜値は高騰しており、メスはキロ5千円台後半、オスの中で4千円台を付けている。
北海道の秋サケ定置は9月後半に入ってシケなどで断続的ながら千トン超、22日に2200トンなど日量が増えてきた。ただ、全般的に漁期前予測を覆す勢いはなく、低水準の水揚げ。加えて出足の魚体サイズが極度に小型で、尾数に比べ重量は落ちる状況。浜値はオス、メスとも昨年より高値を堅持し、例年盛漁となる時期を迎えている。
岩内郡漁協所属で秋サケ定置網漁や底建網漁を手掛けるカネヤマ石橋(石橋海代表)が取り組む6次産業化は、提携先の株式会社GHIBLI(坪内知佳社長)との協業を通じ事業規模を拡大している。海(ひろし)代表の妻・亜希子さんが中心となり、前浜のホソメコンブを使った昆布粉やソイのみそ漬けなどを同社が今春開設したEC(電子商取引)サイトで販売。年齢や性別を問わず全国各地の購入者から幅広い支持を獲得している。
古宇郡漁協神恵内地区の山森漁業部は2月下旬に加工品などを販売するオンラインショップを開設して約半年が経過した。夏の主力商品・ウニの塩水パックは数十件の予約注文が舞い込み、売り上げは堅調。販売面を担う山森美紀さんは「SNSでの宣伝力を向上させれば、もっと注文数が多かったはず」と話し、向上心は尽きない。
苫小牧港のスルメイカ釣漁は9月上旬から外来船が集結し、14日は合計21隻が荷揚げした。数量に安定性を欠く漁模様を強いられており、着業者は今後の増産に望みを託す。組成はバラも見られるなど小ぶり。14日の出荷数量は発泡485箱。大半が前日の昼操業。30尾入れが主体で255箱と全体の約5割を占めた。えさん漁協所属・白龍丸の泉義峰さんは「もう切れた感じ」と強調する。苫小牧沖や登別沖などで操業したが「14日の出荷は10箱とわずか」と話す。泉さんは「9月上旬に苫小牧に来たが、最初のうちは多い日に120箱獲れた」と説明。ただ「多い日は3日間くらいしか続かない。今年はどこの漁場もそんな感じの水揚げ」と特徴を示す。
北斗市で水産資源の増殖や藻場造成のコンサルティング業務などを実施している株式会社銀世は自治体や漁協に対し、沿岸生態系保全事業を導入する際の橋渡し役として情報周知に力を入れている。
ナマコ増殖や藻場造成に取り組む矢口港湾建設ヤグチダイバー株式会社のグループ会社。銀世の對馬大勢ゼネラルマネジャー(GM)は、「矢口港湾建設ヤグチダイバーが磯焼け対策に携わる木古内町の釜谷漁港の事例などを映像に収めたPR用のDVDを製作している」と活動の一端を紹介する。
網走湖でヤマトシジミの種苗生産に取り組む西網走漁協は、蓄養する水槽を7基から18基に増やし生産・放流数の拡大を目指す。呼人漁港の別区画に専用施設を新設し、今年の種苗生産から使用開始。確保した種苗は計画を下回ったものの、来年以降の生産拡大に期待を寄せている。