記録的な不漁で終盤を迎えた北海道の秋サケ。今季の消流は在庫リスクの回避、サンマ・イカの凶漁に伴う商材確保など産地、消費地の事情が相まって例年以上に生鮮主導となった。今後焦点の冷凍ドレス、いくらなどの製品は供給量が少なく、昨年よりコストも下がった一方、輸入物の価格も下方修正され、先行きは不透明。旬期消費の伸長などの好材料を通年商材の売り場回復につなげられるか、商戦は正念場を迎える。
水産庁は10月28日、東京都内でサンマの2020年漁期(1~12月)のTAC設定に関する意見交換会を開いた。同庁は北太平洋漁業委員会(NPFC)における資源状況を巡る議論を踏まえ、前年と同量の26万4000トンとするTAC案を示した。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社(織茂信尋社長)は、PB商品としてレトルト食品「小川原湖産大和しじみ」を開発し、1日から全29店舗で販売を始めた。時短需要を捉えながらも、産地と原料を厳選し高品質を追求した商品に仕上げた。
オホーツクや陸奥湾のホタテの水揚げが伸びている今年は、玉冷、ベビーの生産量が大幅に増加した。玉冷生産量は2万1000トンと試算され内販消化で1万3000トンの目標。小型主体に回転ずし店や業務筋で順調に消費されているが、相場は昨年とほぼ同様のため量販店では値ごろ感のあるベビーが席巻。国内消費に期待がかかる今シーズン。今後は大型の玉冷消化やアジア圏の輸出動向が注目される。
日本昆布協会(大西智明会長)は23日、大阪市内のホテル阪急インターナショナルで臨時総会・秋の例会を開き、本年度の輸入昆布、食育教室やCM制作といった上半期の事業を報告した。
アジア最大級の包装機械・技術の展示商談会「JAPAN PACK 2019(日本包装産業展)」((一社)日本包装機械工業会主催)が10月29日~11月1日、千葉市の幕張メッセで開かれる。32回目の今回は「きっとみつかる、あなたの包程式。」をテーマに、前回を上回る456社・団体(2282小間)が集結する。
帯広市の珍味製造販売・(株)江戸屋(塩野谷壯志社長、電話0155・33・8114)は、水産珍味の新たな需要層の開拓に取り組んでいる。今年から北海道出身のアイドルグループメンバーをテレビCMに起用した。コラボ商品も開発し、ネット販売やイベントを展開。企業名や商品の認知度向上につなげている。
根室市の松田商店(松田英照代表)は、水産分野や海洋分野などの研究を大手企業に向けて発表するビジネスプランコンテスト「マリンテックグランプリ」で日鉄エンジニアリング賞に輝いた。松田氏が開発した長期熟成に対応できる魚に仕立てる付加価値技術体系「根室喰(ネムロック)」が審査員を含めて多くの企業人の心を射止めた。
11日で開業1周年を迎えた東京・豊洲市場。鮮魚全般を扱う仲卸・有限会社倉田商店の倉田俊之社長はこの1年を振り返り、「築地に比べてアクセスしづらくなったこともあり、買い回りする人の数が減っていると実感。買い場としては築地に比べて盛り上がりに欠けている」と指摘する。ただ「新しくなった機能を生かし、実行に移れた1年でもあった。展望も見えてきた」と語り、新たな収益体制の構築に向けて事業を進めている。
サンマ漁が極度に不振のため、首都圏の量販店では売り場作りに苦心している。薄漁との予報である程度の覚悟を持って商戦入りしたが、9月中旬を過ぎても一度も盛り上がりを見せないまま10月を迎える気配に半ば諦めムードも。「今シーズンは全店での生刺身再開を目指したい」と掲げていた量販店も「このままではできない」と悔しさをにじませている。