東京都・豊洲市場のナメタガレイ消流は、煮魚の消費が伸びる気温低下が鍵を握る。7日に都心で25.7度と100年ぶりに11月の最高気温を更新。6日に釧路産を仕入れた仲卸業者は「最高気温15度を切ってくれれば、売れ行きは伸びていくだろう」と異常気象の動向を注視している。
トレーラ、トラックボデーを製造販売する日本トレクス(愛知県豊川市、高崎文弘社長)は冷凍冷蔵に対応した「スワップ冷凍バンボデー」を開発した。スワップボデーは取り外して他のトラック(キャリア)に付け替えられるボデー(荷台)。庫内温度はマイナス25度まで対応している。同製品は、政府が来年4月から働き方改革関連法で運転業務に時間外労働の上限規制を適用することでドライバー不足が加速し、物流に支障を来す「物流の2024年問題」に着眼点を置いている。同問題にはドライバーが荷物の積み下ろしのために待機する荷待ち時間、車中泊や宿泊を伴う長時間拘束などが背景にある。そのため、スワップボデーはドライバーが中継拠点で復路便の荷台に付け替える方法で長時間労働の解決につなげる。
漁連・漁協らが地元漁師自慢の魚「プライドフィッシュ」を選定してPRするプロジェクトが今年10年目を迎えた。これを記念し、イオンリテール株式会社は全漁連と協働して10~12日、「イオン」「イオンスタイル」など380店舗で10周年フェアを開催した。10月に新たに加わった魚種や、季節もの、その地域ならではのものを品ぞろえしたほか、未利用魚を活用した新商品を販売。官民協働の魚食普及プロジェクト「いいさかなの日」とも連動させ、国内の水産物消費拡大に取り組んだ。
国際水産団体連合(ICFA)の年次総会やFAO(国際食料農業機関)との意見交換会が10月23~25日、イタリアのローマで開かれた。日本から大日本水産会の白須敏朗相談役と松本冬樹事業部長、日本トロール底魚協会の吉田光徳会長、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)協議会の冠野尚教事務局長が出席した。帰国した白須相談役、吉田会長らが1日、総会出席に関する報告会を東京都内で開き、「日本側からの報告、提案に各国代表らは高い関心を示していた。国際的な水産シーンにおいて、日本の存在や役割がより大きくなった」と総括した。
漁業や魚食文化の普及活動を行っている市民団体「ウーマンズフォーラム魚(WWF)」主催の「浜のかあさんと語ろう会」が10月29日、東京都中央区立女性センター「ブーケ21」で開かれた。「北海道ホタテ、国内で食べよう!」をテーマに、道女性連の高松美津枝会長、畠山美佐副会長、中島美智子理事の3人がゲストで参加し、ホタテの調理実習などを通し、東京都の消費者と交流した。
食品宅配サービス「Oisix」を展開する株式会社オイシックス・ラ・大地株式会社は小ぶりなサンマを有効活用する取り組みを始めた。餌やすり身の原料として低価格で流通する傾向がある原料も価値を落とさないよう、炊き込みご飯の素として商品化した。また、記録的猛暑の影響で二等米となった今年度産新米も、食味確認を行った上で販売。サンマも米も本来の価値を落とさず消費者に届けるよう「レスキュー(救済)」(同社)しながら、今年ならではの食べ方を提案する。
水産物の消費拡大に向けた官民の取り組みを推進するため、水産庁が定めた「さかなの日」制定から1周年を迎えた。2年目に入り、さらに活動を飛躍させるため、「さかなの日」応援隊の任命や魚料理の輪を広げる「#さかな料理部」を創設した。イベントなどで情報発信を強化するとともに、企業ら賛同メンバーでもフェアやイベントなどのさまざまな取り組みを展開し、水産物の消費拡大を推進する。
真空包装機最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区)が、18、19日に札幌市内アクセスサッポロで開催された一般社団法人日本能率協会(JMA)主催の「観光・ホテル・外食産業展HOKKAIDO2023」に初出展した。国内シェア1位を誇る「TOSPACK(トスパック)」シリーズに、来場した業界関係者の熱い視線が集まった。
東京都・豊洲市場の活ヒラメの消流は北海道、東北のシケ続きで数量がまとまらず高騰していたが、24日に搬入量が増加。卸値が半値に落ち着き、活魚を扱う仲卸は「これから引き合いが増えてくれれば」と期待する。全国合算の数量で競り・入札は20日892キロ、21日958キロ、23日937キロと続き、24日に1.6トンと伸長。活魚の卸値は1~1.5キロサイズでキロ5千円ほど。「前日までは1万~9千円と高過ぎた。これから入荷量が増えればもっと下がるだろう。これまで高値だった分、売れ行きも良くなるのでは」と推察する。
国内では生産量が少ない「かずのこ昆布」の開発が、横浜産生コンブで進められている。子持ち昆布・数の子などを生産する「株式会社マーケティングイン谷屋(横浜市、谷屋一好社長)」、金沢漁港沖でコンブ養殖をする「幸海ヒーローズ」、コンブ養殖や販売を支援する「合同会社ELMA」の3社が互いの強みを生かし挑戦。第2弾ではより多く昆布を利用する松前漬けの生産にも挑む。