東京都の豊洲市場で十勝や釧路からマツダイの入荷が増えている。秋サケ定置の混獲で、例年より水揚げが増加しているのが背景。ただ、従来安定した入荷状況ではなく、なじみが薄いため、需要先の確保など供給増への対応に苦慮している。卸値は9月11日時点で広尾産がキロ千円、高値はキロ2千円ほど。仲卸業者は「いつもは青森県、岩手県、宮城県の東北太平洋側が主。北海道産を豊洲で見かけるようになったのはここ2~3年で顧客からの詳しい評判はわからない」と話す。
フードテクノエンジニアリング株式会社(大阪市、野田憲司社長)は今年創立25周年を迎えた。食品工場の冷却設備に特化したエンジニアリング会社として、さまざまなエネルギー問題に着手。機器だけでなく工場全体をマネージメントし、自社電気計装部でシステムやソフトを組むことで省エネに向けた提案を促進させた。基幹事業を伸ばしつつ、今後は新分野にも注力。食品ロス削減、地球環境に配慮したカーボンニュートラルやCO2排出削減、人手不足に対応する省人化機械の開発など事業領域を広げていく。
株式会社ニッスイ(東京都港区、浜田晋吾社長)は、岩手県陸前高田市の広田湾漁協(砂田光保組合長)と共同で、広田湾でギンザケの海面養殖試験を計画している。県と計画内容を協議した上で、11月をめどに着手。漁場環境の調査や生産方法の検討などを行い、2025年ごろまでに事業化したい考え。将来的には年間数千トン規模の生産を目指す。
政府は4日、ALPS処理水放出に伴う中国などの水産物の禁輸措置を受けた緊急支援として、「水産物を守る」政策パッケージを発表した。すでに計上されていた総計800億円の基金に加え、中国などに依存しない輸出先の転換対策などに予備費から新たに207億円を計上。総額1007億円による5本柱の支援策を打ち出した。
東京都・豊洲市場の北海道産ニシン消流は、8月末ごろからオホーツク海産の卸値がキロ千円と異例の高値に付いている。近年コノシロの稚魚でシンコ・コハダの不漁時に代替で相場が上昇。今期も梅雨期から夏の切れ間で引き合いが増えたが、サンマとイワシの水揚げが小型に偏って生食商材向けの青魚が乏しく、脂が乗った主に網走産ニシンの代替需要が強まった。
岩手県洋野町の水産会社・株式会社北三陸ファクトリーの下苧坪(したうつぼ)之典社長はこのほど、東京の恵比寿駅近くのイタリア料理店ALMA(アルマ)で行われたイベントで、ウニを中心に北三陸の漁業や展望について調理者と来店客に伝えた。6年前から毎年実施されているが、これまではウェブ参加で、直接の来店は初めて。
コンビニエンスストアで総菜・珍味、冷凍食品など魚介類を使った商品群が拡大している。業界大手の株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社ローソン、株式会社ファミリーマートではパッケージデザインを含めた開発力、生産技術、衛生管理設備で利用客のニーズに応える商品展開を強化する動き。コンビニジャーナリストとして20年以上取材している吉岡秀子氏に各社の商品戦略や購買動向を聞いた。
道漁連は8月30日、道産水産物を取り扱う取引先で構成する「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会を東京都で4年ぶりに開いた。道内企業の首都圏担当者や関東圏内の卸や商社など約180人が参加。中国輸出が期待できない情勢下、秋サケ製品、ホタテを中心とした道産水産物の商戦について意見交換した。
中小食品会社の支援・活性化を進める株式会社ヨシムラ・フード・ホールディングス(HD、東京都、吉村元久CEO)は10月16日付で、森町砂原の株式会社ワイエスフーズ(坂本拓也社長)の株式70%を取得し、子会社化する。3月に子会社化した網走市の株式会社マルキチ(根田俊昭社長)と併せてホタテの調達力を強化し、シンガポールで水産品卸を行うグループ会社の海外販路を組み合わせ、マーケットシェアの拡大を目指す。
東京都日本橋の5つ星ホテル「マンダリンオリエンタル東京」は、レストランの「ヴェンタリオ」を3年ぶりに再開した。これを契機に食材の調達方針でサステイナブルフードの位置付けを強化。水産物では苫前町でFIP(漁業改善プロジェクト)に取り組むinaka BLUE(小笠原宏一代表)が提供するミズダコ、千葉県船橋市の海光物産株式会社が生産する「旬〆すずき」が採用された。