水産研究・教育機構水産大学校の研究グループは、給気加熱装置と真空断熱装置を備えた微粒子捕集フィルターを搭載したディーゼルエンジンを開発し、電気自動車(EV)と比較しても地球温暖化ガスの削減に貢献可能なシステムを確立した。実用化されればブラックカーボンの規制対応に貢献が期待される。
東京都・豊洲市場の北海道産活じめヒラメ消流は卸値がキロ千円以下と値ごろ感が強い。仲卸業者は「安く入荷でき、拡販しやすい。量販、飲食など引き合いは十分ある」と商機を強調。組成は2キロ前後が主体。サイズが近い千葉県産も入荷がまとまっているため、両者を比較しながら商材を決めている。
23日に開催した全国ホタテ取引懇談会では、道漁連販売第一部の川崎喜久部長が「ほたての生産動向等について」、マルハニチロ株式会社水産商事ユニット水産第二部の長谷正幸副部長が「海外市場の現状とALPS処理水の放出を控えた23年相場見通しについて」と題し講演した。川崎部長は玉冷需要が2021、22年と2年連続で輸出が内販を上回り、3月期末在庫は4500トンと示唆。今年も40万トン計画となり「各立場で課題を克服し良いシーズンとなるよう取り組みたい」と述べた。
関連産業向けに乾燥機を展開する株式会社オカドラ(横浜市、金井正夫社長)は、廃棄対象となった魚類を原料にフィッシュミールを製造する「魚粉機」を開発した。従来サイズより大幅に小型化し、処理能力も大型機と比較して最小限の規模にとどめることで、導入の間口を広げた。漁協施設や市場、中小規模の水産加工場などに提案する。輸入に頼らない国産のフィッシュミール製造を実現するとともに、採算性も見込める事業が成り立つと期待を込める。
東京都・豊洲市場でマスの若子(サクラマスの未成熟卵巣)が注目されている。北海道内で消費される場合が多いが、近年都内でも取り扱う飲食店が増えている。仲卸業者は「いくらのうま味を濃縮させた印象。こくが深くてすし種として使われている。顧客からは必ずリピート注文がある」と評価する。
海水温の上昇など海洋環境の変化にさらされている水産業。回遊型魚類を中心に水揚げが不安定化する中、各浜では魚介類を育む藻場の再生、種苗放流など資源の安定・増大への取り組みを続けている。併せて後進地の北海道を含めサーモンを主体に海面・陸上での新たな養殖の挑戦も拡大している。「育てる漁業」の技術・資機材の開発動向などの一端を紹介する。
日本生活協同組合連合会(日本生協連)は、アラスカの「責任ある漁業管理(RFM)」認証と海洋管理協議会(MSC)認証を取得したベニザケの切り身といくらの新商品を順次発売する。日本国内で製造するRFM認証のエコラベルが付いたプライベートブランド(PB)商品は初という。日本生協連が掲げる水産エコラベル商品の供給拡大に弾みをつける。
水産庁は4月28日、漁港・漁場の施設の設計に関する技術書『漁港・漁場の施設の設計参考図書』を8年ぶりに改訂した。気候変動に伴う海面上昇や波高の増大への対応策を盛り込むなど、新たに得られた技術的知見を反映した。施設を管理する自治体に適応を求めていくとともに、その実務を担う企業などにも参考にするよう働き掛ける。
東京都・豊洲市場で岩手県・宮古漁協の海面養殖ニジマス「宮古トラウトサーモン」の評価が広がりを見せている。本格的に出荷が始まった2020年から取り扱う仲卸業者は「全国各地のご当地サーモンの中で養殖物の特有臭がない」と品質を評価。飲食店を中心に量販店、鮮魚店へキロ2千円で販売し、「現在の売価を維持できれば引き合いは出てくる」と需要動向を示す。
コンブ漁場の維持・回復で重要な取り組みの一つが雑海藻の駆除。民間業者による機械式のほか漁業者が自ら行う駆除もあり、道内各地でさまざまな手法で実施、コンブ胞子の岩盤への着生環境を整備している。