北海道のスルメイカ漁は道東では釧路から十勝にかけて漁場が分散している。水揚げは広尾、釧路で前年を大きく上回っているが、厚岸は前年割れ。一方、日本海は前年を上回っている単協もあるが、ひやまは前年比6割減となっている。
道東沖のサンマ水揚げが伸び悩んでいる。漁業情報サービスセンターのまとめによると、道東4港(花咲・浜中・厚岸・釧路)の9月29日現在の累計数量は、前年同期比36%減の2万8794トン。主力の花咲では8月24日の1735トンが最高で、数百トンの水揚げが中心。「9月末までで昨年の4割程度しか揚がっていない」と話す船もある。
東日本大震災の津波で全壊した石巻魚市場(宮城県石巻市)が再建、全面運用開始となり、9月26日、完成式典が同市場西棟で開催された。荷捌所は長さが876メートルと世界最大級で震災前の約1.4倍、密閉式の高度衛生管理型でHACCP制度にも対応し、水揚げ・荷捌きでは漁業種類ごとにゾーニング。輸出も視野にブランド化と高付加価値化を目指し、石巻水産業界を復興から新時代につなげる中核施設と期待される。
スペインに続きミラノに――。羅臼漁協の井田一昭昆布漁業部会長らは7月、万博が開かれているミラノを訪問、現地の調理学校で羅臼昆布をPRするとともに、日本料理店を回り活用法などを聞いた。
ことし1月に訪問したスペインでのPR同様、料理研究家で健康大使・医学博士の服部幸應・服部学園理事長から声が掛かり、調理学校で開かれる和食セミナーへ参加することに。対象は現地の料理関係者。井田部会長が原藻を手に、羅臼昆布の持つうま味や香り高さなどの特長、20工程以上にも及ぶ製品づくりを説明。日本の料理人による昆布じめなど昆布を使った和食も紹介した。
盛漁期に入った北海道の秋サケは、9月で5万トン台に乗り、低水準となった平成22年以降では好ペースで推移している。オホーツク西部や日本海、えりも以西が好調で、オホーツク中・東部、根室の伸びなど中盤戦10月の漁況が注目される。
ひやま漁協青年部瀬棚支部(加賀谷翔支部長)は昨年からマボヤの試験養殖に乗り出している。先進地の森漁協を手本に、ことし7月には太櫓沖に養殖施設を設置。平成29、30年の出荷を目指している。
青年部活動の資金確保などで、せたな町の大成水産種苗育成センターで種苗を生産できるマボヤに注目。加賀谷支部長が中心となり、4年計画で進めていく。事業費は、道の日本海漁業振興対策で半額助成を受け、残りを町と青年部で折半する。
練り製品メーカーの株式会社紀文食品(東京都)はことしの正月商品で、健康志向や簡便・即食、クリスマスから正月までのパーティーシーン向け「オードブル」など現代の食ニーズに対応した商品をラインアップ。おせち料理の食シーンの拡大を目指す。
札幌市の漬魚・味付切身メーカー、株式会社丸加水産(須田公隆社長、電話011・766・1131)は、「銀ひらす」(シルバー)の商品展開を強化している。「銀だら」、「銀ガレイ」などの価格高騰で、全国的に「銀」魚の切り札として注目されており、同社への引き合いも強まっている。
宮城県石巻市の㈱ヤマトミ(千葉雅俊社長、電話0225・94・7770)は、冷風乾燥機を使い、ぶりの生ハム燻製風味や、さばのみりん焼きなど調味漬けの商品を、ふっくらとうまみたっぷりに仕上げ、好評を得ている。
株式会社イトーヨーカ堂(東京都)は釧路・道東産魚介類や水産加工品の拡販を進めている。特に釧路港水揚げの地域ブランド「北釧鯖」は釧路店(三浦健一店長)にコーナーを常設。併せてネットスーパーや店舗でのフェアで全国に発信している。また、各種魚介類を素材に使用した総菜、すし、弁当などの商品開発にも力を入れている。