飲食店向け生鮮品EC「魚ポチ」や鮮魚店「サカナバッカ」を運営する株式会社フーディソン(東京都)と静岡県西伊豆町は8~9日、首都圏の小学生を対象に海の仕事を体験できるツアー「ツッテバッカの旅」を開催した。漁業の魅力や課題を子どもたちに伝えたい思いで企画したもので、5組の家族が参加した。西伊豆町では釣った魚を地域通貨で買い取る「ツッテ西伊豆」の仕組みを活用。企画した両者は子どもたちに漁業体験を提供するとともに、漁村など地域社会や経済を存続させる手立ての構築を働き掛けていた。
釧路昆布普及協議会(秋森新二会長)は7日、北広島市の「ホクレン 食と農のふれあいファームくるるの杜」で販売促進を実施。昆布巻きや刻み、さお前など各種製品を売り込むとともに試食も提供、「釧路の食べる昆布」をPRした。販売促進はコロナ禍の中止を挟んだものの1998年から続けている事業で、これまで札幌の量販店などで実施。今回は食に関心のある客層や若年層へのPRなどを考え、くるるの杜で初めて行った。
漁獲産地も広がり、北海道の水産資源に定着したブリ。2022年は4年ぶりに1万トンを割って農水省集計の海面漁業生産量(養殖業を除く)で2年連続の全国トップを長崎県に譲ったものの、2位と有数の生産地を維持。今年も高水温下で始まった秋サケ定置などに各地で乗網している。多獲地域では船上活じめなどのブランド品を先導役に魚価底上げを図っているほか、加工品の拡大など地元消費を促す取り組みも進められている。
東日本フーズ株式会社(宮城県石巻市、佐藤俊一社長、電話0225・94・8377)でインターンシップ(就業体験)をした大学生2人が、バサを使った商品開発に挑戦した。1カ月にわたり、市内のシェアハウスのキッチンで試作を繰り返しながら、市場調査やブランドコンセプトづくり、パッケージのデザインなども担当。現場で見つけた課題を解決するためのアイデアが詰まった新商品「白身魚とブロッコリーの塩レモン炒め」は年内に発売される計画だ。
三重県の志摩観光ホテルは、生産者とともに地場産食材の魅力を伝えるイベント「ランチ賞味会」を開催している。水産物など毎月テーマにする食材を決め、和食やフレンチで多彩な特別メニューを提供するほか、食材への理解を深めてもらおうと生産者による「ミニ講演会」も実施。当日までテーマが明かされない期待感も相まって高いリピート率を誇る。イベントを通して生産者と消費者をつなげるとともに、伊勢志摩地方の食の豊かさを発信、地域資源の持続化に寄与している。
バーベキュー場運営を手掛ける株式会社デジサーフ(高橋佳伸社長)は4月から水産庁が漁港・漁村の振興化策に提唱する海業(うみぎょう)の推進に向け、全国の漁協と連携した事業展開に乗り出している。これまでのノウハウを基に観光客を呼び込んで浜の活性化に寄与。漁協のコストを抑えて効率的に成果を導き出す。高橋社長は「集客に有利な条件は景色がきれいで新鮮な食材が買える場所」と、浜の魅力の最大化に自信を見せる。
めかぶやもずくなど海藻製品の総合メーカー・カネリョウ海藻株式会社(熊本県宇土市)は、同市住吉町の住吉海岸公園に海藻セレクトショップ「OKAGESAMA MOBA(おかげさま もば)」を8月4日オープンした。名前を「藻場」に由来する同店は、同社製品や地元漁協のオリジナル商品のほか、全国各地から集めたあらゆる海藻商品も販売する。オープンから1カ月、熊本を代表する観光スポットに立地することも後押しとなり、想定以上の客足に幸先の良いスタートを切っている。
農林水産省と経済産業省は7日、日本貿易振興機構(JETRO)に「水産品等食品輸出支援にかかる緊急対策本部」を設置した。政府の要請に基づく。海外における代替市場の販路開拓、水産物をはじめとした日本産食品のさらなるイメージアップへの取り組みを重点的に展開する。
丸大佐藤水産(佐藤大紀社長)は、「魚屋大ちゃん」と冠した移動販売の鮮魚店で魚食需要に応えている。4月から札幌市郊外の拓北・あいの里地区に週5回、箱型の軽トラックで出向いて提供する。その日に札幌市中央卸売市場で仕入れた魚介類の鮮度や接客サービスの評判が口コミで広がって顧客を獲得。飲食店卸で経営基盤を固めながら、商品の充実など”行商スタイル”の進化を目指していく。
東日本大震災で被災した三陸・常磐地域の水産加工業の販路回復・開拓を後押しする「東北復興水産加工品展示商談会2023」が26、27の両日、福島県郡山市のビッグパレットふくしまで開かれる。併催のオンライン商談会を含めると、地元福島や宮城、岩手など6県から過去最多となる140社近い企業が出展。東京電力福島第一原発のALPS処理水の海洋放出など新たな課題も浮上する中、工夫を凝らした展示で生鮮・冷凍から高次加工まで多彩な商品の魅力をアピールする。