水産業の発展に欠かせない漁船建造関連業界の役割が年を追うごとに高まっている。原材料費の高騰や人材確保などさまざまな課題に向き合いながら、ユーザーのニーズに応え続ける造船業、搭載機器メーカー。ここでは沿岸漁業で活躍する最新鋭の新造船や船舶業界をリードする関連企業の主力製品を紹介する。
飲食店向け生鮮品EC「魚ポチ」や鮮魚店「サカナバッカ」を運営する株式会社フーディソンはこのほど、藻場の再生を目的とした「シン・ブルーオーシャンプロジェクト」の一環として、島根県海士町に「リーフボール藻礁」を沈設した。磯焼けの解消とブルーカーボン生態系を守ることで水産資源の増大を目指していく。
第2次石破内閣が11日発足した。江藤拓農林水産大臣は12日の就任会見で、地元である宮崎県の漁業や水産業の現状に触れながら、「漁村を守りたいという強い思いを持っている」と強調。取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、限られた予算にあって直近の課題対応や短期策の必要性を言及、その上で成長産業化に向け将来を見据えた取り組みについての考えを示した。
砂原漁協の底建網は、10月末から秋漁主体のホッケが上向いてきた。1隻日量100キロ前後と本来の水揚げには及ばないが、着業者は皆無に近かった漁況から好転する手応えを得ており、今後の増産に期待している。
小樽市漁協の稚貝本分散は、開始から6割程度の進ちょく状況だが、8月に行った仮分散後のへい死が一部に見られ、丁寧な分散作業に注力している。サイズは小型のため選別機で落ちる下の稚貝を再度施設に戻し、最後にあらためて分散し直すことも考えながら慎重に進めている。
記録的不漁に加え、製品在庫の払底、海外産の搬入低迷などで近年にない異常高騰の市況を形成した北海道の秋サケ。量販店の生鮮商戦は価格訴求の販促展開が厳しく、苦戦を強いられた。親は商品づくりなどで健闘した一方、生筋子は単価高が購入量の落ち込みに直結し、売り上げの減少を余儀なくされた。
南かやべ漁協の定置網漁はブリが増産している。8月末から乗網し、11月に入ってはフクラギやイナダを中心に水揚げ。漁獲量の日変動、漁場間差が大きい傾向。また、昨年に比べ水揚げが少ないものの、スルメイカも乗網している。
枝幸町の株式会社枝幸水産商会(岩谷隆行社長、札幌事務所011・596・0682)は、枝幸産マホッケの開きやフライの販売拡大に挑んでいる。枝幸港根拠に操業する漁業部門の沖底船「第八龍寶丸」で漁獲した原魚を加工。自社のECサイトや町のふるさと納税返礼品のほか、道産食品専門店、飲食店などにアプローチ。11月には長崎市の地元百貨店「長崎浜屋」開催の北海道物産展に出展し、毛ガニ・タラバ・秋サケ・ホタテなど枝幸産の他商材と合わせ九州での認知向上、拡販に取り組んだ。
東京都・豊洲市場の北海道産マイワシ消流は荷動きが鈍っている。飲食店向けのサイズは相場の上昇で、利益を出しにくい状況。また、航空便の商材でも鮮度の良さが付加価値として反映されず、トラック便より高単価の分、さらに売れ行きが芳しくない傾向をみせている。東京都の集計によると11月1週目のマイワシの入荷状況は中心組成が70~100グラムと前年同期の100~110グラムより小型。仲卸業者は「今年は全国的に小ぶり。入梅イワシは時期になっても入荷せず、道東産も期待通りの荷は少ない。先が読めない」と仕入れに苦労する。
岩手県の久慈市漁協は、久慈湾で取り組むサーモンの海面養殖が事業化4季目を迎え、5日から稚魚の搬入が始まった。「久慈育ち琥珀サーモン」としてブランド化を進めるギンザケのほか、より収益性の高いトラウトサーモンも昨季から養殖。天然資源が減少する中、安定的な収益の確保につなげる。来年7月下旬までに2魚種で計800トンの水揚げを目指す。