冷凍のトータルソリューションを提供するデイブレイク株式会社(東京都、木下昌之社長)は、メーカーとしての側面でも頭角を現わしている。2021年10月に販売を開始した初の自社開発冷凍機「アートロックフリーザー」は2年半で受注社数が700社を突破した。「さまざまな側面から価値を高めた結果、お客さまから選んでいただけるフリーザーとなった」と同社では受け止めている。導入している業態も食品加工会社や飲食店、量販店、生産者などさまざまで、その多くが共同で商品開発を進めている。日本の食シーンに新たな風を吹き込んでいる。
食品の鮮度を保ち、長期保存を可能にする冷凍技術は、SDGsの達成という社会的課題も背景に重要性を増している。昨今は、空前の冷凍食品ブームといわれているが、冷凍技術に関しては、産官学それぞれがさまざまなアプローチで進んできている。これを整理し、科学的知見に基づき発展させることを目的とし、中立的な立ち位置で業界を先導していく組織も立ち上がっている。関係者の横断的な連携の推進を担うものとして、こうした組織の発足は学術、業界関係からも意義あることと関心、評価を得ている。
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は、山田湾で養殖するトラウトサーモン(ニジマス)の今季の水揚げを開始した。2年間の実証試験を経て、事業化移行を果たした初年度。キロ1100円ほどの高値で取引されている。省力化を推進しながら、知名度アップと販路拡大を目指す。7月上旬までに前季比1.5倍の120トンの水揚げを見込む。
東京都・豊洲市場のミズダコの煮だこ消流は慢性的な高値基調で販売に苦戦している。歓送迎会シーズンに入っても引き合いは鈍い。アフリカなどタコ製品全体的に高騰し、生鮮品を自社でボイルして販売する仲卸業者は「タコ全体の販売は落ちている」と危惧する。卸値は生鮮でキロ3千円。「数年前の倍以上。安い時はキロ1300円で入荷できた。今回は八雲の荷主から仕入れているが、北海道全体で水揚げが振るわないから高いのだろう」と相場上昇に困惑する。
人口減少と高齢化が進む宮城県石巻市雄勝町で、若い漁業者が奮闘している。大阪市から移り住んだ三浦大輝さん。カキ生産者として独り立ちして4年目になる。大阪弁が抜け、日焼けした顔はすっかり三陸の海の男の風情。浜の暮らしに体も慣れ、「やればやるだけ結果がついてくる」と意欲的だ。産直EC(電子商取引)事業を強化。1年で最も身入りが良いという春ガキをPRする。
枝幸町の有限会社瀧源商店(滝浩司社長、電話0163・62・1619)は3月15日に開幕した今年の毛ガニ漁から前浜産のオリジナルブランド「雪割桜」=写真=の販売を開始した。重量や色目、加工処理方法など5項目の独自規格を設定し、高品質の毛ガニを厳選している。ブランド名の由来は「流氷明けの毛ガニ漁の始まりとともに活気づいていく町の姿は子どもの頃から家業の手伝いをしていた思い出の光景」とし「そんな町のイメージと実際に雪のあるところから咲く『雪割桜』の花が重なった」とする。
岩手県の久慈市漁協(川戸道達三組合長)は11日、久慈湾で養殖したギンザケ「久慈育ち琥珀サーモン」1.6トンを今季初水揚げした。需要の高まりや飼料など生産コストの上昇を受け、昨季より2割ほど高いキロ900円台で取引された。7月下旬までに660トンの水揚げを計画する。
12月~2月の禁漁(小型船)が明け、3月に始まった留萌管内のエビかごは、薄漁の影響から主体のナンバンエビが好値で推移、ボタンエビは高騰している。増毛漁協のナンバンは大がキロ5千円前後、中で3千円台中盤。ボタンは高値2万5千円前後。同漁協では「数量が少ない上に首都圏などの引き合いが強い」とみている。
利尻漁協のタコいさりは3月末現在で金額が前年同期比21%増の7419万円。浜値が高く推移し、キロ平均単価が13%高の785円に上昇しているほか、数量も7%増の94トンと伸ばし金額を押し上げている。
散布漁協のコンブ漁場に3月末、流氷が接岸した。大シケによって氷塊がもまれコンブへの影響が懸念されるため、同漁協では近く漁場調査を行い状況を把握したい考え。一方、切れた寄りコンブが少ない状況から、もともとの着生状況が薄かったとの見方もある。