紋別漁協所属・紋別共同定置(代表・飯田弘明組合長)の第2グループ(代表・大澤眞人副組合長)で稼働する新造船「第五翔運丸」(19トン、FRP)がこのほど竣工した。船体の大型化、ユニックの増基に加え油圧、給排水などのスイッチ盤を3カ所に配置するなど作業性、機能性が格段に向上。定置船の漁船リース事業活用は4隻目となる。6月2日に母港・紋別港でお披露目。大勢の関係者が見守る中、餅まきを行い安全操業を祈願した。
浜中・散布両漁協のさお前コンブ漁は20日に計画日数を消化し終漁した。昨年は資源状況が悪く操業を断念したため2年ぶりの採取。着業者は「順調に採れて良かった」「コンブが揚がると浜に活気が出る」と笑顔を見せる。浜中漁協は6月15日に解禁し19、20日と続けて操業した。山﨑貞夫組合長は「計画の2日間操業でき、2年ぶりにさお前を揚げられて良かった」と安どする。
福島県葛尾(かつらお)村でバナメイエビの陸上養殖を手掛ける「株式会社HANERU(はねる)葛尾」(松延紀至社長)は24日、3年間の試験養殖期間を経て初めての商用出荷を開始した。同社によると陸上養殖したバナメイエビの事業ベースでの出荷は東北初。初回出荷量は約4千尾で、年間3万尾を目標とする。当面は県内の飲食店などと直接取引する。被災地復興に弾みをつける新たな特産品として期待される。
稚貝出荷を終えた留萌管内4単協(遠別・北るもい・新星マリン・増毛)で成貝の出荷作業が進んでいる。仕向けは韓国向けの活貝主体に一部国内加工向け。浜値はキロ500円台後半~400円台後半と堅調だ。一方、昨年11月から今年2月ごろまで出荷していた三陸向け半成貝は昨季比約2割減となった。道漁連留萌支店によると、4単協合わせた韓国向け活貝の2024年度(4~3月)出荷量は前年度比28%減の3900トン、同じく三陸向け半成貝は17%減920トン。昨年末に成長不足やへい死が散見され、年明けに一定程度成長したものの、いずれも減少した。現時点では1キロ当たり6~8枚前後。4月の活貝出荷量は111トン、5月530トン。当面夏場まで続く。
青森県階上(はしかみ)町は22日、町の魚として制定しブランド化を進めてきたアブラメ(アイナメ)の正式デビューとなる「階上あぶらめ」お披露目式を開催した。漁獲時期やサイズに基準を設け、活じめ処理方法を統一し、町の産直施設でのみ販売。日本各地で水揚げされる魚種に独自性と希少性で付加価値を高め、新たな特産品として町の活性化や観光客誘致、漁業者の所得向上につなげる。
「TOSPACK」シリーズで知られる真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区)は、食品機械・技術の展示商談会「FOOMA JAPAN 2025」(東京ビッグサイト、10~13日)に出展した。さまざまなタイプの真空包装機を展示し、実演を繰り返しながら品質や作業効率の高さを示した。新基軸となる密着真空包装や、驚きの洗浄効果を引き出すランドリーシステムも紹介し、食品製造現場のあらゆる解決策を詰め込んだブースを展開した。
水産研究・教育機構の開発調査センターは、不漁対策の一環として、大型サンマ漁船によるアカイカ釣の兼業試験を実施した。漁獲量の面では兼業は可能であると見込まれ、今後採算性について評価していく。
北海道定置漁業協会(馬場浩一会長)は23日に網走地区から毎年恒例の現地対話集会をスタート。7月8日にかけて全道8カ所で開催し、今年の秋サケ定置漁解禁を前に、全道の定置業者らに資源状況、定置経営の現状と課題、消流動向と流通対策事業(次号以降に詳報)、漁業共済と積立ぷらすの事業推進について情報提供。意見や提言を受けていく。25日は帯広市で十勝・釧路地区対象に開催。馬場会長はあいさつで「秋サケは北海道の水産業にとって大変重要な資源。試験研究機関、関係機関の支援をいただきながら道増協と連携して資源の早期回復・安定に向けた取り組みを進めるとともに、国や関係機関に定置漁業の経営安定に向けた諸制度の維持・改善などの働き掛けを強化していく」と強調。また、消費流通、国が進める新たな資源管理への対応などの課題に対し「諸活動を進めていきたい」と協力を呼び掛けた。
東京・豊洲市場で23日、北海道噴火湾産毛ガニの取引が始まった。1尾600グラムで卸値がキロ1万8千円の高値で始まり、一部の仲卸は仕入れを断念。毛ガニは全体の相場が上昇しているため、夏のギフト需要が低迷し、飲食店のコース料理など客単価の高い販路に流れている。
根室市の株式会社兼由(濱屋高男社長、電話0153・27・2231)は、レトルトパウチ・煮付けシリーズの順調な売れ行きが続いている。2008年からサンマを皮切りに道産主体に魚種、味付けのバリエーションを増やし、シリーズ累計販売数は23年で2千万パックを超えている。一昨年にスケソ2種類、昨年にサケ3種類を投入し、総アイテム数は30種類に拡充。今年は道内で水揚げが定着してきたブリで4種類を発売予定。