東京都・豊洲市場の北海道産いくら(しょうゆ・塩)消流は、末端が仕入れに二の足を踏む高止まりで荷動きが鈍っている。ただ、一部の仲卸業者は小分けで販売単価を抑えるなど需要獲得を図っている。卸値はしょうゆの一番手がキロ1万1500円、塩が1万4千円。北米産マスいくらは6900円。
野付漁協の特大ホッキブランド「野付龍神ジャンボホッキ」がキロ千円台後半と過去最高の高値で推移している。ホッキ全体の水揚量はシケや減船の影響も重なり昨年より減少しているが、大でも千円前後と好値を付けており、減産を浜値でカバーしている。
ひやま漁協瀬棚支所の寒ノリ摘みは漁場に着生する岩ノリの成育が良好。1月12日に開始した島歌地区のゆき丸水産(斉藤陽介代表)は前年比2倍に増産している。
戸井漁協小安地区は4年前に促成養殖で成熟誘導技術(人工的に子のう斑を形成させる技術)を他地区に先駆けて導入。高水温下の2023年も採苗遅れはなく、導入以降は毎年安定した種苗生産を行えている。従来より沖出し時期が前倒しされ海面養成期間を長く確保できるため、着業者は生育面でも効果を実感している。
根室海峡のけた引漁が始まった。管内5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)の野付尾岱沼共同海区は1月に4海区で開始し、全5海区がそろった2月から日産300~350トンの水揚げ。サイズは例年並みの大型組成に戻り、浜値も高値基調で推移している。
白糠漁協の磯ツブ漁(エゾバイ主体)は好調な滑り出し。近年は資源状況が良く、今年もおおむね1日の漁獲ノルマ(1隻当たり200キロ)を順調に水揚げ。浜値も昨年の出足を上回るキロ千円台半ばで始まった。ただ、天敵のヤスデ(ヒトデ)が見え始めた漁場もあり、着業者は資源への影響を懸念している。
水産加工品の展示商談会「塩釜フード見本市」(実行委員会主催)が5日、塩竈市魚市場で行われた。コロナ禍による中止(2021~23年)を挟んで商品展示を主体とした本格的な開催は5年ぶり。塩竈市エリアの22社がブースを構え、練り製品や漬け魚、干物など全国有数の水産都市ならではの商品をアピール。会場には県内外から卸売業者や量販店などのバイヤーら約300人が来場。活発な商談が繰り広げられた。
岩手県宮古市・重茂漁協の早採りワカメ「春いちばん」が生産のピークを迎えている。1月20日に出荷を開始し、2月20日までの生産となる。日量350キロのペースで生産。1カ月間で10トンの生産を見込む。今の時期しか食べられない「シャキシャキ、つるつる」の食感に引き合いは強く、重茂地区のワカメを一足早く消費者に届けるPR役となっている。
道漁青連(尾﨑勇太会長=紋別漁協)は1月25日、札幌市の第2水産ビルで第62回全道漁協青年部大会を開いた。全道から青年部員300人が参加。研究発表、講演、腕相撲大会などを通し、研さん・交流を深めるとともに、北海道漁業の未来、浜の活性化を担っていく意識を高め合った。
養殖業の有限会社河内水産(大分県佐伯市、河内伸浩社長)はこのほど、独自の養殖技術「環境配慮型養殖『巡』」で生産したヒラメやカワハギの販売を始めた。新ブランド「巡」として道の駅かまえ内の直売所「魚屋マル道」で売り込んでいる。同ブランドのヒラメとカワハギは、株式会社三六九(ミロク)が持つ特許技術「好熱菌を用いた高温発酵技術」を活用した独自の発酵飼料で育てている。飼料はヒジキやおから、魚のあらなど人が食べられる食品素材を使用し、魚の健やかな成長を促進するとともに、うまみ成分が増し「味わいを格段に向上させる」という。