利尻漁協鴛泊地区の蠣崎大地さんは、一昨年新車で購入した軽トラックのあおりやドア下にラプターライナー加工(高耐久のウレタンコーティング)を施し、積み荷などによるさびや劣化を防いでいる。
同加工は防錆、防水性、耐紫外線などの特徴があり塗装部分を保護。蠣崎さんは軽トラック購入時に業者に依頼してコーティング。「予算や納車時期の関係で荷台ではあおり部分だけを加工してもらったが、荷台全体に塗装している漁業者もいる。さびやすい運転席の足元を加工している人もいる」と話す。あおりは漁獲物の積み込み時に特に傷が付きやすい箇所。「まかごを擦って載せるので傷が付く。1カ所さびると、そこから徐々に広がっていく」と説明する。
青森県陸奥湾の第2回半成貝入札が21日に行われ、キロ平均単価は前回比23%高383円、高値は385円となり初回の過去最高値を更新した。73円の上げ幅も過去最高となり、前年同期の2倍に高騰している。上場数量は460トンで前年同期比73%減。大幅減となった昨年をさらに下回る低水準の水揚量となり、初回以降、仕事買いの様相を呈している。
冷凍技術「イータマックスシステム」で知られる中山エンジニヤリング株式会社(埼玉県川口市、中山淳也社長)が開発し、井戸冷機工業株式会社(北見市、井戸仁志社長)が販売、施工する二酸化炭素(CO2)使用の自然冷媒冷凍システムは一昨年の本格展開以来、さまざまな効果を導き出している。1号機として導入した紋別市の水産加工場では、電気代が既存の冷凍機に比べて51%も削減するなど1年目から結果を出した。極寒や猛暑といった苛酷な外部環境下でも安定的に運転できる。省エネ性を強みにユーザーに寄り添う姿勢を示している。
斜里第一漁協所属で定置網漁を営む有限会社北洋共同漁業部(代表・伊藤正吉漁協理事)は、生業のフィールド「海」の保全活動で6年前から取り組む海岸清掃に加えて、前浜資源の生息場や産卵場、二酸化炭素を吸収・固定化するブルーカーボン生態系となるコンブ藻場の造成事業に乗り出した。ふるさと納税制度を活用し、漁業や海洋環境保全への理解・関心・参画意識醸成の願いを込めた発信と併せて支援を募る試みも開始。豊かな海を守り、次世代に引き継いでいくための実践の深化・継続を目指している。
ゴム長靴やゴム工業用品などの製造・販売を手掛ける小樽市の老舗メーカー株式会社ミツウマ(大東藤男社長)は、ウニ殻を藻場造成の施肥材に再利用する磯焼け対策事業を小樽市漁協、同漁協祝津地区磯部会と進めている。
総合エンジニアリング大手の日揮ホールディングス株式会社(日揮HD、神奈川県横浜市)は10日、日揮グループのかもめミライ水産株式会社(大澤公伸代表)が福島県浪江町で生産を進めてきた陸上養殖サバの初出荷を発表した。完全閉鎖循環式施設で人工海水を使用し育成、アニサキスの寄生を低減させた生食可能なマサバで、ブランド名は「福の鯖」。浪江町の吉田栄光町長らが出荷式に出席し、新たな特産品化へ期待を寄せた。
東京都・豊洲市場のマコガレイ消流は例年より身厚になるのが早く注目を集めている。白身魚の定番・ヒラメが産卵期に入って身質が低下し、代替え需要で引き合いが出てきた。現在人気の産地は東京湾だが水揚げが切れる梅雨ごろには福島・宮城の両県産の相場が上昇すると予想される。
食品トレーなど包装容器大手のエフピコ株式会社は9~11日、東京ビッグサイトで展示会「エフピコフェア2025」を開催した。原料やエネルギー価格の高騰、人手不足、環境配慮など常に変化する市場への対応に向け、容器の見直しによって可能となる“売れる”売り場づくりやコスト削減など、経営改善の手法について紹介した。
マルハニチロ株式会社は、大阪・関西万博の日本館で藻類の一種であるスピルリナを具に用いたフリーズドライみそ汁「藻類味噌汁~スピルリナ~」を展示し、6月下旬から来場者にサンプリングを実施する。環境負荷が小さく高栄養の藻類として注目される。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする万博において、持続可能性のある資源であることを世界の人たちに向けて発信する。
留萌管内でミズダコの水揚量が伸び悩んでいる。昨年は各漁協とも前年と比較し2割前後下回っており、単価も安値基調で推移した。直近でもタコ箱や樽流し漁が振るわず、着業者は昨年からの減産傾向に不安を募らせている。