1月下旬に始まった日高西部海域(門別~冬島)の毛ガニ漁は低水準の水揚げを映し、浜値は昨年並みの高値で推移している。ただ、許容漁獲量が昨年の当初配分と同じ過去最低。餌代や燃油代などのコストは重く、着業者は今季も採算確保に厳しい操業が続いている。
西日本最大級の食材見本市「第22回シーフードショー大阪」(一般社団法人大日本水産会主催)が2月19、20の両日、大阪市のATCホール(アジア太平洋トレードセンター内)で開かれた。全国の水産加工・機器資材メーカー、漁業会社・団体のほか、中国や韓国など海外5カ国の企業も含め計220者が出展、最新の技術や加工機器、新商品などを売り込むとともに水産物の魅力を発信した。2日間で1万人余りが来場し活発な商談が繰り広げられた。
日本昆布協会(吹田勝良会長)は2月26日、理事会を開き、北大北方生物圏フィールド科学センターの四ツ倉典滋教授が取り組む環境耐性株の育種を柱とする研究に対し奨学寄付金(300万円)を提供することを決めた。
小樽市漁協のニシン刺網漁は1月23日に31隻で45トン、キロ450円を付けるなど上々の滑り出し。その後は日量4~9トンペースで推移。2月に入り12日が28トン、13日13トン、17日16トン、18日3トンと低調だ。一方、市況は2月25日の高値でキロ600円に付くなど薄漁を反映し高値基調が続いている。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)で加工貝(2年貝)の水揚げが始まった。長万部は2月中旬から日産50トン以上となり24日以降100トン台にペースアップ。各地3月から本格化していく。一方浜値はキロ700~600円台と高騰。仕向けは冷凍両貝とみられ、仕事買いの様相を呈している。
宮城県気仙沼市を流れる大川でサケのふ化放流事業に取り組む気仙沼鮭漁業生産組合(管野幸一組合長)が2月25日、今季初のサケ稚魚放流を行った。放流数は6万1千尾で、昨季の初放流時に比べ48%減となった。同組合によると今季は自河川での親魚捕獲数、採卵数ともに平成以降で最低を記録しており「大不漁の中、大変な苦戦が続いている」と管野組合長。最終的な放流予定数は昨季実績(182万尾)の2割弱、35万2千尾にとどまる見通しという。
宮城県産「三陸わかめ」の今季初入札会が2月27日、気仙沼市の県漁協わかめ流通センターで開かれた。シケ被害で前年の半数量だった昨季の初入札(31トン)から、さらに14%減となる塩蔵26.6トンが上場。減産傾向を懸念したのか、中芯を除いた10キロ当たりの平均価格は15%高の1万6040円。最高値は2万円を超えた。県漁協によると「一部で生育に遅れが見られるものの、おおむね順調」。生産者799人で例年並みとなる1万5トン(原藻換算)の生産を目指す。
札幌市のすすきのに昨年12月に誕生した新グルメスポット「ススキノデパート」は、「北海道の食のデパート」がコンセプト。ビュッフェスタイルのレストランを軸に4つの業態をワンフロアで展開する。海鮮食材は道内16の浜から直送仕入れ。運営する北海道ホテル&リゾート株式会社の小林英樹CEOは「北海道の食をさらに盛り上げていきたい」と力を込める。
東京都の豊洲市場で長万部産の黒ホッキブランド「漆黒の煌星(きらぼし)」(株式会社マタツ水産)が好評を得ている。高級すし店・和食店の顧客が多い仲卸業者は「このブランドにこだわる顧客は多い。相場は他産地より高いが、身質の良さで受け入れられている」と話す。
一般社団法人未来の食卓と冷凍食品PR連盟株式会社は2月19日、第1回「日本全国!ご当地冷凍食品大賞2024-2025」のグランプリを決めるプレゼンテーションと投票を東京都で開催し、有限会社望仙(静岡市)の「贅沢桜えびかき揚げ」がグランプリに輝いた。おいしさだけでなく、背景にある企業努力を感じられることも評価のポイントとなった。グランプリを含む受賞商品は百貨店の松屋銀座や楽天市場で販売する機会を設けており、優れた“ご当地冷食”を発信している。