渡島噴火湾3単協(落部・森・砂原漁協)のエビかご秋漁が終漁した。ボタンエビは漁獲範囲が沖側に集中し、落部の着業船中心に序盤から1隻日量50キロ前後の水揚げ。一方、森、砂原は大半の着業船が大量に混獲されるオオズワイガニ主体の水揚げとなった。ボタンエビはメス中心にキロ5千円、オオズワイガニは大が千円台といずれも堅調に推移した。
渡島噴火湾で今春に垂下した耳づり貝の成育状況は、へい死率が低く順調に成長しているよう。ムラサキイガイの付着が多く貝洗い作業を実施しながら各地区とも球付け作業に追われており、今後の成長を期待している。
秋サケの生筋子消流は、札幌市中央卸売市場の取扱数量が昨年の半分に落ち込んでいる。北海道沿岸の低調な水揚げに加え、昨年産の在庫払底、マスの不漁など輸入卵の搬入が厳しい状況下、大手加工業者を主体にいくら製品の原料手当てで相場が近年最高値に高騰。需要先の加工筋は必要最小限の調達に抑制傾向、量販店・小売りは拡販が厳しい状況となり、集荷販売も直近10年の最低数量で推移している。
成長を続ける青森県内有数の水産加工グループに新たな柱が加わった。陸奥湾ホタテ加工大手の株式会社マルイチ横浜(野辺地町、横濵充俊社長)が、定塩加工技術に定評のある株式会社ヤマヨ(八戸市、藤田和弘社長)と11月1日付で資本提携を締結。これによりマルイチ横浜グループは計6社となり、全体の売上高は150億円に達する見込み。天然資源の減少など厳しさが増す中、原材料の仕入れや販路の共有などスケールメリットを生かし、グループ各社の持続的発展につなげる構えだ。
ホタテ玉冷の海外輸出に拍車がかかっている。円安水準の為替相場、自国生産の減少、保水加工の輸入不足を背景に米国の買い付け姿勢が強いため。商社筋など荷受各社は「在庫が切れ産地も品薄で追加購入できず注文に応じられない」と声をそろえる。製品相場は米国主導の様相を呈しキロ3千円台後半まで高騰。量販店はじめ内販の末端売価も値上がりしており、年末商戦、さらにはその先の消流に警戒感が強まっている。
斜里町ウトロの株式会社ユートピア知床(櫻井晋吾社長、電話0152・24・2306)は今年、スチームコンベクションオーブン2基を新規導入した。労働力の確保が厳しい情勢を踏まえ、加熱処理工程の自動化による省人・省力化、消費電力などコスト削減が目的。併せて熱伝導率が高く、均一に加熱処理できる機能を生かし、サケフレークやふりかけなど商品の品質向上につなげていく。
今季の宮城県産生食用むき身カキの出荷が10月28日に始まった。県漁協石巻総合支所で開かれた初入札には前年同期比47%減の5.1トンが入荷。上場量が少なく需要が集中する形となり、10キロ当たりの平均単価は37%高の4万2376円。昨年より1万円以上高い出足となった。最高値は15%高の4万7千円。高水温の影響で成育が遅れ、県が指針とする解禁日(9月29日)より1カ月ほど遅れてシーズンを迎えた。
積丹町、東しゃこたん漁協などで組織する積丹町地域活性化協議会(代表・馬場龍彦町商工会長)は、前浜産の未・低利用素材で2品を商品化した。ウニ餌料用ホソメコンブ養殖の副産物・ダルスのつくだ煮と町内の飲食店の副産物のナンバンエビの頭を活用したスープ。海の恵みを余すことなく活用するコンセプト。レシピは地元料理人が監修し、同協議会メンバーの積丹やん集小道協議会が原料の調達から商品開発、製造販売までを担当している。
道は10月31日、第二水産ビルで、第2回目となる「コンブ生産安定対策検討会議」を開き、天然コンブの生産回復・安定化に向けた課題の整理や対策の方向性について意見を交わした。今回は各地域の課題や要望などを整理。コストのかからない雑海藻駆除の手法や技術的指導、研究機関の取り組み・成果の漁業者への共有、減産要因や着生不良などに関する調査を望む声が挙がった。コンブの種類に応じた地域ごとの漁場管理や雑海藻駆除などの対策の必要性についても確認した。
東しゃこたん漁協の大定置網漁は、主体のブリが10月中旬から日量10トン以上のペースで水揚げ。今年は新たに鮮度保持技術として「胃洗浄」を試験導入し、ブランドブリ「鰤宝(しほう)」の高付加価値化に取り組んでいる。