毎年200万人以上が訪れる「さっぽろ雪まつり」。最近は「末端への吸い込みがいまひとつ」「毛ガニなどの浜値にあまり恩恵がなくなった」。水産物の需要動向に対し、浜や流通筋からそんな声も聞かれる。水産新聞社では雪まつりに来道した道外観光客100人に聞き取り調査を実施。結果は、「楽しみにしていた食べ物」で、すしや海鮮丼を含めた「海産物」が他を圧倒。北海道の観光資源としてブランド力は健在だった。
根室市の㈱マルタカ高橋商店(高橋博代表取締役)の、サンマの魚醤を使った「味付けつぶ」が販売を伸ばしている。ことしから東京都内の道産品アンテナショップでも定番品として扱われる。
岩手県山田町の株式会社五篤丸水産(電話0193・86・2188)は、山田産のいくらやホタテ、めかぶをふんだんに盛り込んだ新商品「オランダ島漬け」を、2月に発売した。盛岡市の大手老舗百貨店・株式会社川徳と連携して開発した新商品。今後、販路開拓を積極的に行い、全国に「山田の海の味」をアピールしていきたい意向だ。
カキの需要期を迎え、サロマ湖産の出荷が本格化している。結氷の遅れで水揚げに支障を来す地区もあるが、1年カキを中心に出荷は順調。身入りが良く、浜値は高値基調で推移しており、着業者は「全面結氷後の2月から、さらに出荷を伸ばしたい」と意気込んでいる。
函館のスルメイカ釣り漁がほぼ終漁した。函館市水産物地方卸売市場によると、昨年4月~ことし1月20日の取扱数量は前年同期比7%増の4271トン、金額は同32%増の14億2542万円、キロ平均単価は同23%高の334円となった。
サロマ湖の氷下漁は、全面結氷の遅れからチカやキュウリウオの水揚げ量が低調な出足で、浜値は若干高値に付いている。
常呂漁協の着業者は2軒。栄浦地区の畑中漁業では3カ所に網を建て、1月28日までに4回出荷。この日は網1カ所でチカ200キロ、キュウリウオ14箱(1箱18キロ)のほかコマイ、カレイ各2箱を水揚げした。
結氷の遅れが影響し、「例年に比べて水揚げ量は少ない」と着業者。1月8日の初セリに出荷できず、ことしは15日の初出荷となった。漁は3月中旬まで続くが「これ以上、増えることはないだろう」と話す。
えさん漁協の日浦、尻岸内、古武井、恵山の各浜で、養殖コンブが芽落ちした。いずれの浜も規模が大きく、各地区の昆布養殖部会長は「全施設の半分以上」「ここまでの被害は初めて」と頭を抱える。今後は、無事だった施設からの株分けや補殖(予備のコンブ)での補てん作業に入る。
苫小牧漁協は今季から、ホッキと同じ海域に繁殖する棘皮(きょくひ)動物「カシパン」=写真=の試験駆除に乗り出している。平成20年以降、ホッキの稚貝が減少傾向にあり、要因の一つに推測されるカシパンとの関係や影響を調べる。5~10年程度かけて実施し、成果が得られれば、本格的な駆除対策を検討する。
「カシパン」(和名)は、ウニやヒトデ、ナマコと同じ棘皮動物。苫小牧沿岸では「ハスノハカシパン」が多く、生息域がホッキと同じ水深5~30メートルの砂地。これまで稚貝の減少との因果関係は確認されていないが、同漁協では「食性上の競合や、生息できる砂地が奪われ、ホッキ稚貝の着生弊害を招いている可能性がある」と説明する。
岩手県・野田村漁協野田養殖組合(小谷地勝組合長・10人)のホタテ生産が震災前に戻りつつある。メーンの中成貝は水揚げが新年度に8割まで回復する見通しで、平成27年度に10割をめざす。成貝は昨年12月に震災後初めて水揚げ。新年度から養殖管理を共同から個人に戻す予定で、震災前と同様に中成貝と成貝とで周年出荷できる時期が早まりそうだ。
漁業資材製造販売の不二機材株式会社(東京都、中里彰秀社長)が販売する次世代照明・無電極ランプは太陽光に近い灯、長寿命、省電力が特長。
加工場や魚市場の照明、敷地内の外灯など水産現場に最適だ。
※記事の詳細は週刊水産新聞紙面をご覧ください。
(2014年01月27日付)