北海道の秋サケ定置は9月最終週に入ってオホーツク海主体に上向いてきた。日曜休漁明けの25日に今期初の2千トン台に乗せ、その後も千トン超。ただ、高水温下、太平洋、昨年は好漁だった日本海の中・南部は低調な水揚げが続いて出遅れ。10月を迎え、海況好転に伴う伸びに期待をつないでいる。
根室市のカネ共三友冷蔵株式会社(石田一志社長、電話0153・23・5261)は今年からサケ加工で、新たにフィレー・切り身・生食用ロインなど骨取り製品の製造に乗り出している。取引先の要望も受け、高性能の専用機器を導入し、生産体制を構築。北海道産秋サケを中心に量販店に加え、学校、病院・福祉施設などの給食素向けで新規販路の拡大に取り組む。
日本農林規格(JAS)の「有機藻類」認証(小分け業者)を昨年取得した株式会社丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)はこのほど、「日本有機海藻の会」を組織、連携する各漁業者を含めた団体として新たに生産行程管理者の認証を受けた。また、今年から道南と道北の養殖漁業者2軒が加わり計5軒と連携、道産有機海藻の安定生産と需要開拓に注力していく。
ぎょれん総合食品株式会社(小樽市銭函、大潟歩社長)は、加工センターの秋サケ1次加工室・設備を改修し、今期から一新した加工ラインでドレスの製造を主体に原魚の円滑処理に臨んでいる。安全性を高めた作業動線の確保など従業員の労働環境を改善。併せて加工機械の更新による省人化、作業の簡素化を実施した。秋サケ流通対策の中核拠点の機能発揮に取り組んでいく。
留萌管内で韓国向け活貝出荷が順調に進んでいる。9月は新星マリン、北るもい漁協が対応しており、浜値はキロ500円と好値。関係者は「9月末に韓国で大型連休があり、そこの需要を見込んだ引き合い」と話す。
日本発の水産エコラベル、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)の認証プログラムがGSSI(世界水産物持続可能性イニシアチブ)の新基準に9月21日承認された。地理や生物、産業、食文化的多様性など日本の水産業と社会の実情に合った認証制度として誕生したMELが、より世界が認める水産エコラベルへの一歩を踏み出したことになる。日本の多様性の活用を世界に発信するとともに、国益を守り、水産業の成長産業化につなげていく。
日本商工会議所はこのほど、日本産水産物の消費拡大に向けた「商工会議所 水産物販路開拓・拡大応援パッケージ」を取りまとめ、公表した。全国515商工会議所と連携し「商談会の開催などによる販路開拓支援」「首都圏での展示会などへの出展支援」「クラウドファンディングを活用した情報発信・ファン作り」の3本柱で支援に取り組む。ALPS処理水の海洋放出に伴う風評被害や、一部の国の輸入規制の影響を受ける地域産品の魅力発信や需要喚起を後押しする。
東日本大震災で被災した水産加工業の早期回復を後押しする「東北復興水産加工品展示商談会2023」が9月26、27の両日、福島県郡山市のビッグパレットふくしまで開かれた。東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出など新たな課題が浮上する中、出展企業は三陸・常磐ものの安全性や品質の高さをあらためて発信。バイヤーと活発な商談を繰り広げ、販路拡大につなげた。
「守りぬく 光輝く 豊かな海」をテーマに「第42回全国豊かな海づくり大会北海道大会」が17日、厚岸町の厚岸漁港特設会場で開かれた。北海道開催は湧別町の登栄床漁港が会場となった1985年の第5回以来38年ぶり2回目。道内外の漁業関係者ら約600人が参加。天皇、皇后両陛下が出席する中、栽培漁業の推進や地域資源の活用など北海道水産業の挑戦を全国に発信するとともに、水産資源を守り、次世代に継承していく使命と責務を再確認した。
包装業界や容器・包装を使用する食品など各種業界では、SDGsを達成するため、各社が2030年をターゲットに取り組みを進めている。政府も海洋ごみや地球温暖化に対応するため、「プラスチック資源循環戦略」を制定するなど、プラスチック使用量の削減、容器・包装のリサイクル、CO2削減への取り組みが鍵となる。プラ使用量削減では、環境対応素材の採用が進み、従来のバイオ樹脂やリサイクル樹脂、紙への切り替えだけでなく、ケミカルリサイクルやマスバランスなど新たな手法を用いた環境対応素材の採用が進められている。容器・包装のリサイクル推進に向け、モノマテリアル化の推進、着色剤レス、脱墨技術の開発など素材循環への取り組みが進行。さらに、フードロス対策、賞味期限延長ニーズ、人手不足解消がターゲットとなっており、以前にも増してバリア性を有する包装ニーズが拡大している。