JCFU全国沿岸漁民連絡協議会に所属する北海道から沖縄県の沿岸漁民の代表者らが11月29日、農林水産省を訪問し、対馬沖のアカムツ操業や八戸沖のスルメイカ操業で起きている実態について、対処を行うよう農水大臣に要請した。これらの操業に関わっている沖合底引網や大中巻網など大きな漁獲圧力を持つ大臣許可漁業に対し、監督官庁である農水省が指導するよう訴えた。日本周辺の水産資源を守り、沿岸漁業や沖合漁業が持続的産業として発展できるよう求めた。
西網走漁協の網走湖のシジミ漁は、4割減に落ち込んだ昨年並みの300トンを水揚げし10月末に終漁した。同漁協では「なんとか計画の300トンを達成できた。後続群が順調に成長しており来季は100トン増の400トンに戻したい」と見通す。
株式会社浪花昆布(神戸市、小濱敬一社長)は10月、ニューヨークとロサンゼルスで開かれた「ジャパニーズフードエキスポ2023」(日本食文化振興協会主催)に出展、各種昆布製品をPRした。中でも同社の看板商品であるつくだ煮が好評を博すなど、現地での反応に手応えをつかむとともに海外での商機を探った。ジェトロ(日本貿易振興機構)の海外人材育成塾に参加したことをきっかけに出展案内を受け、初めて海外の展示会に参加。小濱洋子常務が中心となり、市場調査を兼ねて昆布製品を販売した。出展ブースにはつくだ煮の「生姜昆布」をはじめ、ふりかけるタイプの塩昆布「ひとふり昆布」や「だししお」、液体昆布だしなど自社製品を並べ試食も提供。英文で作成したパンフレットも用意した。
昨年6月に恵庭市で北海道工場の操業を開始し、今年9月には「昆布だしめんたいこ」など道産水産品ブランド「北海道 椒房庵(しょぼうあん)」(8月7日付既報)を立ち上げた食品メーカー・株式会社久原本家グループ(福岡県久山町、河邉哲司社主)の株式会社久原本家 北海道(浅野高弘社長)。北海道の恵みを最大限生かし、新しい価値を付けた食品を北海道から全国、世界に発信していくビジョンを始動。引き続き「ブランドビジネス」の深化に挑戦、道内企業や生産者との連携も含め北海道の食産業の発展に貢献を目指す。
近代化が進む漁船建造関連業界。原材料費の高騰や人材確保といった課題が山積する中、水産業界の発展に向け、その下支えとなる造船業や搭載機器メーカーの役割は年を追うごとに高まっている。ここでは沿岸漁業で活躍する最新鋭の新造船や、船舶業界をリードする関連企業の主力製品を紹介する。
いぶり噴火湾漁協の2023年度加工貝(2年貝)水揚量は、前年比1%減7930トンを計画している。伊達地区の「早出し」は10月30日にスタートしたが「例年より小ぶり。各地区でへい死も進んでいる」(同漁協)ことから、本来の水揚量には届かない見通しを示している。
日本昆布協会(吹田勝良会長)は6日、神戸市のANAクラウンプラザホテル神戸で「昆布大使と会員企業の懇談会」を開いた。4年ぶりの開催で会員企業代表者50人余が出席。食育や消費拡大、商品開発などについて意見を交わした。昆布大使は80人(海外2人含む)が活動。食育やイベント出展のほか、SNSを活用したレシピ紹介など同協会の消流宣伝事業に携わり、昆布の普及に努めている。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会のブランド「海峡根ぼっけバキバキ」の秋漁が11月上旬に始まった。水揚げは多い船で日量60箱。髙島信幸部会長は「出足の漁模様はまずまず」と感触を話す。ただシケが多いほか、例年に比べてサメ被害が目立ち、着業者は今後の海況好転を願う。
網走湖で漁獲する西網走漁協のワカサギ漁が振るわない。1軒で日量100キロの漁獲制限は達成しているが、通常1回の引き網で獲れる量が複数回と苦戦している。着業者は「遡上(そじょう)群が低調であれば昨季同様に年明けの氷下漁が心配」と不安を募らせている。27軒が着業。11月1日に中層引きのワカサギ漁がスタートし11月末まで続ける。同漁協では「秋漁の中心となる湖内の残留群の漁獲量は例年並みの予測が示されており、遡上群も11月中旬以降確認されているが、実際の漁獲量は例年より少ない」と説明する。
来遊数が7年ぶりに3千万尾を超えた昨年から一転し、異常高水温の状況下、2千万尾台前半に後退した北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、中期までの来遊実績は年齢別で5年魚(2018年級)が予測に対する下振れが大きかった。4年魚(19年級)の回帰数も低水準で、特にえりも以東・西部からえりも以西は昨年の3年魚での回帰数を下回る異例の現象が起きている。前・中期を合わせた全道の来遊数(10月31日現在の沿岸漁獲数と11月5日現在の河川捕獲数の合計)は2122万7281尾で前年同期比67.6%、漁期前予測比63.6%となった。