宮城県漁協は2日、県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会を塩釜総合支所・乾のり集出荷所で開いた。販売枚数は2502万3800枚(前年同期比14%増)に上り、1枚当たりの平均単価は17円95銭(同2倍)と過去10年で最高。猛暑による高水温のため最も遅い共販開始となったものの、上物主体に数量もまとまったことから引き合いは強かった。
東京都・豊洲市場で11月下旬から宮城県産のタチウオが入荷している。2015年以降水揚げが増加し、豊洲の入荷量も伸長。脂乗りが良く、季節商材として引き合いを得ている。
農林水産省と経済産業省は、ジェトロ(日本貿易振興機構)やJFOODO(日本食品海外プロモーションセンター)などと連携し、ALPS処理水の海洋放出以降の一部の国・地域による輸入規制強化を踏まえた「水産業を守る」政策パッケージに基づき、ホタテなど水産物の輸出先の多角化に向け、さまざまな取り組みを実施している。国内外での商談を組成するための新たな施策をこのほど打ち出した。新たな商流構築に向け、着実に取り組んでいくとしている。
いぶり噴火湾漁協のたも採り漁が盛漁期に入った。有珠支所のナマコ漁は着業者1人当たり日量30キロ前後、多い人は70キロの水揚げ。資源量は「あまり回復していない」と話す着業者が大半を占めるが、昨年より獲れている場所もあるよう。一方浜値はキロ2千円台前半。中国の禁輸措置に伴い昨年の3~4割安と大幅に落ち込んでいる。
だし昆布の消流は贈答関係の需要減退などを背景に低迷が続いている。一方、コロナ禍に冷え込んだ業務筋は、外食消費の回復基調を受けて徐々に需要が戻り、コロナ前水準まで改善した卸業者もいる。
野付尾岱沼の根室管内5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)共同海区が1日にスタートした。29号巽沖造成(16隻)は日産70トン、29号外海造成(11隻)は同28トンペース。巽沖はL・M中心の大型組成。高値はキロ500円台を付けている。
カニ商材の主力・タラバとズワイの消流は12月に入っても末端からの引き合いが弱く苦戦している。忘年会の減少で外食需要が振るわず、量販店や百貨店などの売り場は豊漁だった日本海産の取り扱いを優先。物価高などで消費者の節約志向も強まっており、年末商戦の製品市況、荷動きとも不透明感を抱えている。
オホーツク海沿岸の11月末ホタテ水揚量は、漁場造成を合わせ前年同期比2%減の31万4801トンとなった。南部・オホーツク管内の常呂、紋別が4万トン超え。11月で北部・宗谷管内4単協が終漁(11月27日付既報)、南部は5単協が終漁し、湧別、佐呂間、常呂が12月中旬まで続ける。
北部が昨年の水揚げに1割ほど届かなかった半面、南部は5%増の19万5031トンと増産。歩留まり、アソートが低下する終盤に、下降幅が小さい漁協も見られたことが一要因。
上磯郡漁協上磯地区のブランド「峩朗(がろう)ガキ」の水揚げが11月中旬に始まった。貝の大きさは例年並みで、目立ったへい死もない様子。今後の歩留まり向上も期待される。北斗峩朗ガキ養殖部会の加藤佑基部会長は「今季から販路は函館中心となったが今のところ出荷ペースは順調」と手応えを感じている。
水揚量日本一を誇る岩手県のアワビ(エゾアワビ)漁が苦境に立たされている。海水温の上昇やウニの食害などによる磯焼けが深刻化。不漁とともに小型化も進み、干鮑(かんぽう=干しアワビ)に適したサイズは近年なかなか見かけなくなった。資源の回復が見通せない上、ALPS処理水の海洋放出という新たな難問が追い打ちをかける。漁業者だけでなく、加工会社も疲弊している。