網走漁協はホッキ引漁で混獲され、商品価値の低さから未利用だった「ビノスガイ」のむき身出荷に9月から乗り出した。まずは網走市内の飲食店10店による独自メニューの開発を通じ、市内で浸透させることに注力。挑戦は始まったばかりだが、将来的には全道、全国レベルまでの消費拡大を狙う。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産(株)は青森県との連携を強化している。その一環で11月28日~12月4日の期間で、旬の県産魚介類を提供する限定企画を全30店舗で開催。1日には東京都杉並区の荻窪総本店に三村伸吾知事、濱舘豊光中泊町長、生産者などがPRに来店。シジミのすくい取りも体感できるなど青森を体全体で感じさせるようなイベントを繰り広げた。
第14次定置漁業権(免許期間2019~23年)への切り替え作業は、漁場計画の策定が当初予定より遅れているが、11月末までに留萌、檜山、渡島、胆振の4海区が樹立。石狩・後志、日高、宗谷が12月中に告示予定の動き。十勝・釧路、根室、オホーツクは年明けになる見通しだ。
岩手県産アワビは12月(第2期)、10キロ平均13万3593円と高騰に拍車がかかった。種市南漁協の2浜は17万1500円と記録的高値。だが、大半の生産者は高値を喜ぶより、「揚がるのか」という心配が大きい。11月(第1期)の水揚げが低迷、「アワビが見えない」という浜が増え漁獲資源に不安が強まっている。
紋別市の(有)丸芳能戸水産(能戸俊憲社長、電話0158・23・2438)は、ホタテ干貝柱の製造時に出る煮汁を有効活用し、2015年に商品化した炊き込みご飯の素「ほたて黄金(こがね)ごはん」が進化を遂げている。だし巻き卵、チャーハンなど料理用のだしとして注目度が上昇。和食人気によるだしブームも相まってアジア圏への海外展開の動きも出てきている。
羅臼漁協のホッケは数量、金額とも昨年を上回る水揚げで推移している。一方でトドによる漁業被害が発生、着業者は神経を尖らせる。 1月~12月4日現在の数量は前年同期比3.8倍の1000トン、金額は同2倍の2億2000万円、キロ平均単価は同47%安の221円。11月30日に於尋麻布漁港に戻った着業者は「ハシリからいいが、今日は網に掛からなかった」と話す。
噴火湾の耳づりや稚貝の大量へい死を受け、8単協で組織する噴火湾ホタテ生産振興協議会(会長・髙野勇一長万部漁協組合長)は5日、道漁連など道漁協系統4団体に対し緊急支援策を要請した。既往資金の返済期限延長や長期運転資金の支援のほか、更新予定の水温等観測施設に対する支援も求めた。
本年度に出荷する加工貝の大幅な減産見通しに加え、稚貝の成育悪化で次年度以降の生産にも影響が及ぶことを強調。漁業者の経営不安や漁種転換による漁船漁業者への影響、水産加工業や運送業など関連産業への波及も見込まれるため、早急な対応策を申し入れた。
日本初のナマコ養殖を目指し、東北福祉大学(仙台市)と弘前大学(弘前市)が共同研究を進めている。石巻市の漁港では入り口となる開口部の海底に空気だまりを持つコンクリートブロックを設置し、漁港内にナマコを閉じ込めて成長させる方法を検討。松島町の漁港ではかごを使った養殖の可能性が示された。
利尻・礼文両島の養殖漁家は、種コンブの巻き付け作業を進めている。種の再生状況は地区でばらつきがあり、例年に比べ芳しくないとの声もあるが、不足する漁家は着業者間で分け合い補てん。各地区ともほぼ例年並みに巻き付けられる見通し。着業者は「来年夏の収穫期まで順調に成長してくれれば」と願う。
「知内かき」のブランドで知られる上磯郡漁協中ノ川地区の養殖カキは、11月中旬に水揚げ・出荷が始まった。出足の身入りは低調だった昨年に比べると良く、出荷軒数・主体となるむき身の日量は昨年同時期より多い。今後徐々に本格化を迎える。