サロマ湖3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)で稚貝の仮分散が始まった。外海の採苗は昨年より少なく、湖内の付着も低調のため、ふるいから落ちる下のサイズも丁寧に採取している。着業者は「ぎりぎり間に合う程度」と話し、慎重に作業を進めている。
岩手県水産技術センター(釜石市)は7月31日、2024年度(9月~来年2月)の県内への秋サケ回帰予報を発表した。予測値は数量4万4千尾、重量136トン。いずれも人工ふ化放流事業が本格化した1984年度以降で最低だった前年度並みで、東日本大震災前(2008~10年度の3カ年平均)の1%にも満たない見通し。回帰の中心は12月上中旬とみる。
羅臼漁協の春定置で水揚げするブリは、漁場間差が大きく組合全体で好調だった前年同期を下回る水揚げ。春は8月10日で切り上げとなるが、昨年は秋にも獲れ、累計で過去最高の水揚げに達しただけに、秋漁での伸長に期待がかかる。
新規就業者の確保・定着には資金や技術習得の支援などに加え、ハラスメント対策やCSR(企業の社会的責任)なども重要要素になっている。また、小・中・高校など学びの場で漁業に触れる機会を得られても就職先はより良い求人条件を求め、別の業界に進むケースも少なくない。漁業人口や生産量の減少が止まらない中で、若者をはじめ就業志望者は業界の宝。担い手確保や育成を担う各機関ではその宝を発掘、未来につなぐため、それぞれの活動に取り組んでいる。全国漁業就業者確保育成センターは、漁業会社や漁業を営む個人(漁師)を対象に“サポーター”と位置付ける一般会員枠を設けている。担い手の確保や育成を目的とする同センターの活動に賛同する会員を募るもので、働き方改革などに取り組む組織・個人が条件。サポーターを巻き込んで漁業界全体で働きやすい環境を生み出す狙いがある。センターのホームページでも紹介。小・零細企業や個人でも、アクセス数の多い同サイトを通じて、就業希望者へ情報発信できる。参加条件に合致したことを公表することで、特に水産高校の教諭や家族が安心して就職を促せるメリットも生み出す。
いぶり噴火湾漁協でミズダコの漁獲が伸び悩んでいる。タコ箱に加え底建網でも苦戦しており、4~6月の水揚量は前年同期比6割減の1トン余りと低調だ。浜値も弱含みの傾向にある。虻田地区でタコ箱に着業する田所信二さんは「春から夏にかけて陸に入る“通りダコ”を狙っているが、小さい子ダコは入っても水揚げできる大きさのタコは6月後半まで見なかった」と話す。6月末に一度まとまり「1はい100箱揚げて久々の10尾。尾数は今年最高。サイズは1尾6~7キロ主体だった」と話す。
根室の花咲ガニ漁は7月10日に始まり、歯舞漁協ではメスの高値でキロ4千円台を付けるなど序盤から強含みの様相を呈している。7隻が着業し、11日に約1トンを初水揚げ。日量は少ない日で600~700キロ、多い日で1.5トンほどを水揚げしている。
礼文島の天然コンブ漁が最盛期を迎えている。香深・船泊両漁協ともに自由操業で水揚げしているが、今年採取対象となるコンブの資源状況は良好だった昨年を下回り、着業者は「生産は大幅に減りそう」と見込む。香深漁協は7月17日に解禁。濱谷厚志さんは「どこもホソメばかり。今年採れるコンブは少なく部分的に繁茂している状況。ハシリは尺忍で採取しコンブはあったが5~6月の日照不足が影響したのか実は薄かった」と振り返る。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)で稚貝採取が始まった。採苗器の付着率は全域的に極めて低く小型のため苦戦を強いられている。漁家ごとに格差もあるが、下のサイズも採らざるを得ない状況。このため陸奥湾から補充する動きも見られる。
東日本大震災で被災した三陸・常磐の水産加工業の販路回復・拡大を後押しする「東北復興水産加工品展示商談会2024」が9月3、4の両日、仙台市青葉区の仙台国際センター展示棟で開かれる。同地域の約130社800アイテムが集結。なじみの前浜ものや水揚げが急増している南方系の魚、フードロス問題解消の観点からも注目の未利用魚などを独自の技で加工した多彩な商品を全国のバイヤーにPRする。
遠洋漁業を営む開洋漁業株式会社(青森県八戸市、河村桂吉社長、電話0178・33・1575)は、キンメダイとムラサキイカ(アカイカ)の消費拡大を目指している。八戸港に船凍品を水揚げしてもキンメは流通範囲が狭く、供給過多の状況。不漁のスルメイカに代わる魚種として需要が高まるムラサキイカとともに味の良さを広く発信し、経営の安定につなげる。