道産コンブの生産低迷や価格高騰、だし昆布を中心とした家庭需要の減退など、消費地を取り巻く環境が一層厳しさを増している。資材・エネルギー費などの上昇も相まって、加工メーカーは各種商品の値上げのほか輸入昆布も取り入れるなど苦慮。従前とは様変わりした現状に、昆布業者は「もはや危惧を通り越して危機的状況」と心情を表す。
余市郡漁協のニシン刺網漁は2月半ばをピークに下火傾向。道の集計(速報値)によると、1月から3月10日までの漁獲量は前年最終より2トン少ない117トン、2月10日以降の1カ月間で34トンを漁獲し、比較的好漁だった23年や24年の最終の半分程度にとどまる。一方、3月の浜値はメスの高値でキロ700円を付けるなど序盤から薄漁高値が続いている。
羅臼漁協の太進水産株式会社(太田昌之代表)が試験的に取り組むカキ養殖は、一昨年搬入した種の生残率が高く順調に成長、今夏の初出荷を予定している。一方、半成貝から育てたカキは一昨年から同漁協直営店「海鮮工房」で試験販売し身入りの良さなどから好評を博している。
砂原漁協のカレイ刺網は、3月序盤にシケが増え出漁機会は減ったものの、出漁時はアカガレイが昨年より多く、水揚量は良好だ。一方、浜値は昨年より堅調だが、大はキロ300円台と安値基調。着業者は伸び悩んでいるソウハチの増産にも期待している。
岡山県瀬戸内市の邑久町漁協(松本正樹組合長)による持続可能なカキ養殖の取り組みが注目を集めている。同漁協の漁場が環境省の「自然共生サイト」に国内最大級の海域エリアとして認定されたほか、都内では消費者向けの料理教室やフェアを積極的に展開。豊かな自然環境の保全と安定的な消費拡大を両輪として機能させ、産地ブランドの確固たる価値向上を推し進めている。邑久町漁協が管轄する区画漁業権全域が17日、環境省の「自然共生サイト」に認定された。登録名称は「瀬戸内市邑久町 カキの恵みと未来の海の維持・保全計画」。海域としては国内最大級の認定規模で、31日には同省と瀬戸内市長が出席して授与式が行われる。
国産魚促進・水産加工機械資材協議会(研究会)がこのほど開催した総会(9日付6面既報)で、農林水産省農林水産政策研究所の久保田純客員研究員が、設備投資の促進を観点とした水産加工業の生産性向上をテーマに講演した。「水産加工業と水産加工機械メーカーともに経営面の改善が必要」と指摘し、加工業者に対しては機械の購入資金の支援、機器メーカーには構造転換などへの支援が必要と訴えた。
「スーパーマーケット・トレードショー」(2月、幕張メッセ)と併催した「デリカテッセン・トレードショー」で、主催者企画「お弁当・お惣菜大賞2026」の丼部門では、首都圏を中心に展開するスーパー「サミット」が販売する「店内焼上げ穴子重」=写真=が最優秀賞に輝いた。「表面はカリッとしながら、身はふっくらとして初めての食感だった」と感動を覚えたうな重に近づけようと開発に着手。特に焼き工程に注力し、試行錯誤の末に商品化につなげた。
漁業者やエンジニアリング会社、航空会社、流通・販売会社など業界の垣根を越えて連携する「高鮮度輸送プロジェクト」が始動した。獲れたての産地の魅力を国内の遠隔地や海外に届けるとともに、品質に見合う適正な価格で取引される流通網の確立を目指す。「漁業者の努力が報われてほしい」との思いで立ち上がったプロジェクト。沖縄のモデルケースを検証して実装につなげ、将来的には他産地への横展開も視野に入れる。プロジェクトには沖縄県の国頭漁協、高砂熱学工業株式会社、株式会社フーディソン、日本航空株式会社、YKK株式会社、沖縄県漁連、公益財団法人函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)の7者が参加。国頭漁協で獲れた鮮魚を、独自の冷却技術と新こん包材を活用した航空輸送を組み合わせ、魚の鮮度を科学的に評価する「K値」の考えに基づいて提供する。
道水産林務部は、2026年度のさけ・ます人工ふ化放流計画を策定し、19日に開かれた道連合海区に諮問、承認された。サケの稚魚放流数は道計画が前年度比3109万尾減の7億6432万尾。水産研究・教育機構水産資源研究所(水資研)の計画分を合わせた総放流数は8億9332万尾。海区別で日本海410万尾、えりも以東2604万尾、えりも以西95万尾のそれぞれ減少。近年の採卵実績などを踏まえた見直しで、日本海、十勝釧路、胆振の3増協分の減。
羅臼漁協のウニたも漁は3月半ばから下側に漁場を移して操業している。身入りは場所によってばらつきがあり、着業者は今後の本格化に期待を寄せる。浜値は殻付き出荷が同月中旬にキロ7千円台まで上昇した。