道日本海沿岸漁業振興会議(運営委員長・大石康雄船泊漁協組合長)と道漁連(阿部国雄会長)は8、9の両日、道・道議会、水産庁、道選出国会議員に対し、国がTAC化を検討しているホッケ、マダラなどに対する漁業実態に即した資源管理の実施、トドなど海獣被害対策の強化、流木・漂着ごみの迅速な撤去体制の構築、洋上風力発電事業に伴う水産資源への影響調査の実施など4項目を要請した。
渡島噴火湾(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝出荷が最盛期に突入した。9日時点で長万部、落部、鹿部は日産200トン以上、八雲町は100トン前後の水揚げ。貝毒の影響で自主規制中の森、砂原は出荷制限がかかり各100トン前後に抑えている。全域で小型傾向のため重量が伸びず、へい死が進んだ浜も見られる状況。水揚量は徐々に増加するが、今季は減産見通しで高値キロ400円前後と強含みの展開だ。
散布漁協の養殖ウニは今季浜値がキロ9千円まで高騰。数量もへい死が発生した前年に比べ増産、2月末現在の金額を2倍に伸ばし出荷終盤を迎えている。2月末現在でキロ平均単価は前年同期比51%高の7404円。数量も同35%増の22.2トンとなり、金額は同2倍の1億6437万円となった。
北海道日本海沿岸のニシン刺網漁は2月以降、各浜で増産傾向となり、約5300トンまで伸ばした昨季を上回るペースで推移している。主産地・石狩湾漁協は浜益地区がハシリから好漁。厚田、石狩両地区も前年同期を超え、今季も5千トン確保が視野に入る。一方、数の子原料のメスは加工筋が昨年産の製品在庫を抱え、やや浜値が下落。ただ、円安傾向や船賃の上昇など海外産の搬入リスクから道産シフトが進んで来季以降も需要が底堅いとの見通しが浸透している。
まひ性貝毒の検出に伴い長期化していた宮城県産アカガイの出荷制限が解除され、名取市の閖上漁港で1日、約2カ月半ぶりに水揚げがあった。水揚量は445キロで、アカガイ漁師の出雲浩行県漁協仙南支所(閖上)運営委員長は「身入りや色が良く上質。再開初日としてはまずまず」と安堵(あんど)の表情を浮かべ、巻き返しを誓った。入札の結果、1キロ当たりの最高値は5610円、平均3458円の高値が付いた。産卵期前の6月末まで漁は続く。月に12~13日程度の出漁を計画し、1日当たりの水揚げ目標を500キロに設定する。
磯焼けの原因とされ、駆除対象となるキタムラサキウニに廃棄されるパプリカの葉を与えると、しっかりと身が付き、天然物と遜色ない品質になる―。そんな蓄養(養殖)技術を宮城大食産業学群の片山亜優准教授(水産学)らの研究チームが開発した。健康の維持・増進に役立つ機能性成分が付加され、塩蔵ワカメを餌にしたウニより色や味が良くなることも発見。低コストで採算が取れる陸上養殖の実現にまた一歩近づいた。早期の事業化を目指す。
東京都・豊洲市場の活じめアイナメ消流は卸値がキロ2千円前後まで上昇している。活魚が高騰しているのに加えて、シケ絡みで品薄になっているため供給量がタイト。仲卸業者は「大相場が高過ぎる。生食で提供する飲食店からの注文で仕入れているだけ。加熱商材で出す店に納品するのは難しい」と価格変動を注視している。
漬け物やそばの具材などに利用される伝統食品の身欠きニシン。特に日本海・後志管内では水産加工の主力商品の一つだが、近年消費が低迷し、生産量や製造業者も減少している。道総研中央水産試験場は需要拡大に向け、風味改良技術を研究。製造中に増加し、風味に関与する有用菌を特定、人為的に添加することで風味を向上させる製造法を開発した。
マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)協議会(垣添直也会長)と責任ある漁業管理(RFM)認証プログラムのスキームオーナーであるサーティファイド・シーフード・コラボレーティブ(CSC、マーク・フィーナ理事長)は2月28日、東京都内で会見を開き、流通加工段階(CoC)認証規格や審査制度などの相互承認に関する提携に向けた協働作業を進めることを正式に合意したと発表した。両者の協働で、日本発の水産エコラベルであるMEL認証の水産品の北米での販売機会拡大やMELそのものの信頼性アップなどさまざまな有用性に期待が高まる。
北海道漁業就業支援協議会(事務局・道水産会)と道水産林務部は2月25日、札幌市のホテルライフォート札幌で「北海道漁業就業支援フェア」を開いた。漁業会社37業者が参加し、札幌をはじめ兵庫県など道内外から来場した漁業就業志願者15人、オンライン参加4人と面談。その結果、来場15人、オンライン参加1人の計16人を研修候補者に指名した。