サロマ湖3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)の稚貝本分散が9月上旬に始まった。採苗は外海・湖内ともに振るわず、仮分散で確保している稚貝を融通し合いながら、必要量の確保に向け慎重に進めている。
北海道の秋サケ定置網漁は全漁場が操業を開始し、今週から盛漁期に向かって日量の伸長が期待される。いくらなど昨年産の在庫薄、海外産の高値相場などに平成以降最低となる来遊予測が加わって浜値は上昇が想定されていたが、実際に出足の水揚げが極度に少なく、オス、メスとも高位置発進。今季は売り場堅守への適正価格の形成などが焦点。サンマなど他魚種も併せて漁獲動向にも商戦の行方がかかっている。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)で、確保した稚貝がへい死し深刻な状況に陥っている。採苗器からの採取、その後の仮分散以降、成長不足や雑物の付着も目立ち、へい死が急速に進行した。地域差はあるものの、生存している割合は現時点で通常時の1割に満たない漁家も少なくない。来春の耳づりは大幅な減少が見込まれる。
東しゃこたん漁協のホッケ刺網漁は昨年同時期の1箱(約5キロ積め発泡)17尾入れよりも良型の14尾入れを主体に水揚げし、浜値は6月ごろから箱とバラともに高値で推移している。着業者は「ここ数年で一番いい」と漁況を話す。
2023年の漁業センサス(速報値)によると、海面漁業の就業者数は前回18年の調査と比べて青森県が18.3%(1540人)減の6855人、岩手県が21.1%(1337人)減の4990人、宮城県が15.8%(982人)減の5242人で、3県とも比較可能な1963年以降で最も少なかった。年代別では65歳以上が全体の4割を占めた。個人で営む経営体が多く、高齢化や後継者不足による減少は今後も続くとみられる。
宮城県塩竈市の市魚市場で12日、メバチマグロの地域ブランド「三陸塩竈ひがしもの」の初競りが行われた。地元の目利きの買受人が脂乗りなどに優れる大型生メバチを厳選。80本が認定され、キロ6千円で取引される個体もあった。刺身やすし種として需要は年々増加。12月まで旬の味として仙台市や東京・豊洲などの市場に出荷される。ひがしものは、マグロ延縄船が9~12月に三陸沖で漁獲し、市魚市場に水揚げした40キロ以上の生メバチの中から、23の認定業者が鮮度や色つや、脂乗り、うま味を基準に厳選したものの称号。市水産振興協議会が2006年に商標を登録した。
東京都・豊洲市場のサンマ消流は商戦スタート時の勢いが失速してきている。組成の小型化で商品価値が低下。仲卸業者は「9月中旬から2キロ箱18尾などが増え、14尾より大きいものは入ってこない」と、販売戦略を再検討している。9日時点の入荷はやや大型に分類される2キロ箱15尾の卸値がキロ3千円。同商材を仕入れている仲卸は「当初の2800~2700円のものが上昇した。15尾は当社では飲食店向けだが、量販店向けの4キロ箱や2キロ箱16~18尾も相場が上がっている。今期は例年と違って、最初はまとまった数量で入荷して安かったが、最近は上げ相場」と話す。
株式会社シーフードレガシーと『日経ESG』(株式会社日経BP発行)は10月8~10日、「東京サステナブルシーフード・サミット2024」(TSSS2024)を東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催する。「サステナブルシーフードを水産流通の主流に」をテーマに、持続可能な水産業を実現するための道筋を考える。公式サイトでは、参加者の事前申し込みを受け付けている。
農林水産省がこのほど公表した「2023年漁業センサス」では、全国の海面漁業の漁業経営体数は、前回調査(18年)比17.0%減の6万5652経営体(23年11月1日時点)。このうち海面養殖業を営む漁業経営体数は12.8%減の1万2164経営体で、漁業経営体全体よりも減少幅が小さくなった。今回の調査では新たに海外向けの出荷(輸出)金額の割合や水産エコラベル認証の取得状況、漁業共済への加入状況についても調査し、その結果を明らかにした。
日高中央漁協浦河地区では第十八高漁丸と第三十一髙徳丸の2隻が刺網でキンキン(キチジ)を水揚げ。高漁丸の髙田敬太さんは「例年では今時期が最盛期」と話し、好漁に期待を寄せる。