根室管内5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)が操業する野付尾岱沼共同海区の2025年計画量は、前年実績比19%減1万1700トンを見込んでいる。5海域とも前年を下回る計画だが、主力の29号巽沖造成は微減でほぼ前年並みの見通し。海域別計画量は、29号巽沖造成(16隻)が5500トン(前年実績比3%減)、29号外海造成(11隻)2800トン(同29%減)、外海天然造成(12隻)1400トン(同39%減)、外海ウニ造成(6隻)千トン(同8%減)、野付単有(9隻)千トン(同23%減)。昨年は5月まで操業したが、今年は1カ月短縮し4月末の終漁予定。12月操業は変わらない。
えりも漁協のウニ(バフン)が4シーズンぶりに水揚げされた。2021年秋に発生した赤潮で大量死し資源が低迷、翌年以降稚ウニの放流などに努めてきた。調査の結果、まだ本来の資源状況には至っていないものの漁を再開できる程度まで回復したと判断。これまでに東洋、本町、岬の3地区が水揚げ。高値相場を形成した。
北海道のマダラ漁は鍋食材などで需要が増す昨年秋以降、日本海、太平洋の漁況が近年の好漁に比べ盛り上がりに欠け、三陸も絡んだ加工原料需要が価格を押し上げている。年明けは日本海などの水揚げが伸びてきて沈静化の様相も呈している一方、主要加工地・根室など道東に影響を及ぼす日ロ地先交渉の難航など高止まりの要素も抱えている。
海外の食品加工機械を輸入販売する東亜交易株式会社(東京都杉並区)は、精細な皮むき作業を可能にした全自動スキンナーの販売を始めた。これまでの全自動式では困難だった魚類にも対応し、手作業に近い皮むき品質に仕上げられる。皮のみ除く薄めだけでなく、レバー操作だけで厚めにむくことも調整できるため、血合いの除去にも活用できる。ドイツ・マーヤ社の「ESB4434 WF(ホワイトフィッシュ)」はコンベヤー式のスキンナーで、投入原料を感知して刃物を動かすセンサーの搭載により、自動で皮むき作業を行う。
千葉県立銚子商業高校3年の生徒7人が海洋プラスチックごみ問題に着目し、これをリサイクルした原料でオリジナルTシャツを製作した。地元の漁業資材会社・森幸漁網株式会社と廃漁網を活用した生地などの開発を行うモリトアパレル株式会社の協力を得てデザインなどを手掛けた。クラウドファンディングの「C‐VALUE」(ちばぎん商店株式会社運営)で返礼品として展開。1月16日時点で目標寄付金額の80%に到達している。
岩手県の宮古市魚市場でマダラの水揚げが好転の兆しを見せている。今季を月別に見ると11月は79トン、12月は99トンだったが、年明け1月は14日までの2週間で114トン(県水産技術センター水産情報配信システム調べ)と上昇気流が吹く。「宮古の真鱈」としてブランド認知される旬の味覚を地域を挙げてアピールするグルメフェアも展開。漁の最盛期を後押しする。
函館市水産物地方卸売市場の生鮮スルメイカの取り扱いは、昨年6~12月の累計数量が374トンとなり、前年実績(6~1月)を2割弱上回った。11月が近年の中では好漁に恵まれ累計数量を押し上げた。漁期終盤の1月も外来船中心に前浜(津軽海峡)で漁がまとまり、上積みが期待される。
いぶり噴火湾漁協有珠支所の中野龍一さん・智子さん夫妻は、着業する採介藻について「今年も成長している場所がほとんどない」と話し、マツモやフノリなどの着生範囲が年々縮小している現状に危機感を抱いている。一方、龍一さんは昨年の3月末以降ワカメが多かったことに触れ「今年も同じ状況になってほしい」と期待を寄せている。
北海道漁業士会(大橋丈晴会長=別海漁協)は15日、札幌市の第2水産ビルで研修大会を開いた。全道各地から約120人が参加。漁村活性化、食育・担い手育成活動、行政・漁協系統との連携強化などを柱とする2025年度事業方針を決めたほか、3地区の活動報告や気候変動に関する講演を通し、研さん・交流を深めた。
戸井漁協東戸井地区でミツイシ養殖を営む芳賀浩平さんは、施設の雑海藻駆除でエアーコンプレッサー(空気圧縮機)の導入を検討している。従来使用していた高圧洗浄機に比べて手軽に使え、作業負担をより軽減できることが利点と考える。