道南太平洋のスケソ刺網漁は10月1日に解禁したが、胆振管内の主産地・いぶり中央漁協は薄漁に加えて、シケで網揚げを余儀なくされるなど操業回数も伸び悩み。ハシリから水深400メートル前後で操業する着業者は「群れは薄く、シケがあるとなおさら厳しい」と序盤の漁模様を示す。一方、浜値は昨年同様に薄漁高値の滑り出し。地元加工業者は「最近は卵成熟が早期傾向。真子の時期も集中している」と、今後の漁況を注視している。
東京都・豊洲市場の北海道産活じめブリ消流は11月に入って卸値が10月下旬に比べて倍に急騰し、一時的に荷動きが減速している。大口の量販店などが取り扱い意欲が消極化。飲食店が1尾単位で仕入れる程度になっている。4日時点の相場は古平産(9キロ以上)がキロ1300~1200円、羅臼産が1800円など産地で異なるが、総体的には高値で推移。仲卸は「10月下旬まで600~500円で仕入れていたのものがシケ絡みで値上りした。量販に供給するにはせめて千円以下に抑えたいところ。今後の水揚げ安定化に期待する」と話す。
水産庁は5日開いた水産政策審議会で、スルメイカの年間漁獲枠を1800トン拡大する案を示し、了承された。今期の好漁を受け、現行の2万5800トンから2万7600トンに引き上げる。今月から操業停止命令を出した小型船も増枠するものの、増枠後も漁獲量が上回っているため、停止は継続される。ただ、今後漁業種間での融通などで調整されれば停止解除に含みも持たせている。
イオンリテール株式会社は7~9日、全漁連と協働して漁連・漁協らの選定による地元漁師自慢の魚「プライドフィッシュ」を販促するフェアを「イオン」「イオンスタイル」など380店で開催した。食育イベントと連動した愛媛県産のプライドフィッシュや、季節、地域ならではの魚種をそろえたほか、未利用魚を活用した新商品を販売。官民協働の魚食普及プロジェクト「いいさかなの日」とも連動させ、国内の水産物消費拡大に取り組んだ。
全国漁青連(阿部誠二会長)の「北海道・東北・茨城ブロック会議」が1日、札幌市の第2水産ビルで開かれた。全国を4つのブロックに分けて開催しており、今回で21回目。北海道での開催は2017年以来8年ぶり。道漁青連役員をはじめ青森・岩手・宮城・福島・茨城各県の会長・事務局、来賓など33人が出席。活動報告・全体懇談などを通し、青年部活動の活性化に向けた研さん、交流を深めた。
札幌市の合同会社ソーシャルワーク(阿部慎太郎・小藪哲郎代表社員)は2024年8月に水産加工品の製造販売「海鮮工房 鮮寿」(電話011・590・4191)を開業し、干物を主体に両代表社員の地元・根室産魚介類を売り込んでいる。今年は南区藤野の直売店を移転拡充。新たに催事販売にも乗り出し、業容伸長を目指している。
株式会社ニッスイ(東京都、田中輝代表取締役社長執行役員)と陸前髙田市(佐々木拓市長)は10月31日、市役所で会見を開き、同社と広田湾漁協(砂田光保組合長)が2023年から試験的に取り組んでいたサーモン海面養殖の事業化移行を発表した。種苗生産も行い、段階的に直径50メートル円形いけす5基を設置、30年までに約2500トンの生産を目指す。先行する大槌町、今月から試験養殖に着手する大船渡市を合わせ、同社は5年後、岩手県内で約7千トンの生産を視野に入れる。
宮城県の石巻魚市場がマサバの水揚げで活気づいている。10月24日、巻網船によるまとまった数量の水揚げを受け、組成や脂乗りから同市場は昨年に比べ6日、一昨年より約2カ月早く認定ブランド「金華サバ」のシーズン到来を宣言。6日には宣言以降で最多となる10隻が入港し計307トンを水揚げ、1キロ当たり470~350円で取引された。前年並みとの不漁予報もある中、関係者らは好漁に期待を寄せる。
終盤を迎え、6日で1万4千トン台の大不漁に見舞われている北海道の秋サケ。メスの浜値は大手加工業者を主体にいくら製品の原料手当てで空前のキロ4千円超まで上昇し、生筋子相場は異次元のキロ2万円台半ばまで高騰した。量販店は大半が品ぞろえレベルの売り場構成に終始。札幌市中央卸売市場の取扱数量は例を見ない低水準に落ち込んでいる。
釧路3単協(釧路市、釧路市東部、昆布森)のシシャモ漁は、初日の10月30日に約2.4トンを水揚げするなど昨年を上回る出足となった。釧路市漁協の関川正元釧路ししゃもこぎ網漁業部会長(由栄丸)は「この後も獲れてくれれば」と期待する一方、「今年はシケが多いのが気がかり」と心配。浜値は強含みで、操業3日目にはキロ4千円台まで上昇した。