オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は過去最高値の昨年が天井の様相で浜値が滑り出している。特に大きいサイズの方が軟調。資源量の減少から今季の漁獲量が全体で前年比302トン減の453トンと史上最低下、昨年産の在庫残存などの影響で冷凍相場の下押しが取りざたされ、漁業者は価格動向を注視。沖合の流氷が去って本格操業後の漁況、チルドの消流動向などが焦点となる。
砂原漁協のカレイ刺網は、3月序盤にシケが増え出漁機会は減ったものの、出漁時はアカガレイが昨年より多く、水揚量は良好だ。一方、浜値は昨年より堅調だが、大はキロ300円台と安値基調。着業者は伸び悩んでいるソウハチの増産にも期待している。
岡山県瀬戸内市の邑久町漁協(松本正樹組合長)による持続可能なカキ養殖の取り組みが注目を集めている。同漁協の漁場が環境省の「自然共生サイト」に国内最大級の海域エリアとして認定されたほか、都内では消費者向けの料理教室やフェアを積極的に展開。豊かな自然環境の保全と安定的な消費拡大を両輪として機能させ、産地ブランドの確固たる価値向上を推し進めている。邑久町漁協が管轄する区画漁業権全域が17日、環境省の「自然共生サイト」に認定された。登録名称は「瀬戸内市邑久町 カキの恵みと未来の海の維持・保全計画」。海域としては国内最大級の認定規模で、31日には同省と瀬戸内市長が出席して授与式が行われる。
国産魚促進・水産加工機械資材協議会(研究会)がこのほど開催した総会(9日付6面既報)で、農林水産省農林水産政策研究所の久保田純客員研究員が、設備投資の促進を観点とした水産加工業の生産性向上をテーマに講演した。「水産加工業と水産加工機械メーカーともに経営面の改善が必要」と指摘し、加工業者に対しては機械の購入資金の支援、機器メーカーには構造転換などへの支援が必要と訴えた。
「スーパーマーケット・トレードショー」(2月、幕張メッセ)と併催した「デリカテッセン・トレードショー」で、主催者企画「お弁当・お惣菜大賞2026」の丼部門では、首都圏を中心に展開するスーパー「サミット」が販売する「店内焼上げ穴子重」=写真=が最優秀賞に輝いた。「表面はカリッとしながら、身はふっくらとして初めての食感だった」と感動を覚えたうな重に近づけようと開発に着手。特に焼き工程に注力し、試行錯誤の末に商品化につなげた。
青森県立八戸水産高校(畑井和人校長、八戸市)はこのほど、養殖試験に取り組むアイナメが目標の出荷サイズに到達し、市内の飲食店に初提供した。アイナメのブランド化を図る同県階上町と連携した取り組み。3年かけ魚体30センチほどに育てた3尾をサンプルとして提供、食味や品質などの評価をもらい今後の研究に役立てる。同校や町によると、アイナメの養殖生産は全国的に珍しく、事業化が実現すれば新たな地域名産になり得ると期待する。
昨年2月の山林火災で約5億円の損害に見舞われた岩手県大船渡市の陸上養殖アワビ生産、元正榮北日本水産株式会社(古川季宏社長、電話0192・42・3056)。被災から1年、事業復興に向け多様な取り組みに挑んでいる。培った養殖ノウハウの知見提供もそのひとつで、同社の稚貝が縁をつなぐ形で北海道・福島町の養殖事業にも協力。同社は「リスク分散として将来的に北海道にも生産拠点を築ければ」と可能性を探っている。1982年創業、「三陸翡翠(ひすい)あわび」のブランド名でエゾアワビを養殖する同社。綾里湾から地下海水を取水、海藻を配合した飼料で育てるアワビの殻は名前通りエメラルドグリーンの輝きを放つ。種苗生産から成貝出荷まで一貫する陸上養殖技術を持ち、2年半~4年ものの食用成貝販売のほか養殖用の種苗(稚貝)販売も行う。
厚岸漁協(蔵谷繁喜組合長)が衛生管理型の厚岸地方卸売市場隣接地に建設を進めていた加工処理施設=写真=が竣工した。従来点在していた1次加工、2次加工、貝類蓄養などの機能を集約し一元化。厚岸産水産物を水揚げから加工・出荷まで一貫して取り扱うことで、より衛生的、迅速に処理、供給できる体制を整備した。高鮮度製品の拡販に弾みを付け、漁家や組合の経営安定、地域水産業の振興につなげていく。
オホーツク海沿岸に接岸した流氷が3月下旬時点でも離れず、南部の漁場造成が滞っている。湧別、共同海区の常呂・佐呂間が27日にようやく開始。網走は同日現在、休止が続いている。一方、北部は影響なく6日の枝幸を皮切りに始まっており、稚貝放流も順調にスタートしている。
道産コンブの生産低迷や価格高騰、だし昆布を中心とした家庭需要の減退など、消費地を取り巻く環境が一層厳しさを増している。資材・エネルギー費などの上昇も相まって、加工メーカーは各種商品の値上げのほか輸入昆布も取り入れるなど苦慮。従前とは様変わりした現状に、昆布業者は「もはや危惧を通り越して危機的状況」と心情を表す。