2023年度の宮城県産乾のり「みちのく寒流のり」の販売枚数は2億8110万枚(前季比17%減)で、1枚当たりの平均単価は過去最高の22円56銭(同39%高)だった。九州・有明海産の不作が続いてメーカーや商社の在庫が不足する中、シーズンを通して高い品質を維持した宮城県産が高値で取引された。高水温や大シケの影響で減産となったものの、販売額は63億4083万円(同15%増)と東日本大震災以降の最高を更新した。
ニッスイグループの弓ヶ浜水産株式会社(鳥取県境港市、竹下朗社長)は15日、岩手県大槌町で養殖サーモンの水揚げを開始した。全量活じめ出荷が大槌産の特徴。鮮度保持や品質管理が徹底され、張りのある身と上品な脂乗りは生食に向いている。秋サケの不漁が続く中、養殖物でサケの町の再興を担いたいと事業化して3季目。6月中旬までにギンザケとトラウトサーモン(ニジマス)計600トンの生産を計画する。
斜里第一、ウトロ両漁協の毛ガニ漁は、斜里第一漁協が14日で許容漁獲量を消化し、増産増額で終漁した。ウトロ漁協は6月前半の許容漁獲量達成を目指している。オホーツク管内は今期、解禁日を3月15日に統一し、昨期に引き継き、資源保護の観点で堅ガニのみの漁獲に設定。2隻操業の斜里第一漁協は流氷の影響で昨年同時期の4月5日に水揚げ開始。許容量は当初の9.31トンから4月25日付で2トンを返還し、7.31トンで切り上げた。
東京都・豊洲市場で宮城県産のショウサイフグの入荷が増えている。従来は関東、北陸、山陰、九州など西日本寄りの産地が一般的だったが近年は東北での水揚げが増加。同市場でも手ごろな価格帯のフグ商材として販路を開拓。フグ専門の仲卸業者は「冷凍の身欠きは常に切らさないよう在庫している。需要がピークになる12月は在庫がなくなることもある」と強調する。
岩手県滝沢市の炎重工株式会社(古澤洋将社長、電話019・618・3408)は水上調査ドローンを販売している。さまざまなセンサーを搭載でき、水質の定点調査や海底地形の測量に活用できる。「自動航行」の設定で作業の自動化も可能。谷崎敦CSOは「用途によって顧客の要望に応じたセンサーを取り付けられるのも特長」と話す。
今期創業65年目を迎える連続式急速凍結装置(トンネルフリーザー)のパイオニアメーカー・タカハシガリレイ株式会社(大阪市西淀川区、鳴田友和社長)は、玉冷主体にホタテ専用トンネルフリーザーの開発を進めている。従来機の優れた洗浄性を維持しながら、消費電力やイニシャルコストを低減。併せてホタテ本来の品質を追求する。専用新機種を通し、東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出に伴う中国の日本産水産物輸入停止措置などの影響打開に取り組むホタテ加工業界の進展に貢献を目指す。
斜里第一、ウトロ両漁協の春定置は5月の連休明けから水揚げが本格化した。サクラマス、トキサケともシケなど休漁明けたまり分の単日ながら斜里前浜側で大獲れの漁場が出て、活気付く滑り出し。特にトキサケは不振だった昨年よりは数量が見え、魚体の大型化と併せて今後の伸びに期待がかかっている。
ホタテ玉冷の2024年度消流は、円安水準の為替相場を背景に北米や東南アジアなど輸出がけん引する形で新シーズンを迎えた。昨年後半に3Sの産地価格がキロ2千円台中盤まで下がり国内外需要が伸長。このため3月の期末在庫は払底し2800円程度まで戻す「ない物高」の展開となっている。荷受や商社筋は「これ以上の製品高は国内消費にブレーキがかかる」と危機感を強めており、拡大した内販需要の確保に向け冷静な相場形成を期待している。
4月に始まった青森県陸奥湾の半成貝出荷は、5月中旬からようやく本格化する。昨年の高水温に伴う分散後のへい死が増加したことに加え、収容しているパールネットにユウレイボヤが大量付着したため半成貝の成長不足が散見。4月末水揚量は前年同期比65%減の1760トンと苦戦を強いられている。
道昆布事業協同組合(山本哲治理事長)はこのほど、小冊子『昆布のチカラ』を作成した。15頁で生態や歴史、種類、健康効果、レシピなどをマンガ形式で紹介する内容。組合員が行う食育授業やイベントなどでの活用を想定している。消流拡大対策事業の一環。道産昆布の普及啓発を目的に、将来の需要を見据えて小中学生を中心とした食育用の副読本として約7千部作成。組合員や関係先などに配布した。