白糠漁協のタコ縄漁が5月23日に終漁した。ヤナギダコ主体に水揚げ。前年に比べ着業船が1隻少ないこともあり、累計数量は前年同期を4割下回ったものの、単価が5割高に高騰、金額の減少幅を1割弱にとどめた。
船舶機器の販売や修理を行う東京都の株式会社エヌワイ(吉川伸也社長)は、船舶や陸上施設の配管などを補修できる製品を詰め合わせた船の救急箱「シップエイド」を販売している。沖で配管などに急に亀裂や穴開きが生じて排気ガス漏れ、水漏れ、油漏れなど多様なトラブルが起きても誰でも簡単に素早く応急処置ができるのが特長。既に販路を持つ貨物船やフェリーなど大型船から評価を得ている。
枝幸漁協のミズダコ漁がいさり樽流しを中心に好調だ。5月中旬時点の水揚量は苦戦した昨年の4.6倍と大幅に伸長。サイズは4~12キロの中主体。好漁した2020年ほどではないものの、多い着業者は日量500~600キロを揚げており上々のスタートを切っている。一方浜値は輸入ダコ減少などが影響し、キロ900円前後と強含みの展開を見せている。
海水温の上昇など海洋環境の変化を受け、スルメイカなど天然回遊魚の水揚げが伸び悩む北海道日本海沿岸。安定的で持続的な漁業生産体制の構築を目指し、トラウトサーモン(ニジマス)養殖を推進する動きがひやま漁協管内を中心に活発化している。現状は自治体と漁業者が連携し、試験段階で実施しているが、水揚げ3期目を迎えた八雲町熊石では生産実績を積み重ね、事業化も視野に入れている。さらにせたな町大成区では初水揚げ。生産性や採算性などクリアしなくてはならない課題を抱えているが、道産養殖サーモンのブランド確立による苦境打開への挑戦が拡大している。
噴火湾7単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部・いぶり噴火湾漁協)で水揚げした今季の加工貝は、終盤となった5月中旬時点で前年同期比18%増の5万5660トンとなった。砂原を除く6単協が増産し、長万部、落部の2単協は1万2千トン台と1万トンの大台を超えている。中国向け冷凍両貝需要が強く、浜値はキロ300円台後半まで上昇。高値は400円台を付ける場面も見られた。長万部は7月ごろまで続く見通し。
加工流通業者や小売店などでつくる大阪昆布商工業協同組合(池上時治郎理事長)は、小学校などで行う食育授業を継続して10年。だしの飲み比べや調理実習などを通し、昆布の普及宣伝と家庭での利用促進に力を入れている。コロナ禍でも感染対策を徹底、地道に昆布文化の魅力発信に努めている。
日高管内の春定置は連休明けから水揚げが本格化し、地区間で差はあるものの、総体では本マス(サクラマス)が昨年並みに順調だ。今季はマスノスケが小ぶり主体ながら例年になく乗網。トキサケも不振だった昨年に比べ良好な滑り出しを見せている。
青森市漁協が取り組んだ東京・豊洲市場への神経じめ、活出荷は、魚種や時期によって需要が異なるものの、コロナ禍の魚価安打開を目指す販路拡大としての成果は一定程度得られた。担当職員は「採算性を見極めながら知名度の定着に向け今後も継続したい」と話している。
首都圏を中心に鮮魚専門店を展開する東信水産株式会社は、自社生鮮加工(プロセス)センターの「東信館」に株式会社テクニカンの液体急速凍結機「凍眠」を導入し、冷凍刺身や冷凍すしを開発した。高品質な冷凍加工を施すことで、家庭での解凍後も冷蔵品と遜色のない仕上がりで再現することに成功した。生鮮品では難しかった全国配送も可能となり、自社店舗ではなく、主に外販向けに売り出していく。
後志以北の日本海沿岸ニシンは、道の集計によると、5月10日現在で前年同期比60%増の5157トンを記録し、1996年に種苗放流事業を開始して以降初めて5千トンを突破した。4月以降は留萌管内の漁獲量がけん引している。