散布漁協のアサリの浜値が高騰している。12~1月に操業した機械掘りではキロ900円台~800円中心に推移。2月中旬に始まった手掘りも同900円強に付いた。4~1月のアサリの数量は前年同期比1%減の46.9トン。ただキロ平均単価が32%高の824円に上昇、金額は31%増の3866万円に伸ばしている。
いぶり噴火湾漁協有珠支所のナマコけた引が始まった。初日の1日は、うねりが残り1隻平均40キロ前後、全船で700キロの水揚げ。シケ休み後の3日も荒天となり途中帰港となった。昨年並みかやや低調にスタートしている。
古宇郡漁協神恵内地区の山森漁業部(山森淳代表)は、2月25日に加工製品などを販売するオンラインショップを開設した。サイトではコロナ禍での魚価安を乗り越えようと、漁業の6次化に挑戦した思いなどを披露。淳代表の息子、昴さんと美紀さん夫妻がそれぞれの役割で奮闘しながら、神恵内での新たな漁業スタイルの確立に向けた一歩を刻んだ。
東京・豊洲市場の真ツブ消流は国内の引き合いが低迷している。赤潮が発生した北海道太平洋沿岸の水揚げが伸びず、入荷量が乏しく、高値基調が続いているのが影響。コロナ禍が長引き、仲卸業者らは「飲食店からの当日注文は少ない。ヒモ付きでなければ売れない」と異口同音。一方で、上級グレードの荷動きは富裕層が多い香港などアジアへの輸出に傾斜している。
神奈川県三浦市三崎の鮮魚卸・活々水産合同会社(電話046・854・8008)は、前浜産を仕入れた当日に東京都内の飲食店へ配達する「朝どれ鮮魚」に力を入れている。大庭剛社長が三崎市場で一尾一尾精査。欠品のリスクや手間を惜しまず、商材の価値を最大限に引き出す販売に臨んでいる。
ロシアのウクライナ侵攻への日米欧の先進7カ国(G7)の経済制裁などで、ロシア産水産物を扱う関係者は影響に懸念を強めている。商社・輸入業者は「直近は大きな影響はない」とする見方も多いが、「先行きは見通せない」と情報収集に追われている。
国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(国際農研)はこのほど、閉鎖循環式屋内型エビ生産システム(ISPS)に関する特許や知見などの成果を活用したコンサルティング事業を行う初のベンチャー企業「合同会社Shrimp Tech JIRCAS」(マーシー・ワイルダー社長)を設立した。稚エビの生産効率を高める技術を追求するとともに、コンサル事業とも合わせ、陸上養殖による国産バナメイエビの安定供給を目指す。
道総研は2022年度から日本海沿岸に存在する身入り不良の未利用ウニに秋から人工餌料を与え、国産ウニが品薄高値となる冬に出荷できる養殖技術の開発に新たに取り組む。研究期間は24年度までの3カ年。開発技術の活用で、日本海の漁業生産額が現行の7億7千万円から11億7千万円へ増加を見込んでいる。
札幌市の株式会社ダイホク(大場啓二社長、電話011・661・0707)は、焼きのり、昆布など乾物、昆布だし調味料などの製造・OEM(相手先ブランド製造)商品の開発を手掛け、海外にも販路を広げている。特に台湾は直接貿易を確立。ホタテ玉冷など輸出仲介業にも乗り出し、今秋には札幌市に台湾のテレビ局と直接商談ができるオンラインブースを開設。道内食品企業の販路拡大を後押ししていく。
岩手大三陸水産研究センター(釜石市)と県水産技術センター(同市)、県内水面水産技術センター(八幡平市)の3者は1日、連携協力協定を締結した。「研究・技術開発」「人材交流・育成」など4分野で連携し、長引く不漁やコロナ禍で疲弊した漁業や加工業の支援につなげていく。具体的な内容は、▽サケ・マス類の海面養殖用種苗生産に向けた研究▽地域性漁業資源の調査・評価▽魚種転換を図る漁業者や加工・流通業者への技術支援▽高速・大容量通信規格「5G」を生かしたスマート漁業に関する情報共有▽研究施設の相互利用―など。協定の有効期間は2025年3月31日までで、その後は毎年更新する。