陸上養殖の産業化を事業としている株式会社さかなファーム(東京都)は10日、運営するサスティナブルシーフードに特化したECサイト「CRAFT FISH(クラフトフィッシュ)」で、 陸上養殖で育てたバナメイエビ「幸えび」の販売を始めた。
「幸えび」は、関西電力株式会社とIMTエンジニアリング株式会社の共同出資で2020年10月設立した「海幸ゆきのや合同会社」が手掛ける陸上養殖による国産バナメイで、これまで一般販売はしていなかった。
一般的なバナメイは輸入物が多く、 国産で陸上養殖で生産されたものは希少性が高い。最先端の設備で生産し、薬品や抗生物質などを使わず、清潔な環境で成育することで、泥臭さや雑味の少ない陸上養殖の利点を生かした品質に仕上げている。
漁業情報サービスセンター(JAFIC)は、商船の運航データを共有し総合的に利用できる会員組織「IoS-OPコンソーシアム」(事務局=株式会社シップデータセンター)に参加し、広範囲の膨大な海水温データを利用することにより、漁海況の現況把握と予測の精度向上を図る取り組みを開始した。漁業サイドで商船データを組織的に活用する異業種連携は初の取り組み。今後、データの分析検討を進めながら、さらなる充実を図る。
函館市釜谷町に製造工場を構える有限会社タカハシ食品(本社・東京都、高橋誠社長、電話042・536・8288)は、北海道産ホッケを皮切りに焼成済みの塩焼きを新たに商品展開している。一つ一つ手間暇をかける製品作りを踏襲。特に臭いや調理の手間を敬遠する首都圏の消費動向を踏まえ、手軽に食べられる本格焼き魚の提供で魚食拡大に臨んでいく。
岩手県宮古市の田老町漁協(小林昭榮組合長)は、海の磯焼けで身入りが悪いウニを間引きして陸上蓄養する実証事業を進めている。昨冬から約3カ月半、照明を当てながら端材ワカメなどを与えたところ、可食部分の生殖巣の割合が7倍に増えた。漁場の環境改善を図りながら、新たな出荷モデルを構築して漁業者の収入アップを目指す。
株式会社波座物産(本社・川崎市多摩区、朝田長兵衛社長、電話044・922・2272)は、宮城県気仙沼市の気仙沼工場前でイカの塩辛の自動販売機を稼働させた。工場で製造する出来たての塩辛の瓶詰が、冷蔵の状態で24時間いつでも購入できる。新型コロナウイルスの感染拡大が続き非接触や非対面サービスへの需要が高まるなか、新たな販売手法として注目を集めそうだ。
照明機器専門メーカー・江東電気株式会社(東京都台東区)は、船舶用のバラストレス水銀灯代替LED「DECKLIGHT」(デッキライト)を開発し、3月末に販売開始した。船舶ノイズに対応し、64ワットの低消費電力で水銀灯750ワット相当の照度を実現、省エネ効果が格段にアップした。設置第1号となる砂原漁協のホタテ養殖漁業者・本島明仁さんは「従来のLEDと比較しても明るさが段違い。低燃費なのに広範囲を照らしてくれる」と声を弾ませる。
ひやま漁協江差地区のベニズワイガニかご漁が順調だ。松田漁業部(松田正躬代表)が唯一着業。日量10トン程度のペースと例年並みの漁模様で推移している。
西網走漁協(清野一幸組合長)の「網走湖産しじみ貝」が農水省の地理的表示(GI)保護制度登録後、最初の水揚げシーズンを迎えた。シジミの北海道最大の生産地・網走湖では徹底した資源管理と鮮度保持を武器に5日から操業を始め、新たなブランド展開をスタート。待望のGI登録を追い風に産地偽装の排除と販路拡大を目指す。
オホーツク海沿岸の漁場造成は、おおむね順調に進み、4月末水揚量は前年並みの3万1400トンとなった。例年より低い歩留まりは7~8%と上昇傾向で、関係者はさらなる向上に期待を寄せる。一方、3単協が今年の本操業海区でも水揚げを開始した。漁場造成と並行している宗谷は日産250~300トン、同じく猿払村は200トン前後、本格操業に移った網走は100トン。他漁協も5月中旬以降順次スタートする。
海藻類加工販売の株式会社ヤマコン(名古屋市、山下秀和社長、電話052・681・9201)はこのほど、各種海藻を使った新商品を発売した。道産昆布4銘柄をブレンドした「万能きざみ昆布」、粘りの強い食材を使った「オクラと3種の海藻ミックス」、減塩タイプのカットわかめとあおさの計4品。いずれもパッケージ裏面にレシピを記載するなどして食べ方を提案する。