えりも漁協冬島地区のタコ箱漁は水揚げが順調な一方、価格が低調だ。特に活は採算が厳しく、年明け以降鮮のみの出荷。ただ、鮮も2月以降、キロ400円割れで推移している。15隻余りが春の一部期間を除き、周年操業。1隻当たり千箱。1はい40箱の25はい。ミズダコ主体にマダコも入箱。第五十二漁栄丸(3.6トン)の杉本賢一さんは水深70~15メートルで操業。9日は7はい揚げて300キロ。「2月下旬には12はいで1.5トン。冬季としては今季は例年よりいい方」と示す。
プラスチック容器メーカーの中央化学(株)は今春、環境に配慮した新素材「タルファー」で仕上げた容器を展開していく。同商品にかかる二酸化炭素の排出量を従来の半分ほどに抑えられるのが特長。初公開した2月に都内で開いた展示商談会では、量販や流通関係者などから注目された。
三陸ワカメの岩手県産初入札が12日、大船渡市の県漁連南部支所で開かれた。ボイル塩蔵23トンが上場、中芯を除いた落札価格は10キロ平均1万1150円。作業の遅れから数はまとまらなかったが、生育は順調という。価格も昨季初回を下回ったものの、先行する宮城産入札の下落の影響は最小限に食い止めた形。上場が一気に増える見込みの次回入札からの価格形成に注目が集まる。
水産加工の(株)川秀(本社・岩手県山田町、川端秀典社長)は、宮古市津軽石大判川地内に新たな冷蔵倉庫を竣工した。二酸化炭素を冷媒に用いたノンフロン型を導入し、マイナス25度で5千トンの保管が可能。大判川冷蔵庫は3棟体制となり、県内における同社の冷蔵保管能力は計1万1千トンと東日本大震災前の水準に回復した。震災から9年。減少しつつある水産資源の回復も目指し、環境に配慮した商品を売りに復興を加速させる。
白糠漁協のタコ縄部会(山田明部会長)は、小型サイズの放流や日量の目安・禁漁区の設定、産卵礁の設置など幅広い資源管理を徹底。近年は資源が増加傾向で1シーズン500~600トン台の安定した水揚げで推移している。
オホーツク海の漁場造成は、沿岸一帯に接岸した流氷の影響で開始が遅れている。2日に予定していた紋別漁協はじめ7日予定の枝幸、雄武漁協もずれ込んだ。15日までに8単協の操業が予定されているが、流氷の動きを見て順次開始となる。本操業を含む今年の計画量は前年実績比2%減の31万1800トン、このうち漁場造成は1万6000トン以上の水揚げとなる見通し。
第65回全国水産加工たべもの展(同運営委員会主催)がこのほど開かれ、加工昆布部門は303品が出品、大賞にあたる農林水産大臣賞に株式会社松前屋(大阪市、松村茂社長)の「焼き昆布 パリポ」が選ばれた。昆布をかつおや椎茸のだしで味付け、ぱりっと香ばしく焼き上げたもので、つまみやお茶請けにお薦めだ。
ひだか漁協(石井善広組合長)は今季、定置網で獲れるブリのブランド戦略を強化する。船上で活じめ機を使用した血抜き処理、魚体温度の測定や脂肪率の計測・表示など鮮度・品質管理体制を追求し、地元・道内のほか、東京・豊洲市場など本州にも流通量が増加。さらに高脂肪率の大型サイズを厳選、トレーサビリティーを導入した「新ブランド」を打ち出し差別化。前浜産ブリの魚価安定を目指す。
白老町のたらこメーカー・株式会社スイコウ(山村実社長、電話0144・87・6565)は、前浜産ババガレイの神経じめ出荷を手掛けている。山村社長自らが率先して実施。東京・豊洲市場や札幌市場などに送り、鮮度持ちの良さで高評価を獲得。白老産の存在感を高めている。
JF全漁連は2月28日、全国の浜と消費者を直接結ぶ電子商取引(EC)サイト「JFおさかなマルシェ ギョギョいち」を開設した。生産者から消費者に旬の魚や加工品を提供するほか、浜のリアルな情報を伝える。バリューチェーン改善促進事業の一環として取り組み、魚食の普及拡大や漁業者の所得向上を目指す。