魚長食品グループでイカ加工品を手掛ける函館市の(株)かくまん(柳沢政人社長、電話0138・45・3115)は、4年前に新たなブランド戦略を立ち上げた商品群が奏功している。アルファベット表記の商品名など斬新なパッケージデザインでターゲットにした若年層の需要を掘り起こし。土産品店や通販などで販売が伸びている。
総務省が発表した2019年の家計調査によると、全国1世帯(2人以上)当たりのワカメの年間購入数量は861グラムで9年連続の1キロ割れとなる一方、平均100グラム価格は184円で過去最高を更新。東日本大震災以降、生産が戻らない三陸産の品薄感を背景に、原料価格高騰の影響をうかがわせる結果となった。
前年に比べ購入数量は4グラムダウン、平均価格は1円アップ。購入金額は3円上がり1583円だった。
宮城県産養殖ギンザケが16日、今季初めて水揚げされ、石巻魚市場で入札された。上場は約8トンで1キロ当たり880~800円で落札、平均857円となった。競合するチリ産が安値気配を強める中、新型コロナウイルス感染症の拡大による消費停滞から価格低迷が懸念されたが、「思っていたより良い値段がついた」と同市場。成育は順調といい、7月下旬ごろまで水揚げが続く見込み。
市場仲卸による「目利き」に焦点を当て、そこから魚を知り、魚を食べる機会を増やそうとする動きが立ち上がった。東京築地目利き協会では、江戸時代から続く魚河岸文化を講座やイベントを通じ、広く消費者レベルに普及させる活動を展開している。魚食促進には「学ぶ」を主体とした食育も大事だが、粋な「遊び」や「楽しむ」といった姿勢も欠かせないとするのが協会の理念。日本発祥の「業(わざ)」として世界も見据えている。
水揚げ最盛期を迎えている噴火湾。大半を冷凍両貝に仕向けられてきた加工貝は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国国内の流通停滞によってボイル製品主体の展開が見込まれる。浜安傾向でNET800グラムの製品価格は3桁の相場となり、首都圏では一部量販店が扱い始めた。ここ数年の高値で売り場を失ったボイル製品。価格次第では好転する可能性を秘めた年となりそうだ。
(株)石昆(名古屋市、石川哲司社長、電話052・932・2911)の菓子昆布「こぶてん」(内容量55グラム)が好評だ。国産昆布に衣を付けて揚げたスナック菓子で、サクッとした食感と昆布の豊かな風味が特長。「食べ応え十分な上に昆布を使っているのでヘルシー。女性人気も高い」という。順調に売り上げが伸び、定番のうす塩味に加え梅や塩レモン、濃厚チーズなど次々と新味を発売。4月からは手軽に購入できるミニパック(同25グラム)も本格展開する。
噴火湾のエビかご春漁が始まった。序盤はシケが続き3日にかご入れ、7日の初水揚げとずれ込んだが、数日置いた初日でも多い船で90キロ前後と低調な水揚げ。その後も日量1隻50~60キロ前後と振るわない。浜値は流通停滞の影響を受けながらも薄漁を映し大がキロ3千円台と例年並みでスタートしている。
高山・飛騨両市にスーパー5店舗を構える㈱駿河屋魚一(溝際清太郎社長)の「駿河屋アスモ店」では、POPなどを積極活用して各商品の魅力を発信している。元ドライ商品バイヤーの田口益男副店長は一押し商品に「金メダル」マークを添付、取り組み開始から10年以上経過してその信頼性は向上、飛躍的に売れ行きが伸びた商品も多い。「長年の積み重ねが信用につながり、説得力を増しているのでは」と分析する。
ひやま漁協のスケソ延縄が昨年を大きく上回る水揚量で2月21日に終漁した。桧山すけとうだら延縄漁業協議会会長の松﨑敏文副組合長は「資源管理の成果もあり、2015~17年級が増えたことが増産につながった」と話す。ただ、サイズが小ぶりだった影響で単価が伸び悩んだ。 9隻が着業。数量は前季比83%増の595トン、金額は20%増の9374万円(税込み)。キロ平均単価は35%安の157円で、同漁協は「魚体の小型化で500グラム以下が多く、輸入卵との競合でスケ子の価格評価を獲得できなかったことも要因」と説明する。
ひやま漁協乙部支所の若手漁業者が檜山振興局などとタッグを組んで、乙部町の前浜で採取したアカモクの有効活用を目指している。生鮮やボイルで函館のホテルや東京のレストランに試験的に出荷し、高評価も獲得。今年は最適な採取時期の検討や含有成分など特徴を生かした製品開発に加え、大手食品企業など新たな販売先の掘り起こしにも力を入れる。