昨年輸入量が2万トンに届かなかったアフリカタコは、今年2万トンを上回るのではないかと商社筋はみている。シーズン物は昨年と同水準だが、昨年高騰した繰越在庫が現地にも残っており、合わせて全体の販売対象は増える見通し。夏以降、現地価格の下方修正が進めば、さらに搬入量は増加するとの見方もある。
米国の2019年度水揚げ計画は、生玉換算で2万8000トン程度が見込まれている。18年度に続き高水準となるため、玉冷輸出の期待度は薄い。今年のオホーツクも小型傾向で増産となれば、引き続き内販重視の展開が予想され、シーズン初めの価格形成が消流を左右する最大のポイントになりそうだ。
戸井漁協汐首地区の延縄船は、ババガレイの休漁期間などを利用、針に掛かるさまざまな魚種を水揚げする「雑縄」に着業している。今季は昨年まで不漁のホッケがやや上向き基調。3月上旬から操業する第五十二松丸の松田裕輔さんは「好漁だった年に比べるとまだまだだが、少しずつ水揚げが回復してくれれば」と期待。一方で昨年獲れたソイは「良型だが数は少ない」という。
オホーツク海沿岸の毛ガニ漁は、15日解禁の宗谷管内を皮切りに開幕したが、一旬目は荒天が絡んで不安定な水揚げ。浜値は連年の上昇となり、枝幸漁協は大中サイズがキロ5千円台、常呂漁協は大の高値が6500円で発進。昨年産がほぼ消化、許容漁獲量の大幅削減、太平洋の水揚げ低調の供給状況下、続騰の様相で滑り出し、消費地は消流停滞の警戒感を強めている。
えりも以西栽培漁業推進協議会のマツカワ魚価対策プロジェクトチームは19日、札幌の第二水産ビルで平成30年度第2回本会議を開いた。過去最大規模で実施した昨秋の消費拡大イベントは提供食数が前年の2倍だったことなどを報告。次年度以降は春期や東京圏など大消費地でのイベント開催を目指す方向性を示した。ブランド「王鰈」はロゴの作成を進めていく。
岩手県北部の養殖ワカメにスイクダムシの着生被害が発生し、17日以降の収穫を断念した漁協管内がある。三陸ワカメの減産に拍車が掛かり、今後の広がりが懸念される。大震災後のまとまった被害は初めて。
浜中漁協で45年以上コンブ漁に着業する和田英雄さん(67)は、自ら採取したナガやアツバ、ネコアシ、さお前といった各銘柄で6次産業化にも取り組んでいる。中でもネコアシへのこだわりが強く幅広く商品展開、手削りのおぼろが看板だ。「昆布商品は全て無添加。健康にも良い」とPRする。
ひやま漁協瀬棚地区のサクラマス釣り漁が好調だ。数量・金額ともに前年同期を大きく上回っている。2月20日ごろから漁が本格化。2月20日~3月15日の尾数は前年同期比2.7倍の5035尾、数量は同3.4倍の4203キロ、金額は同4.6倍の288万1460円、キロ平均単価は同36%高の686円。
港湾建築や潜水調査の矢口港湾建設(株)(北斗市七重浜8丁目、電話0138・49・1840)はナマコの増殖に力を入れている。関連会社の潜水請負業・ヤグチダイバー(株)で蓄積した独自調査の結果をもとに稚ナマコの生育環境を整備。成長を促進させる特殊な餌と飼育礁を設置して放流後の生残率を高める。
青森県陸奥湾の2019年度ホタテ水揚げ計画(案)について、県漁連は7万3千トンを見込んでいる。このうち成育の順調な半成貝は4万8千トンで、18年度計画より3千トン多く試算。4月1日から出荷される見通し。3月28日には第1回半成貝入札を予定しており、その価格帯に注目が集まっている。