原料の価格高騰を受け、消費地のおぼろ・とろろ業者が苦慮している。とろろ原料で中心となる道南産促成真昆布に加え、利尻加工用も価格が上昇し「大変厳しい状況」と加工業者。白口浜天然真昆布にこだわり、手すきおぼろやとろろをつくる小売兼卸業者は今年から促成も手当て。「店舗開設以来天然1本で続けてきたが、苦渋の決断」と力なく答える。
余市郡漁協や同漁協の着業者3人、道総研中央水試、余市町、後志地区水産技術普及指導所などで組織する「ムールガイ養殖研究協議会」は4月中旬から余市港内で養殖したムール貝(ムラサキイガイ)の試験出荷を始めた。札幌市内の食品卸会社を通じ、同市内や東京のレストランに流通。同漁協は「卸会社から、使用先の評判は上々だと聞いている」と話す。
トーサムポロ沼内で行う歯舞漁協のアサリ手掘り漁が終漁した。漁期前半は沼内の結氷に操業が阻まれたものの、全着業者が漁獲ノルマを達成した。一方、浜値は弱含みの展開だった。
3月に始まったオホーツク海の漁場造成は、4月23日現在で北部、南部合わせた累計数量が約1万6900トンとなった。前年同期より5500トン多いペース。歩留まりは例年並みの7~9%台。各単協で順次値決めを行っており、浜値は前年並みキロ100円程度~2桁後半で妥結している。
製麺会社であり、首都圏を中心に業務用食品卸を営む株式会社麻生(神奈川県平塚市、麻生政雄社長)は、2年前に新設した岩手県釜石市の工場の機能を生かして水産品の拡充を図っている。急速凍結機を複数台導入して付加価値を高めた商品を効率良く生産。三陸沿岸の地元企業と協力しながらオリジナル商品の開発を進めている。
青森県八戸市の八戸みなと漁協(岡沼明見組合長)が同市湊町に整備した海業支援施設「浜市場 みなとっと」が21日、オープンした。八戸近海の新鮮な魚介類がそろう直売所や食堂、体験実習室などを完備。地元の海の幸をアピールし、水産業振興と地域活性化につなげたい考えだ。
カキ養殖用バスケットなどを販売するSEAPAジャパン(大阪市、吉本剛宏社長)は23日、大阪市内で「シングルシード牡蠣ネットワーク2019 セミナー&交流展示会」を開いた。生産者や養殖資材業者、研究者、流通・加工業者、飲食店関係者など約100人が参加。シングルシード養殖に関する知見などを共有し、品質や生産効率の向上について意見を交わした。
散布、浜中両漁協の養殖ウニは徐々に価格が向上し、散布は昨年度、浜中は昨年に過去最高額を記録した。味や色みをはじめ供給量の安定も相まって、ウニ流通の中心となる東京・豊洲市場でブランドとして評価を確立。高級すし店の需要も増大している。漁家経営を支える漁業種に成長し、新規着業者も参入。今後徐々に出荷する見通しで、生産拡大にも期待がかかる。