水揚げが本格化した北海道の秋サケ定置漁。えりも漁協冬島地区で従事する坂本雅彦さん、悠さんの兄弟が今季から一般の人を対象に事業化した「漁師体験」を始動した。定置船「第五十八宝漁丸(18トン)」の操業時に網起こしなどを一緒に体感。漁業や秋サケなど魚介類を身近に感じてもらうことで、魚食普及、さらには担い手確保などにつながることを見据えた新たな挑戦。地元・様似町も地域漁業の振興などに結び付く取り組みとして期待を寄せている。
堺の伝統産業と生け花を組み合わせた中高生の作品を展示する「よく見よう郷土堺」展が8月29日~9月3日、大阪の百貨店「堺タカシマヤ」で開かれ、今回は「育てよう海の宝物―昆布と花―」をテーマに原藻やおぼろ昆布などを取り入れた独創的な作品が並んだ=写真。
道東沖のサンマ漁は苦戦が続いている。9月中旬に入っても公海操業で魚群も薄い状況。日量1000トン以上が一度もなく、過去最低水準で推移している。漁業情報サービスセンターは今後の漁況も「10月上旬に道東海域に来遊する可能性があるが、来遊量は少ない」と厳しい見方を示す。
岩手県陸前高田市の広田湾漁協(砂田光保組合長)は15日、同市に再建された道の駅「高田松原」に直売所を開業した。東日本大震災以来、8年半ぶりの念願の再開となる。広田湾産の知名度向上が狙いで、人気のホタテやエゾイシカゲガイ、自慢のボイル塩蔵ワカメ、高鮮度の定置漁獲魚などをアピール。
水揚げ減少に頭を痛める「鮭の町」の挑戦が始まった。岩手県宮古市は11日、ホシガレイの陸上養殖を同市の水産研究・教育機構東北区水産研究所宮古庁舎で開始した。秋サケなどの漁獲減少が恒常的となる中、魚類養殖を事業化につなげ水揚げの補完を狙う調査事業。約1年で1キロほどに成長させ、宮古市場に上場する計画だ。
余市町の有限会社丸イ伊藤商店(伊藤正博社長、電話0135・22・3616)は、主力商材のニシンで開発した骨まで丸ごと食べられる一夜干しで、ホッケ、アカガレイを新たにラインアップした。魚食の敬遠要因に挙げられる骨の問題を解消。併せて加熱調理済みで簡便・時短など昨今の消費者志向もとらえ、各種販路に売り込んでいる。
寿都町漁協所属「若狭漁業部」の若狭光男さん(51)は今年から次男の翔さん(26)とともに沖に出ている。各種刺網や養殖など多魚種に着業、漁獲物の高品質出荷や鮮度保持の工夫も教えている。また、中古船を購入し改造、他地区で漁業経験のある翔さんが舵を握る第八十八千優丸(5.5トン)としてこのほど進水。刺網は光男さんの第八十八明蛍丸(4.8トン)との2隻態勢で出漁、親子2人力を合わせ水揚げ向上を図る。
道総研函館水産試験場は、噴火湾で発生するへい死のメカニズム解明に向け気象・海洋環境を調査した結果、風波に伴う養殖かごの「振動」と不適な「餌環境」で稚貝が成育不良となる仮説を明らかにした。2017年まで25年間のデータを分析したもの。夏季の特徴的な気象・海洋環境を経験した稚貝は秋以降の生残低下、異常貝増加につながると指摘。「夏場の環境をいち早く伝えることで、その後の管理方法が調整できるシステムを構築できれば」と話している。
道東サンマ漁の水揚げ不振で、札幌市中央卸売市場の入荷量も低調に推移している。主漁場が依然遠方の公海で操業日数がかかり、カネシメ髙橋水産株式会社、マルスイ札幌中央水産株式会社の両荷受は「日々の入荷量が不安定」と指摘。市況も高値傾向が続き「荷動きは鈍い」という。
噴火湾のエビかご秋漁が始まった。落部、森、砂原の3単協とも序盤のボタンエビは1隻100キロ以上と順調なスタートを切ったが、中旬以降の水揚げは2桁に急減、先行き不安な展開をみせている。浜値はメスがキロ4000円と堅調だ。