留萌管内のナマコけた網漁は、水揚げが振るわず全般に小型傾向だ。「規格外のナマコが多く成長も遅い感じ」と着業者。ハシリからのシケ多発に加え密漁の影響を指摘する声も少なくない。一方浜値は堅調で、昨年よりほぼ2割高のキロ4000円台後半で推移している。
噴火湾で稚貝を採取する採苗作業が終盤を迎えている。今年は全湾的に小型傾向。比較的十分に採取できたが、必要分を確保するのがやっとだった地区も。1分以下のふるいを使った漁業者が多く、8月中旬の仮分散は成長の進み方次第で例年より多少遅れる可能性もありそうだ。
えりも漁協所属・有限会社菱栄協栄水産(佐藤勝代表)の新造定置船「第六十一明神丸」(アルミ船、18トン)が竣工した。安定航行と網起こしなどの作業性を重視し、船体を低く長さを取った設計。海水殺菌装置(㈱東和電機製作所製)の搭載など鮮度・衛生管理の設備も強化した。今秋の秋サケ漁から本格稼働し、ブランドサケ「銀聖」をはじめ日高管内の基幹魚種・秋サケの安定生産に機能発揮が期待されている。
羅臼漁協の天然コンブ漁が19日にスタート、序盤はオカ側中心に採取している。地区でばらつきはあるものの今季はコンブが繁茂。ただ総体的に実入りや葉幅、長さなど品質面は芳しくなく、着業者からは「これだけ良くないのは久しぶり」「等級比率は落ちる」などと不満の声も多い。
東京・築地市場のアフリカダコの消流はここ1~2年で搬入量は減少、価格も高値で推移している。それに伴い、北海道のミズダコにも需要が高まり、生冷は例年に比べキロ600~500円ほど上昇。主力の価格帯は1300円から2000円台に届くこともあり「生冷は高過ぎて扱えない」と仕入れを控える仲卸も出始めている。
生産量全国3位の岡山県。そのうちの約半数を出荷する日生町・牛窓町の両漁協は養殖環境の保全に力を入れている。海底のゴミや余分な泥を除去するため、着業者は小型底引で漁場を清掃。日生地区は沿岸に自生するアマモ場の造成に取り組み漁場環境の改善につなげた。また、2年前からハシリでも高歩留まりの商材を出荷。末端の需要とマッチして販売は好調だ。
日生・牛窓両地区は播磨灘に面し、岡山県の1級河川(高梁川、旭川、吉井川)や兵庫県の2級河川・千種川からの栄養塩が養殖地に豊富に効率よく供給される。1年貝を生産。漁期は例年10月末~4月中旬。昨季は約1700トンを水揚げした。
約50軒が着業。漁場の保全を第一に考える。終漁後は筏を撤去し小型底引船で海底に落ちたカキなどの有機物を回収。また漁期中に堆積した泥を耕うんでかくはんさせて洗浄。赤潮や貝毒の原因になるプランクトンの増加を抑制している。
日本食材の海外進出を展開する(株)epoc(東京都)は、5月末から6月にかけてタイ・バンコクで開催された国際食品見本市「タイフェックス」に出展、山梨県産の養殖魚「甲斐サーモンレッド」を紹介したところ、身持ちや発色の良さなどタイほか近隣諸国のバイヤーから高い評価を得た。この実績を糧に鮮魚を中心とした日本食材の販路拡大に拍車をかける。
寿都町の(株)山下水産(山下邦雄社長、電話0136・62・2023)は、レトルト食品の商品展開を拡充している。今年1月には積丹沖で獲れるヒラツメガニをだしに使用したスープを新たに投入。従来の冷凍・冷蔵品に加え、保存性の高い常温品で販路拡大につなげている。
10月11日の豊洲市場開場に向け、東京都は17日、札幌市の第二水産ビルで衛生・品質管理など市場の機能、物流体制などを周知する説明会を開いた。北海道の荷主や運送業界などの関係者約30人が出席。築地市場からの移転作業に伴う休市時の荷受体制の確保などの要望が出され、都や市場関係者は荷受対応を行う方針を示した。
青森県、三沢漁港のスルメイカ荷揚げ岸壁に上屋がかけられる。近く始まる県の岸壁補強工事が終了後、三沢市が2759平方メートルの幕屋根式施設を整備。来年6月に完成する予定だ。「赤トンボ」と親しまれる三沢産昼イカの衛生管理と付加価値向上を後押しする。
昼イカの水揚げでにぎわう同漁港では、4基の浮桟橋から8隻が同時にコンベヤーで岸壁に荷揚げできる。浮桟橋3基分の荷揚げスペースとなる岸壁の北東側を幕屋根式施設で覆う。市の工事は9月ごろ始まる見通しだ。