北海道の産業用電力の料金単価は東日本大震災以降、北電の2度にわたる値上げで再生エネルギー発電促進賦課金を加えると電力量料金単価は7~8割も高くなった。泊原発再稼働の見通しも料金値下げのめども立たない。こうした中、昨年4月に始まった電力小売り全面自由化を受け道内の水産業界でも新電力に切り替えるケースが増えてきた。
新潟県糸魚川市の県立海洋高等学校の生徒が考案したサケの魚醤「最後の一滴」が高級イタリアンに採用されるなど活用の場が広がっている。同窓会が運営し生徒が部活動として利用する水産加工場「シーフードカンパニー能水商店」で月に3000本ほど生産。これまでは市内を中心に販売していたが、全国に向け販路を拡大させる。
岩手県久慈市の定置網と市場で過冷却解除式シャーベット氷の利用が広がっている。8月からこれまでに約300トンに上り、すでに昨シーズン実績(140トン)の2倍を超えた。水揚げ、選別後のタンク収容で使い、「サバ、ショッコ(イナダ)など青物で最高」という。迅速冷却、保冷時間延長などで鮮度保持効果を高め、久慈産の評価アップに期待がかかる。
北海道内のホタテ水揚量が昨季同様低水準となる中、今年は国内消費が最重要課題となった。玉冷製品は昨年より低い価格帯で推移し、鈍かった海外輸出は8月以降徐々にペースアップ。内販も業務筋中心に少しずつ動き始めている。原貝水揚げの回復が期待されるボイル製品の動向は、中国向け両貝冷凍の引き合いと、それに伴う浜値次第だが、商品価値を見いだす好機会と捉えた販促活動に期待がかかる。今後のホタテ消費・流通対策などを道漁連の崎出弘和専務に聞いた。
広尾、大樹の両漁協のシシャモ漁が5日に始まった。漁期前半は日間・船間差の大きい水揚げで推移している。雑魚の入網も多く、広尾では沈木による網被害も出ている。サイズは漁場でばらつきがあり比較的沖側で小さい傾向。浜値は強含みの展開だ。
記録的不漁となった北海道の秋サケ。日本海、えりも以西・道南を除いて全道的に前年割れで推移しているが、特にえりも以東は平成22年以降続く低水準の中、前年の4割減だった昨年の7割減と、2年連続の大幅減産に見舞われている。浜値は高騰しているが、補え切れず、定置、組合の経営に大きな打撃。底が見えない資源の低迷に先行き不安も増している。
大減産となった今季の噴火湾は、浜値急騰で製品高となり産地加工業者は厳しい経営を余儀なくされた。その対応策や諸外国の動向、来季の相場や水揚げ見通しを株式会社イチヤママル長谷川水産の長谷川博之社長に聞いた。
宮城県北部の南三陸町でマダコが大漁、高値となっている。同町市場では18日までの7日間で町外含め61トンの上場、少なくとも過去30年間にないハシリとなった。かご主体に一部いさり引(いしゃり)で約100隻が漁獲。中心の大サイズは900~800円ほどの大相場で安定し、昨シーズンのハシリを200円ほど上回る。
下げ相場となった今季の玉冷。輸出は夏場に一時動いたものの鈍化傾向にあり、内販も劇的な回復には至らず消費拡大に期待がかかる量販店は様子見の状況。シーズン当初に打ち出した目標値1万トンの国内消費に暗雲が立ち込めている。