岩手県大船渡市の鎌田水産株式会社(鎌田仁社長)は10日、5隻目の大型サンマ船「第十一 三笠丸」を竣工し地元の下蛸ノ浦漁港で進水披露した。木戸浦造船株式会社で建造、ヤンマーの2000馬力エンジンを搭載。同社は今季、5隻で1万トンの漁獲、自社工場の扱いでも1万トンを目指し、水揚げと加工処理の両翼で躍進する。
礼文島の養殖コンブの水揚げが終漁した。種付きが悪かったことで大半の着業者が昨年12月に巻き付けるコンブが不足、香深漁協の堀内浩養殖部会長は「減産」という。船泊漁協の瀬戸川盟(ちかし)養殖昆布部会長は「生育の良さでどの程度までカバーできるか」としている。
北海道のスルメイカは道東沖で1日から操業が始まった。昨年より3週間余り遅く、厚岸、釧路では水揚げも低調な滑りだし。花咲も8月中旬ごろから操業隻数が増加したものの、1隻当たりの日量は振るわない。
石山水産株式会社(岩手県山田町、石山勝貴社長)は大槌町に冷蔵倉庫を併設する工場を新設、8月初めから本格稼働に入った。山田町の本社工場が原料供給型の拠点だったのに対し、最終製品に加工する工場として位置付けている。洋風など末端の売り場向けブランドを立ち上げるなど新事業にも挑戦する。
末永海産株式会社(宮城県石巻市、末永寛太社長)は生食用むき身カキやあぶりホヤなど13品目で、HACCPの対米輸出要件を満たし、認定を受けた。生食用カキの認定は全国でも初めて。米国を新たな市場に見据え、販路の開拓に取り組んでいく。
オホーツク海沿岸のけた引は後半戦に入った。南部同様に厳しい操業を強いられる北部では、4単協とも進ちょく率5割以上を達成。上昇ピークを迎えている歩留まりは12~15%台の範囲に落ち着いている。
宮城県の種ガキが不作の様相だ。未投入の原盤が残るものの、浮遊幼生の観測結果と採苗時期の両面から厳しさが増している。いずれにしても、原盤1枚の付着が100個以上の厚種は例年より大幅に減る。日本一の種ガキ産地だけに、県内外に波紋を広げそうだ。
岡山県倉敷市の海洋建設株式会社(片山真基社長、電話086・479・9200)が開発・製造するシェルナースは、カキやホタテなどの貝殻を重ね合わせた構造で、稚魚や稚ナマコなどの隠れ場や餌場を形成。種苗放流後の初期減耗の軽減に加え、海藻の胞子が着生しやすく磯焼け対策でも活用が広がっている。
漁協女性部が運営する食堂が人気を集めている。道南では鹿部漁協女性部が「鹿部プレミアムたらこ御膳」、函館市漁協女性部が「イカ刺し定食」と地域を代表する水産物をメーンに据え提供。「新鮮」「旬」の〝ご当地グルメ〟を求める観光客の心をつかんで、リピーターも多く完売する日がほとんど。前浜産PRの一翼も担っている。