全漁連はTPP(環太平洋経済連携協定)交渉で、日米間で協議が行われている牛肉の関税引き下げによる水産物への影響を試算した。それによると、国内の牛肉価格の下落で魚介類の価格も下がり、国内の漁業生産額が2100億円減少。平成25年に政府が公表した即時関税撤廃による水産物の影響額2500億円と合わせて生産減少額は4600億円。日本の漁業生産額1兆4千億円の約3分の1に上る。
【中国・大連、乳山=松本名司】中国のホタテ需要に陰りが見えてきた。主流を占めていた片貝製品の原料である北海道噴火湾産の両貝冷凍が高騰しているため。中国の製品加工大手は付加価値を上げて販促に努めているが、原価の安い国内産イタヤガイをホタテ貝殻に乗せた商品が人気を集め、現地加工筋が軸足をシフトするなど、ホタテ消費の失速感は否めない。今季は過去最高の4万トンに達するともいわれる両貝冷凍の消費見通しなどを、加工最盛期の中国乳山市と大連市で取材した。
新星マリン漁協(山田徹組合長)のニシン刺網が今季、久しぶりの高水準だ。臼谷地区で3月中旬に4トン台の近年にない日産を記録。鬼鹿地区でも3月下旬からまとまった水揚げが続き、4月13日現在の水揚げは前年実績比5倍の16.2トン。道水産林務部の集計によると、平成21年(最終実績19トン)以来6年ぶりに15トンを超え、浜は好漁に活気付いた。
岩手県大船渡市の水産加工業・鎌田水産株式会社(鎌田仁社長)の大型サンマ棒受網・第18三笠丸(199トン)が14日、今夏の北太平洋海域でのサンマ資源調査に向け、同社本社前の同市赤崎町下蛸ノ浦の漁港を出港した=写真。国立研究開発法人・水産総合研究センター開発調査センターの平成27年度海洋水産資源開発事業の用船で活躍する。
岩手県産ワカメの南部地区第3回入札が大船渡市の県漁連南部支所で16日に開催され、ボイル塩蔵の価格が高騰気味となった。前回入札を10%前後上回る落札が多く、芯抜1等は1万円超えが続出。品質は前回より下がっていたが、シーズン終盤を迎えて大幅な増産見込みが崩れる中、買受人は確保に強い意欲をうかがわせた。
松前さくら漁協白神地区で、3月からアワビ挟み採り漁が行われている。今季は漁場の海藻繁茂が少ないことで採取条件が良く、着業する鳴海政樹さんは「上々の水揚げ、サイズも良型」と喜ぶ。
宮城県のコウナゴ(イカナゴの当歳魚)が豊漁、好値だ。石巻市場では4月、火光利用敷網約40隻が1日50~100トンを水揚げ、350~250円平均となる日が多い。サイズは40ミリ中心で、漁場形成が例年になく安定している。水温が低く成長が遅れ気味で、漁、価格とも大型連休明けごろまで期待できそうだ。
第51高砂丸でエビ漁を営む羽幌町の有限会社蝦名漁業部(蝦名弥社長、電話0164・68・7777)は昨年6月、水産加工・販売部門「海の人」を立ち上げ、水揚げ日本一を誇るナンバンエビ(甘エビ)の全国発信に乗り出している。漁家伝承の味「酒蒸し」を商品化。道産食品のトップブランド「北のハイグレード食品+(プラス)」の選定も弾みに、各方面に売り込んでいる。
羅臼漁協の嶋祐輔さんが5~6月の養殖間引きコンブを提供し、北海道メンフーズ㈱(札幌市、須貝昭博社長、電話011・252・9655)が販売する「羅臼昆布ラーメン」が好評だ。