北海道の秋サケ定置は今季、平成18年以来の甚大な自然災害に見舞われている。9月中旬の台風17号、10月頭の爆弾低気圧に続き、8日から9日にかけて温帯低気圧に変わった台風23号による暴風波浪の影響でオホーツク、根室海峡などで被害が発生。操業断念に追い込まれる漁場が増大するなど事態は深刻だ。
宮城県南三陸町の志津川湾で10月、天然採苗、シングルシード(一粒種)養殖の「あまころ牡蠣」が念願の事業化となった。採苗分散で殼長15ミリ以上の約3万5000個を確保し、11人が個人養殖を開始。来年6、7月、未産卵の生食用殻付で出荷を予定、注目される。
森漁協で本格化しているホタテ稚貝の本分散作業は終盤戦に入った。へい死や変形貝が少なく成育は順調。大半の漁家が10月下旬~11月上旬で作業を終える。
函館市漁協の天然は9月末に終漁。主力の根崎・石崎両地区は、シケや悪天候に阻まれ、採取日数が昨年より13日減少、マコンブ、ガゴメともに昨年を下回る生産見通しだ。一方、夏場で終漁した促成も主力2地区が振るわず、昨年に比べ根崎が4割減、石崎は2割ほど減るという。
安全・安心で質・量ともに高いポテンシャルを持つ国内のホタテ生産。シケ被害によるオホーツク海沿岸の減産で水揚量の下方修正が余儀なくされたことしは、浜値高騰で玉冷製品価格が大幅に上昇、国内消費は依然として低迷している。今後の生産量や商戦の見通し、流通対策の重点について、道漁連の大谷内優営業第一部長に聞いた。
南かやべ漁協の定置はブリ・イナダが昨年を上回る水揚げで終盤を迎えた。ただ、組成は5キロ未満のイナダが中心で昨年より小型。単価安で金額は昨年を下回っている。
宮城県産カキむき身の県漁協入札が6日、始まった。石巻地区の初日は9.2トン上場、10キロ2万9455円平均となり昨年初回を8.6%上回った。身入り、卵抜けとも良く当初の品質は震災後最高に。昨シーズン(1590トン)を大幅に上回る出荷が期待されるが、シケによる落下が気掛かりだ。
宮城県水産技術総合センターの水産加工公開実験棟が7日、石巻市魚町に竣工した。魚体処理システム装置や過熱水蒸気調理器などの最新加工機器から各種包装機まで備え、水産加工業者の製品開発や販路開拓を支援。大震災で失われた市場の回復を後押しする。
1日から3日にかけて北海道を襲った爆弾低気圧の影響で、沿岸各地で漁具、漁船、施設などが被害を受けた。特に盛漁期を迎えている秋サケ定置の被害は大きく広範囲。確認・復旧作業中に台風23号が接近、被害回避対策にも追われ、全容は判明していないが、8日までに被害が確認された漁場は104カ統。今季の操業断念を余儀なくされた漁場もでている。
日高中央漁協東栄地区のウニは、バフンが8月末、ムラサキが9月14日までの漁期で操業。岩間正男ウニ部会長は「どこを採っても身入りは上々だった」と振り返り、「東栄のウニは身の色がきれい」と自信を持つ。