日本昆布協会(瀬川靖会長)は2年ぶりに産地見学・交流会事業を実施、7月21~23日の日程で稚内や利尻・礼文両島を訪問した。乾燥や製品づくりなど生産現場を見て回るとともに、漁業者や研究者らとも意見交換、コンブ漁業の現状や課題などについて理解を深めた。
岩手県産養殖干し(本干し)コンブの今年度第1回入札会が7日、宮古市の県漁連北部支所で行われた。重茂、田老町、小本浜の3漁協から、昨年初回を45%上回る268トンが上場。北海道産をはじめ他産地の減産傾向を背景に、単価は昨年初回に比べ全体的に上昇。長切3等は10キロ4万3350円(昨年同日比28%高)、棒1等が高値で3万3310円(同23%高)となるなど関係者から驚きの声が上がっている。
厚岸漁協(蔵谷繁喜組合長)は増産対策の一環として2021年から大手加工メーカーと連携した生コンブ事業を推進している。生コンブのまま出荷することで、乾燥や製品づくりなど出荷に至るまでの重労働を軽減。本来のコンブ漁で陸上作業に欠かせない陸回りの労働力確保といった人手不足の課題にも対応するなど、新たな生産体制の構築を図っている。生コンブ事業は厚岸、散布、浜中の3漁協で21年に開始。着業者が最も多い同漁協は初年に5軒で開始し、26年は7軒が実施している。着業者は増加傾向にあり、同漁協の25年度の取扱実績によると、生コンブ(ナガ主体)は前年度比3.8倍の178.6トン、キロ平均単価が25%高の138円。金額は4.8倍の2464万円(税抜き)と増産増額で大きく伸長した。
羅臼漁協の天然コンブ漁は解禁以降、海況に恵まれ順調に操業を重ねている。流氷による大きな影響もなく、上側主体に繁茂。同漁協は「この後も安定して出漁できれば」と期待を寄せる。今季は7月15日に上側漁場でさお制限(長さ1ヒロ)をした早採りを久しぶりに実施。本採りは20日に解禁となり21日に出漁。127隻が着業する。
礼文島の天然コンブは島全体的に今年採取対象となる資源が乏しい状況。自身の生産について船泊漁協の着業者は「今年は1駄まとまるかどうか。大漁だった昨年に比べると大幅な減産になる」と見込む。自由操業で採取。7月中旬から島東側で操業する同漁協の着業者は「来年のコンブばかりで今年採れるコンブがない」と資源状況を話し「昨年は繁茂が良く、1日で船2、3ばい分採れたが今年は船いっぱいなんて採れない。船の3分の1程度」と違いを説明する。
利尻漁協の天然コンブ漁は23日、仙法志・沓形両地区を皮切りに操業が始まった。今年は島全般的に繁茂状況が悪く、生産量は同漁協全体で昨年実績(183トン)を大きく下回る見込み。同日出漁した仙法志地区の佐々木隆敏さんは「これだけないのは記憶にない」と厳しい表情を見せる。
えさん漁協で促成マコンブの収穫・製品づくりが最盛期に入っている。6月のシケで一部施設が被害を受けたものの水揚げはおおむね順調に進行。各地区部会長によると昨年に比べて珪藻の付着が少ない一方、施設に雑海藻が多く繁茂し実入りに影響している場所もあるという。
本場折浜の促成マコンブの生産作業が最盛期を迎えている。前半はおおむね天候にも恵まれ順調に水揚げが進んだほか、例年に比べて毛(ヒドロゾア)の付着も少なく、早期から収穫する着業者は「毛が目立つ前に大方揚げることができた」と喜ぶ。一方で、まだ収穫半ばの着業者は今後の海水温上昇による付着増を警戒する。
道漁連は2日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を8461トンと発表した。天然の資源状況が厳しく、3年連続で1万トンを割り込み、過去最低だった一昨年並みに落ち込む見通し。昨年実績(9907トン)比15%減で、過去10カ年平均(1万2293トン)に比べると31%下回る。主産地別で促成養殖主体の函館が若干増となる以外は、昨年実績を下回る見込み。
釧路管内のさお前コンブ漁は、解禁以降霧や波などの影響で出漁できないまま終盤に入り、釧路市東部漁協が25日、昆布森漁協は26日に切り上げた。台風などによる天候・海況の悪化が予想され漁期の6月末までに出漁が見込めないと判断した。