利尻漁協の天然コンブ漁は23日、仙法志・沓形両地区を皮切りに操業が始まった。今年は島全般的に繁茂状況が悪く、生産量は同漁協全体で昨年実績(183トン)を大きく下回る見込み。同日出漁した仙法志地区の佐々木隆敏さんは「これだけないのは記憶にない」と厳しい表情を見せる。
えさん漁協で促成マコンブの収穫・製品づくりが最盛期に入っている。6月のシケで一部施設が被害を受けたものの水揚げはおおむね順調に進行。各地区部会長によると昨年に比べて珪藻の付着が少ない一方、施設に雑海藻が多く繁茂し実入りに影響している場所もあるという。
本場折浜の促成マコンブの生産作業が最盛期を迎えている。前半はおおむね天候にも恵まれ順調に水揚げが進んだほか、例年に比べて毛(ヒドロゾア)の付着も少なく、早期から収穫する着業者は「毛が目立つ前に大方揚げることができた」と喜ぶ。一方で、まだ収穫半ばの着業者は今後の海水温上昇による付着増を警戒する。
道漁連は2日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を8461トンと発表した。天然の資源状況が厳しく、3年連続で1万トンを割り込み、過去最低だった一昨年並みに落ち込む見通し。昨年実績(9907トン)比15%減で、過去10カ年平均(1万2293トン)に比べると31%下回る。主産地別で促成養殖主体の函館が若干増となる以外は、昨年実績を下回る見込み。
釧路管内のさお前コンブ漁は、解禁以降霧や波などの影響で出漁できないまま終盤に入り、釧路市東部漁協が25日、昆布森漁協は26日に切り上げた。台風などによる天候・海況の悪化が予想され漁期の6月末までに出漁が見込めないと判断した。
斜里第一漁協所属の定置業者・有限会社北洋共同漁業部(代表・伊藤正吉漁協理事)は今年からコンブ養殖の事業化に挑戦している。主力・サケマスの資源動向を見据え、新たな漁業資源・経営基盤の確立とともに、魚の産卵場やすみか、放流稚魚の隠れ場となる藻場の回復・造成を目指すプロジェクト。初年の実証試験はヨコエビの食害や波浪によるコンブの流出などが生じ、商業利用まで完全に育成できなかったが、要因を分析、改善策を見いだし、次年に臨んでいく。
歯舞漁協(小倉啓一組合長)は、全国各地で藻場の再生・造成事業に取り組む日本製鉄株式会社と連携、コンブ資源の安定化と品質改善を目的に製鉄副産物の「鉄鋼スラグ」を使った実証試験を進めている。海藻類の生育に必要な鉄分を含む鉄鋼スラグと腐植土を混合した施肥材を2024年から雑海藻駆除区域に海中投入。今年は新たにコンブ漁場に近い砂浜にも埋設した。近年海洋環境が著しく変化する中、将来を見据え、海水温上昇などに耐えられる豊かな漁場づくりに注力していく。
羅臼漁協の養殖コンブは7月に水揚げが始まる。生育状況はばらつきがあり根腐れの影響が大きい施設もある。着業者は実入り向上など今後の成長に期待し雑海藻駆除など手入れを進めている。
歯舞、落石、根室の3漁協が操業する貝殻さお前コンブ漁は、天候に恵まれ解禁日の1日から2日連続で操業したものの、資源状況などを考慮し3日から12日まで休漁。13日の再開を予定している。歯舞漁協が2日に開いた理事会で決定。漁開始後の休漁は2020年以来となる。着業者は「着生状況は厳しく、良いコンブが生育している場所が少ない。コンブがない場所は雑海藻ばかり。流氷で削られた場所もある」と説明。「2日出られたが漁は振るわず、水揚げはわずか」と苦戦の出足となった。
小樽市の老舗ゴムメーカー株式会社ミツウマ(大東藤男社長)は粉末状のウニ殻と天然ゴムを混錬した施肥材の実用化に向け、宗谷管内の利尻町で養殖リシリコンブの成熟促進を目的に実証試験を開始するなど各浜で取り組みを加速している。