サンマ漁の主力となる棒受網漁は15日から根室・花咲港で水揚げが始まった。昨年同様、中型船(100トン未満)・大型船(100トン以上)の解禁日を前倒し10日に小型船(20トン未満)とともに一斉出漁。公海操業で組成は1尾当たり130グラム中心と昨年のやせ型主体に比べ大きく、数量もまとまるなど期待が高まる漁況で滑り出した。22日は大型船23隻がバラ396トン、良型の発泡1412箱、冷凍217箱を水揚げ。浜値はバラの高値が1598円、発泡の160グラムが2484~1566円、150グラムが1620~1188円、140グラムが1728~950円、冷凍の高値が508円。
南かやべ漁協のコンブで主力となる促成養殖は、水揚げが順調に進みほぼ終了した。本年度は、昨年度実績(2123トン)を上回る2355トンの生産を計画するが、枯れが早かったことなどを考慮し、同漁協は「計画数量を若干下回るのでは」と見込む。また今季はコケムシの付着も早く、着業者は洗浄・除去作業に苦慮した。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部)の稚貝採取は、各地順調に進んでいる。仮分散は大半が8月前半に終了。採苗器の付着量が多く、十分に確保できた。
長万部の松井勝利理事(三代目かんな丸)は、7月前半から採取し始め「小さいので成長を待ちながら6厘や7厘で急がず仮分散していた」と説明。高水温時には作業を中止しながら8月20日時点も継続中で「数量は潤沢にある。地元も他産地も成長が伸び、1分5厘で採っている」と話す。
南かやべ漁協の定置網漁は、7月を中心にスルメイカがまとまって乗網した。一方、イワシは前年を大きく下回る水揚げで、サバは小型。着業者は「イカは良かったが、それ以外の魚が芳しくない」と漁況を示す。イカは7月29日までで組合全体で650トンの水揚げ。
宮城県南三陸町のミズダコ漁が好漁を持続し、終盤を迎えている。底引網漁が休漁となる7~8月が漁期で、同町志津川地区にある地方卸売市場への水揚量は21日現在で17トン。昨年同期比の約3倍。キロ平均単価は1138円。漁業者らは「助かっている」と笑顔を見せる。一方、同時期の主力の一つである毛ガニ漁は前年比58%減の4.3トンと、伸び切れないまま漁期を終える様相を呈している。
宮城県水産技術センターは13日、県内の2025年度の秋サケ来遊数が約6千尾にとどまるとの予測を発表した。過去最低の予測値で、最低水準だった24年度の実績値をさらに30%ほど下回る。「来遊数が極めて低い状況は今後も継続すると考えられる」との見通しも示した。
アウトドア用品の総合メーカー・株式会社モンベルは漁業用レインウエア「フィッシャーマンジャケット」「フィッシャーマンビブ」をモデルチェンジし、10月下旬から11月中旬頃に販売を開始する。素材と構造の変更で軽量化を実現。ビブは要望の多かった膝部分を二重の生地にして強化した。有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)を使用しない環境配慮型素材を採用しながら機能性を向上させた。
第27回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(大日本水産会主催)が20~22日、東京ビッグサイトで開催された。前年を上回る650社が出展し、出展小間は過去最大規模の開催となった。連日多くの来場者が訪れ、魚食拡大に向けた取り組みや業界を明るく導く最先端技術を体感。熱意に満ちた商談や交流が繰り広げられていた。
漁業情報サービスセンター(JAFIC)は、2025年上半期の日本周辺の海況の特徴について取りまとめ、このほど公表した。黒潮大蛇行が4月に7年9カ月ぶりに、また黒潮続流の北偏も約2年ぶりに解消したことがポイントだと総括した。大蛇行の解消で黒潮流路の変動にともない海面水温が大きく変動したことを指摘する。黒潮続流の北偏が約2年ぶりに解消され、親潮の面積も4月には平年並みに回復し、親潮・混合域の著しい高水温は解消された。また、黒潮大蛇行が4月に解消したことで、黒潮流路の変動に伴い海面水温が大きく変動した。
今年の秋サケ来遊で極度の再生産親魚不足が予測されている日本海の中・南部地区、渡島管内、胆振管内、えりも以東海域、根室海域の定置業者は、秋サケ定置網漁の操業始期から自主規制措置を実施する。網入れ時期を遅らせ、河川へのそ上を促し、再生産用親魚の確保に努める。日本海の中・南部地区の自主規制措置期間は石狩管内が9月1~7日、後志・桧山両管内が9月3~7日。さけ定置は一階網、二階網とも5日に身網、8日に垣網を網入れ。規制期間中、小定置は魚が入らないように身網の建上げ撤去または樋先封鎖。大謀網、底建網はサケ水揚げの全額を増殖経費に拠出する。