岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は、山田湾で養殖するトラウトサーモン(ニジマス)の今季の水揚げを開始した。2年間の実証試験を経て、事業化移行を果たした初年度。キロ1100円ほどの高値で取引されている。省力化を推進しながら、知名度アップと販路拡大を目指す。7月上旬までに前季比1.5倍の120トンの水揚げを見込む。
東京都・豊洲市場のミズダコの煮だこ消流は慢性的な高値基調で販売に苦戦している。歓送迎会シーズンに入っても引き合いは鈍い。アフリカなどタコ製品全体的に高騰し、生鮮品を自社でボイルして販売する仲卸業者は「タコ全体の販売は落ちている」と危惧する。卸値は生鮮でキロ3千円。「数年前の倍以上。安い時はキロ1300円で入荷できた。今回は八雲の荷主から仕入れているが、北海道全体で水揚げが振るわないから高いのだろう」と相場上昇に困惑する。
道南本場折浜の促成は、例年に比べてコンブノネクイムシの付着による変形や脱落が目立っている。予備コンブなどを移殖し対応しているが被害箇所全てに手当できず減産を見込む着業者もいる。生育中のコンブについても「例年より短い」と指摘する声が多い。
ここ数年不振を極めている噴火湾3単協(落部・森・砂原漁協)のエビかごで、今年は春漁終盤に突如上向いた。大量発生している混獲のオオズワイガニが減少した矢先にボタンエビが急増。1隻数尾の水揚げから100キロ前後に増えている。着業者は「全盛期より少ないが、この好転を秋漁につなげたい」と期待を寄せている。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会が生産するブランド「海峡ねぼっけバキバキ」の春漁が4月上旬に始まった。初日は唯一操業した髙島信幸部会長の幸栄丸が100箱(1箱5キロ詰め)を超える好漁に恵まれたものの、その後の水揚げは潮によって網に付着する「泥」の状況に左右されている。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)で加工貝の水揚げが終盤に入った。4月13日時点の水揚量は前年同期比3%減の3万5千トン。計画達成率は74%。日産数量は落部が370~380トン、長万部、森が約200トンなど。浜値は八雲町、砂原、鹿部の入札がキロ200円台前半、長万部、落部、森の値決めは200円。いずれも昨季の半値に落ち込んでいる。
人口減少と高齢化が進む宮城県石巻市雄勝町で、若い漁業者が奮闘している。大阪市から移り住んだ三浦大輝さん。カキ生産者として独り立ちして4年目になる。大阪弁が抜け、日焼けした顔はすっかり三陸の海の男の風情。浜の暮らしに体も慣れ、「やればやるだけ結果がついてくる」と意欲的だ。産直EC(電子商取引)事業を強化。1年で最も身入りが良いという春ガキをPRする。
散布漁協のコンブ漁場に3月末、流氷が接岸した。大シケによって氷塊がもまれコンブへの影響が懸念されるため、同漁協では近く漁場調査を行い状況を把握したい考え。一方、切れた寄りコンブが少ない状況から、もともとの着生状況が薄かったとの見方もある。
ひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会が熊石漁港で養殖に取り組む「北海道二海サーモン」は、八雲町との試験養殖の枠組みが今年の水揚げで終了し、5月にはひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会の髙橋聖治部会長、佐藤茂樹さん、平井徳之さんの3人が「合同会社二海サーモン」を立ち上げ、養殖いけすを新設し出荷体制を再構築するなど本格事業に移行する。
東京都・豊洲市場の北海道産マガレイ消流は相場が例年並みに落ち着いて荷動きが活発化している。荷受担当者は「特売を組む量販店が出てくる条件がそろった」と集荷に注力。仲卸業者は「序盤は卸値が高くて買えなかったが、最近の仕入れは安定し、顧客からの引き合いも出てきた」と商機を捉えている。