オホーツク沿岸の11月末水揚量は、北部・南部合わせ前年実績比1%増の32万1745トンとなった。計画達成率は102%。北部は同7%減14万1991トンで4単協とも終漁。宗谷、猿払村が4万トン台の水揚げ。一方、南部は同9%増17万9754トン。常呂が4万5千トンを超え、水揚げトップの勢い。雄武、湧別、常呂、佐呂間は12月中旬まで操業する。
北海道の秋サケは、水産研究・教育機構が10月末時点で推定した年齢別来遊数によると、1994年以降では2016年級の4年魚が6番目に少なく、2015年級の5年魚は最少。5年魚は太平洋側(根室~えりも以西海区)、日本海側(オホーツク海区と日本海区)とも前年と94年以降の平均を大きく下回っている。
落部漁協は今年、前浜に生息する「やせウニ」の駆除を実施、併せて身入り向上の実証試験に乗り出した。藻場への移殖放流のほか、北大大学院水産科学研究院が取り組むウニ用人工餌料の開発と連動し、かご養殖、陸上養殖の3手法を試行。新たな漁家収入の確立とコンブの食害防止を目指し、商品化の可能性、最適な養殖方法を検証する。将来的には漁業者主体の事業化を視野に入れている。
宮城県石巻市で「オリーブギンザケ」の研究開発が進められている。東日本大震災からの復興のシンボルとして市が栽培する「北限のオリーブ」を餌に活用。地域で養殖が盛んなギンザケの成長促進や肉質改善、新たなブランド展開につなげたい考えだ。
斜里町の(株)丸あ野尻正武商店(野尻勝規社長、電話0152・23・2181)は、水揚げ日本一を誇る秋サケ、マスを中心に前浜産の素材にこだわって商品づくりに臨んでいる。町が認証する優良地場産品「知床しゃりブランド」に1企業最大品目数の4商品が登録され、卸販売を主力に直売店やネット、全国各地の物産展などで発信している。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会が生産するブランド「海峡根ぼっけ バキバキ」の秋漁が11月上旬に開始。水揚げは良型主体だが、浜値はハシリに比べ大きく下落している。
利尻・礼文両島の養殖業者は種コンブの巻き付けを進めている。種の再生状況は地区間でばらつきがあり、鴛泊や沓形が良好な一方、仙法志は芳しくなく他地区からの供給分で補てんした漁家も。例年に比べ種が小さめという地区もある。
歯舞漁協のブランドダコ「金たこ」が取扱数量を伸ばしている。ブランド化3年目の今季は活魚水槽を2基増やし計8基となり、上場数量がタコ全体の3~4割を占める。鮮度保持を徹底し、通常の鮮ダコよりも浜値がキロ百数十円上回るなど買受人からの価格評価を獲得している。
歯舞漁協(小倉啓一組合長)の自営ホタテけた引船「第一はぼまい丸」(9・7トン、アルミ)が竣工した。安全性や耐久性などを重視する同漁協の要望を随所に反映した新造船が誕生。11月19日に根室市の㈱柏崎造船(柏崎一昭社長)で進水式を挙行後、根室港でその雄姿を披露した。
「2018年度補正予算浜の担い手リース事業」を活用した。16年のロシア水域でのサケ・マス流網禁止に伴いスタートした根室沖での新たなホタテ漁で活躍する。
常呂漁協の若手漁業者が立ち上げた「マスコスモ合同会社」(川口洋史社長)は、今冬も北海道イタリアンバル「ミア・ボッカ」のパスタ料理に地場産のカキとホタテを提供している。生産者の顔が見える食材が好評を博し、札幌市内はじめ道内外各店舗の販売数はうなぎ上り。川口社長は「今回はホタテも提供した。ぜひ味わってほしい」と喜んでいる。