いぶり噴火湾漁協のカレイ刺網着業者は、数量が伸びず浜安の状況に頭を抱えている。オオズワイガニの大量発生で沖側の投網を避け、オカでマガレイ中心に水揚げしていたが「毎回100キロにも満たずキロ100円程度まで下がった。油代にもならない」と困惑する。
日高中央漁協浦河地区でコンブ漁に着業する佐藤利明さんら2人が、浦河港内でウニ採漁を実施している。特別採捕許可での操業で、アイナメ漁の角かごを利活用し港内に約10カ所設置。主にかごに入ったエゾバフンウニを水揚げし、出荷先である漁協営業部が塩水パックに仕立てている。
近年低水準の供給量、高単価が続き、売り場が縮小していた情勢下、北海道が高値水準で前年比65%増の約7万9千トンに大幅増産となった昨年産の秋サケ。消流動向は、いくら製品、親製品の通年商材とも荷動きが低調に推移し、相場が下方修正されるなど一変している。加えて物流・加工能力の低下で日量2千トン以上の水揚げが続くと処理が追い付かず、浜値形成に影響を及ぼす状況。今期を含め水揚げの回復傾向を受け、国内外の売り場と原魚処理体制の再構築が必須課題に挙がっている。
札幌市中央区桑園エリアに店舗を構える鮮魚店「魚勝」(勝山徹一店主、電話011・688・8827)は、鮮魚貝、冷凍品、塩干品、缶詰、珍味、調味料、菓子など水産関連のあらゆる商品を品ぞろえ。「いいものを安く」の商売哲学に徹し、口コミで来店客の商圏が広がっている。勝山店主は水産業界歴五十数年のキャリア。特に恵庭市の大型鮮魚専門店勤務時代に培った店づくりと接客術で顧客満足を追求している。自社製の漬け魚、刺身の単品・盛り合わせに加え、経験者を有するすし商品も充実。ロス削減で提供を始めた魚弁当も人気となり、会社員などが昼食時に詰めかける。
道漁連は6日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を1万2600トンと発表した。過去最低だった昨年度実績(1万970トン)を15%上回るものの、過去10年平均(1万4236トン)比では11%減で、今季も低水準の生産となる見込み。
八雲町や北大大学院水産科学研究院、共和コンクリート工業株式会社、道立工業技術センターが連携し、熊石地区で海洋深層水を活用した海藻の陸上養殖試験に取り組んでいる。低水温の深層水を利用することで、紅藻ダルスは天然が着生していない夏場でも生育、通年で栽培できることがわかった。また、成長期間が短い小型葉体は大型に比べビタミン類などの含有量が高いことも示された。今後は胞子着生の安定化など養殖技術の向上に加え、小型葉体の利用適性を探ることも課題に研究・調査を進めていく。
道総研さけます・内水面水産試験場は6月26日、今年の北海道の秋サケ来遊数予測値を、7年ぶりに3千万尾台に乗せた昨年実績比4%増の3482万8千尾と発表した。予測通りの場合、4年連続の増加で、全道的には回復基調。沿岸漁獲量は近年の小型化傾向が懸念材料だが、重量ベースで8万5千~9万トンが見込まれる。ただ、海区別では根室海峡から太平洋は依然低水準が続く。
飲食店、フランチャイズ事業、店舗コンサルタントを手がける株式会社サンユーライズ(横浜市西区、佐々木貢社長)の店舗は、落部や道南の産直品で他店と差別化している。落部漁協で漁業に従事する兄の佐々木正広さん(第十五幸成丸)が水揚げした魚介類を空輸。また、函館市、森町、八雲町の産地仲買からも仕入れ、「北海道産直」の強みを生かした料理を提供している。
食品卸大手の国分グループ本社株式会社と首都圏・関信越エリアを担うグループ会社は6月27、28日、展示商談会を開いた。低温フレッシュデリカ事業を伝える展示には、新しい凍結技術「ZEROKARA」(ゼロカラ)を生かしたメニューを紹介。冷凍食品やフローズンチルド商品(フロチル商品)を拡充する方針を示した。
農林水産大臣官房統計部がこのほど発表した2022年漁業構造動態調査結果(22年11月1日現在)によると、全国の海面漁業の漁業経営体数は6万1360経営体で、前年に比べ3540経営体(5.5%)減少した。経営組織別にみると個人経営体は5万7440経営体で3350経営体(5.5%)減、団体経営体は3930経営体で同180経営体(4.4%)減と、依然減少傾向に歯止めがかかっていない。