厚岸漁協のワカメ養殖漁業班(神達也班長、14軒)は6月下旬に「どぶ漬け」手法による採苗と養成綱の沖出し作業を行った。どぶ漬けは2011年に試験的に取り入れ、順調な生育と収穫時の本数が多いなどの成果を確認。13年からは全着業者がどぶ漬けを実施。簡易的な手法のため、省力化にもつながっている。 厚岸産めかぶを中心に使い採苗。養成綱は1本100メートル以内。本数は着業者で異なるが、1軒当たり最大12本とする。
道漁連は3日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を1万1400トンと発表した。過去最低を大幅に更新する異例の大減産となった昨年度実績(8213トン)に比べて4割増と回復する一方、過去10カ年平均(1万2978トン)比では1割ほど下回り、今季も低水準の生産が見込まれる。
オホーツク海沿岸の漁場造成を含む6月末水揚量は、前年同期比8%減の8万9860トンとなった。北部が3%減の3万9290トン、南部が11%減の5万570トン。全体計画量に対する達成率は34%。頓別、枝幸、常呂、西網走が昨年を上回るペース。歩留まりは6月段階で9~10%前後と低調。アソートも5S中心が多い。一方で浜値はキロ300円前後から200円台中盤の高値で推移している。
道総研さけます・内水面水産試験場は23日、今年の北海道の秋サケ来遊予測値を昨年実績比35.5%減の1141万1千尾と発表した。予測通りの場合、3年連続の大幅減となり、昭和50年代前半の来遊数まで退化する極度の低水準。近年の小型傾向から沿岸漁獲量は3万トン割れも想定され、定置漁業経営をはじめ秋サケの加工・流通に影響は甚大。併せて種卵確保でも全道の充足率が87%にとどまった昨年に引き続き深刻な状況が懸念される。
「TOSPACK」シリーズで知られる真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区)は、食品機械・技術の展示商談会「FOOMA JAPAN 2025」(東京ビッグサイト、10~13日)に出展した。さまざまなタイプの真空包装機を展示し、実演を繰り返しながら品質や作業効率の高さを示した。新基軸となる密着真空包装や、驚きの洗浄効果を引き出すランドリーシステムも紹介し、食品製造現場のあらゆる解決策を詰め込んだブースを展開した。
水産研究・教育機構の開発調査センターは、不漁対策の一環として、大型サンマ漁船によるアカイカ釣の兼業試験を実施した。漁獲量の面では兼業は可能であると見込まれ、今後採算性について評価していく。
北海道定置漁業協会(馬場浩一会長)は23日に網走地区から毎年恒例の現地対話集会をスタート。7月8日にかけて全道8カ所で開催し、今年の秋サケ定置漁解禁を前に、全道の定置業者らに資源状況、定置経営の現状と課題、消流動向と流通対策事業(次号以降に詳報)、漁業共済と積立ぷらすの事業推進について情報提供。意見や提言を受けていく。25日は帯広市で十勝・釧路地区対象に開催。馬場会長はあいさつで「秋サケは北海道の水産業にとって大変重要な資源。試験研究機関、関係機関の支援をいただきながら道増協と連携して資源の早期回復・安定に向けた取り組みを進めるとともに、国や関係機関に定置漁業の経営安定に向けた諸制度の維持・改善などの働き掛けを強化していく」と強調。また、消費流通、国が進める新たな資源管理への対応などの課題に対し「諸活動を進めていきたい」と協力を呼び掛けた。
東京・豊洲市場で23日、北海道噴火湾産毛ガニの取引が始まった。1尾600グラムで卸値がキロ1万8千円の高値で始まり、一部の仲卸は仕入れを断念。毛ガニは全体の相場が上昇しているため、夏のギフト需要が低迷し、飲食店のコース料理など客単価の高い販路に流れている。
根室市の株式会社兼由(濱屋高男社長、電話0153・27・2231)は、レトルトパウチ・煮付けシリーズの順調な売れ行きが続いている。2008年からサンマを皮切りに道産主体に魚種、味付けのバリエーションを増やし、シリーズ累計販売数は23年で2千万パックを超えている。一昨年にスケソ2種類、昨年にサケ3種類を投入し、総アイテム数は30種類に拡充。今年は道内で水揚げが定着してきたブリで4種類を発売予定。
後志管内沿岸のウニ漁は、赤(エゾバフンウニ)の出荷量が大幅に減少した昨年に比べ若干増加傾向にあるものの依然漁獲量は少なく、白(キタムラサキウニ)のみを漁獲する着業者が大半を占める。「今季はそれなりに身入りが良い」とし「あとはコンブで見えていない所にどれくらいあるか」と今後の漁況を注視している。