青森県下北、大間漁協の「アラメコンブ」(標準和名ガゴメ)の落札価格が10キロ平均5万5千円に跳ね上がった。北海道のガゴメが不作といい、代替需要で価格が例年の2倍を超えた。1日のコンブ操業で10万円前後を稼ぐ漁家が増え、「アラメさまさま」といわれる。同漁協はマコンブを含め3年ぶりの3億円に期待をかける。
青森県むつ市は9月25日、新大畑町魚市場の完成式典と祝賀会を同市場などで開催した。いまの市場の老朽化に伴う新設。閉鎖式構造の高度衛生管理型で、海水井戸や紫外線滅菌装置、海水シャーベット製氷機、冷蔵庫などを整え鮮度保持にも力を発揮。衛生と鮮度の両面で品質アップが図られ、魚価向上に大きな期待がかかる。開場は来年4月を予定。
宮城県漁協はカキの品質検査を20日に石巻市の石巻総合支所共販所で実施し、今季のむき身共販開始を29日と決めた。9月中のシーズン入りは震災後初。放卵が進み、順調な身入りでスタートできると判断された。生産見込みは昨シーズン(1699トン)並みの1700トン。台風18号に伴う被害は小さく、良好な出荷が期待される。
野辺地町漁協のトゲクリガニは、3年前のテレビ放送をきっかけに引き合いが強まっている。最盛期の浜値は毎年キロ2000円台と堅調だが、今年は2500円まで上がった。
陸奥湾の採苗は比較的問題なく進んだが、小型が多く、場所によっては満度に採取できない漁家もあった。一時は高水温も懸念されたが8月に水温が下がり今後の成長が期待される。本分散は早い人で9月末、大半は10月頭から始める予定だ。
南三陸町の株式会社マルセン食品(三浦洋昭社長、電話0226・46・2420)は、志津川十日町に本社工場=写真=を新設、4日稼働を始めた。直売店も併設し、店内からは製造工程も一部見ることができる。新たな設備を導入し、新商品開発にも挑戦していく。
岩手県野田村の下安家漁協で早くも秋サケの採卵・授精が活発化した。県北部の中核的なふ化場で2年ぶりに稚魚を生産する。計画の受精卵5428万粒、稚魚4840万尾は一昨年までの15%アップとハードルが上がるが、島川良英組合長は必達を期す。定置漁業者ら周囲の期待も大きい。
スルメイカが今季も全国的な不漁となる中、岩手県北部の久慈市場では7月の当初から昼操業でまとまった水揚げ、高値が続く。漁場形成に恵まれ船が集まっているのが最大の要因だ。9月は35~40隻ほどが連日3000~4800箱を揚げ、200箱を超える船もある。
岩手県の秋サケ漁が始まり、久慈市漁協の滑り出しが好調だ。10日まで6309尾、2072万円の水揚げで、前年同期比は尾数188%、金額251%。ベテラン定置漁業者の皀健一郎組合長は「ハシリとしては上出来。漁があり型、色もいい。久慈は今年、期待できるのではないか。値もいい」と早くも手応え。
野辺地漁協のカレイ刺網は、マコガレイ=写真=が春先から順調に捕れている。夏場の数量は減るもののコンスタントに水揚げ。浜値は大、中がキロ600円台前半とまずまずだ。